片付けや掃除をほとんどしない彼「気づいた人がやれば?」→気づかないことにした結果
「気づいた人がやれば?」という彼の言葉
私たちが同棲を始めたのは、昨年の秋のことでした。お互い仕事をしながらの二人暮らし。最初のうちは新生活への期待もあり、多少の不便も気になりませんでした。
けれど、日が経つにつれて気づいたのです。シンクに溜まる食器、脱ぎっぱなしの服、ゴミ箱からはみ出すペットボトル。どれも私が片付けないと、そのままになってしまうのだと実感しました。「これ、片付けてくれない?」と伝えると、彼は悪気のない顔でこう言いました。「気づいた人がやればよくない?俺、そういうの気にならないタイプだから」と。
その言葉に、私は何も言い返せませんでした。確かに、彼は本当に気にならないのかもしれない。でも、それなら「気づく側」の私ばかりが動くことになるのではないかと思ってしまいました。
私も"気づかないふり"を始めた日
ある週末、私はひとつの実験を始めることにしました。彼が「気づいた人がやればいい」と言うのなら、私も気づかないことにしよう、と。
洗い物が溜まっても、見て見ぬふり。床に転がる靴下も、拾わずにそのまま。ゴミ袋がいっぱいになっても、私からは絶対に手を出さない。正直、最初はとても落ち着きませんでした。それでも続けました。3日、5日、1週間。部屋はどんどん荒れていき、さすがに彼も異変に気づいたようでした。「なんか最近、家の中すごくない?」と聞いてきた彼に、私は静かに答えました。「うん。でも私、気づかないことにしたの」と。
彼が初めて手を動かした瞬間
私の言葉に、彼は一瞬きょとんとした顔をしました。そしてしばらく黙ったあと、「……俺のせいか」と小さくつぶやいたのです。
その日の夜、彼は初めて自分から食器を洗い始めました。慣れない手つきでスポンジを握る姿を見て、私は複雑な気持ちになりました。もっと早く気づいてほしかった。でも同時に、こうして動いてくれたことへの安堵もありました。「ごめん、全部お前に押しつけてた」と言う彼の声は、少し照れくさそうで、でも確かに本心からの言葉に聞こえたのです。
私は「ありがとう」とだけ返しました。
そして...
あの日から、少しずつ彼の行動が変わりました。ゴミ出しの日を覚えてくれたり、洗い物を「俺やるよ」と言ってくれたり。小さな変化のひとつひとつが、私にはとても嬉しく感じられます。
「気づかないふり」は、決して気持ちの良い方法ではありませんでした。それでも、言葉だけでは伝わらなかった違和感を、彼が自分で感じる機会になったのだと思います。
今の私たちには、以前よりも穏やかな空気が流れています。どちらかだけがガマンする暮らしではなく、お互いに少しずつ歩み寄る毎日です。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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