「仲間外れにするから」と脅して繋ぎ止めたグループで、最後に一人になったのは私だった
私がいないと回らない
部署の非公式グループチャットを作ったのは私です。最初は本当に情報交換が目的でした。でも気がつけば愚痴や噂話がメインになり、それを一番楽しんでいたのも私でした。
グループの中心にいることが心地よかった。話題を振れば反応が返ってくる。誰かの噂を流せばスタンプが並ぶ。自分が必要とされていると感じられる場所でした。あるとき後輩が「こういうの、ちょっとしんどいかもしれないです」と漏らしたので、反射的に送ったのです。「抜けたら仲間外れにするから」。半分は冗談のつもりでした。でも半分は本気でした。誰かが抜けたら、このグループの意味がなくなる。私の居場所がなくなる。それが怖かったのです。
既読がつかなくなる夜
最近、メンバーの反応が薄くなっていることには気づいていました。以前は投稿すればすぐにスタンプや返信がついたのに、既読がつくのが遅い。返信も短い。「最近見てないよね?」と名指しで確認を送ると、しばらくして「すみません、忙しくて」と返ってくる。
本当は忙しいのではなく、距離を置きたいのだと薄々感じていました。でもそれを認めると、自分が作ったこの場所の意味が崩れてしまう。だから見て見ぬふりをしていたのです。
一人のグループ
ある夜、後輩が「もう抜けます」と一言残して退出しました。すぐに引き止めようとしましたが、メッセージを打つ前に通知が続きました。退出、退出、退出。翌朝までに6人全員がいなくなりました。
後から聞いた話では、みんなこう言っていたそうです。「私もずっと抜けたかった」「あなたが先に抜けてくれたから」。全員が抜けたかった。全員が我慢していた。私の一言で繋ぎ止めていたつもりのグループは、恐怖でしか維持できていなかったのです。
そして...
一人になったグループチャットの画面を、何度も開いては閉じました。通知は来ません。スタンプも、返信も、誰の名前も表示されない。「仲間外れにするよ」と脅した人間が、仲間外れになっている。その皮肉に、唇が震えました。
怖かったのです。グループがなくなることが。みんなの中心にいられなくなることが。でも脅してまでしがみついた場所は、最初から誰も望んでいない場所でした。恐怖で繋いだ関係は、恐怖がなくなれば消える。あの一人のグループチャットを削除できたのは、それから2週間も経ってからのことでした。
(40代女性・営業事務)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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