「育休取る男とか終わってる」と帰宅早々に笑った夫→「じゃあ父親になる気がないのね」と離婚届を置いて実家に帰った
ずっと、期待していた
育休を取ってほしいと、直接言ったことは一度もありませんでした。言えなかった、というより、言わなくてもわかってほしかったのです。初めての出産、初めての育児への不安。何もかもが不安で、夜中に一人で泣くこともありました。それでも夫が隣にいてくれるなら、一緒に乗り越えられると思っていた。そう信じて、臨月まで来ていました。
夫は、何も知らずに話し始めた
その日、帰宅した夫はスーツを脱ぎながら言ったのです。「今日さ、後輩が育休取りたいとか言い出してさ。男が育休とか終わってるだろって言ってやったよ。笑えるよな」。
私はソファに座ったまま、黙って最後まで聞いていました。夫は気づいていないようです、今にも赤ちゃんが産まれそうな腹を抱えた妻の前で、何を言っているのか。育休が取れないのではなく、取る気がない。それどころか、取ろうとする人間を笑いものにしている。この人は、これから始まる育児を最初から他人事だと思っているのだと理解しました。
「じゃあ父親になる気がないのね」
私はひとことだけ返しました。「じゃあ父親になる気がないのね」。
夫はきょとんとした顔をしていました。それ以上何も言わず、夫が寝室に入るのを待っていました。夫が眠ったのを確認してから、私は動きました。
封筒に別れの覚悟を込めた書類と、一枚のメモを入れました。「実家に戻ります。返事は要りません、あなたの行動で示してください」。それだけ書きました。荷物をまとめる手が震えていたのは、寒かったからだと思うことにしました。
そして...
数日後、夫から育休申請が通ったとメッセージが来ました。返信はしませんでした。でも既読だけはつけました。それが私の精一杯の答えでした。
実家にいる間も、電話には出ませんでした。夫の声を聞いたら気持ちが揺れてしまいそうで、怖かったのです。でも既読をつけるたびに、夫は必ず短い報告を送ってきました。「申請が通りました」「上司に話しました」。言葉ではなく、行動で示そうとしていることだけは伝わっていました。
陣痛が始まった夜、産院のベッドで天井を見ながら考えていました。この子が生まれてくる瞬間を、父親に見せてあげたい。それは夫を許すとか許さないとか、そういう話ではありませんでした。ただ、この子の誕生の場に父親がいるべきだと、体の奥から確信が来たのです。
私は、夫に「病院に来て」と呼びました。生まれてきた子どもを夫が抱いた瞬間の顔を見て、呼んでよかったと思いました。あの夜実家に帰ったことを後悔はしていません。あの行動がなければ、夫がそこまで向き合ってくれることはなかったと、今でもそう感じています。
(30代女性・アパレル)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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