義母の手料理にずっと覚えていた違和感→夫と冷蔵庫を確認した結果
噛み切れなかった肉
「今日もたくさん作ったから、遠慮しないでね」。義母はにこにこしながら、大皿に盛った生姜焼きをテーブルに並べました。いつも私のお皿には特に多く盛り付けてくれます。夫は「母さんの生姜焼きは最高だな」と笑っていました。
ひと口食べて、奥歯に違和感がありました。肉の繊維がぼそぼそとしていて、噛んでも噛んでもうまくほぐれない。たれの味が濃いのは、この食感を隠すためなのだろうかと、ふと思いました。でも夫は気にする様子もなく食べています。私の気にしすぎだろうか。そう自分に言い聞かせて、飲み込みました。
繰り返される胃の不調
義実家で食事をした翌日、お腹を下すことが増えました。最初は偶然だと思っていました。でも半年ほど前から、義実家の夕食のあとだけ決まって胃がもたれ、翌朝まで気持ち悪さが残るのです。夫には何の症状もありません。
ある日、義母がキッチンに立っているとき、ちらりとまな板の上が見えました。パックから出されたばかりの豚肉の表面が、わずかに変色している気がしたのです。それが引っかかって、思い切って聞きました。「お義母さん、このお肉、いつ買ったものですか?」。義母は一瞬だけ手を止めて、すぐに笑顔で「昨日よ」と答えました。
冷蔵庫の奥にあったもの
翌月の訪問日、夫を説得して一緒に冷蔵庫を確認してもらいました。義母が席を外した数分間で開けた冷凍室の奥に、日付の書かれたラベルが貼られたジップ袋がいくつも入っていました。どれも3カ月から半年前の日付です。中の肉は変色して、霜が厚くついていました。
そのひとつを手に取ったところで、義母が戻ってきました。「うちはずっとこのやり方でやってきたの」。穏やかな口調でしたが、目が笑っていないことに気づきました。私の手からジップ袋をそっと取り上げようとしたとき、横から夫の声が響きました。「母さん、俺の嫁に何をしてるかわかってるのか」。義母のほうを向いた夫の声は、低く、震えていました。
そして...
義母は何も答えませんでした。夫は私の肩にそっと手を置いて、「俺たちはしばらくここには来ない」と告げました。義母の顔がこわばるのが見えました。玄関を出るとき、振り返りませんでした。
車に乗り込んだあと、夫が「気づくのが遅くなって、ごめん」とハンドルを握ったまま言いました。私は何も言えず、ただ夫の手に自分の手を重ねました。あの食卓で何が起きていたのか、全部わかったうえで夫が私を選んでくれたこと。それだけで、喉の奥に詰まっていたものが、すっと溶けていくのを感じました。
(20代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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