「俺だって疲れてる」産婦人科で座り続ける男。それを見ていたイケメン旦那が放った言葉に男が青ざめた理由
混み合う待合室で起きた出来事
その日、産婦人科の待合室はいつも以上に混雑していました。椅子はすべて埋まり、妊娠8ヶ月の私は夫と一緒に立ったまま順番を待っていました。
足がむくんで、立っているのが正直つらい。夫が「大丈夫?壁にもたれて」と気遣ってくれましたが、それでも限界が近づいているのは自分でも分かっていました。
そんな中、目の前の椅子に座った一人の男性が目に入りました。付き添いで来ているのか、スマートフォンを操作しながら深く腰かけています。私が目の前に立っていることに気づいているはずなのに、顔を上げようともしません。周囲の視線がその男性に集まりはじめましたが、誰も声をかけることができずにいました。
「俺だって疲れてる」開き直る男性
見かねた受付のスタッフが、やんわりと声をかけてくれました。「よろしければ、お席をお譲りいただけませんか」と。しかし男性は顔をしかめ、不機嫌そうに答えたのです。
「俺だって疲れてるんですよ。なんで俺が譲らなきゃいけないんですか。」
その言葉に、待合室は凍りつきました。スタッフも困惑した表情を浮かべ、それ以上強くは言えない様子。私は申し訳ない気持ちになり、「大丈夫です」と小さく首を振りました。
その時、隣に立っていた夫の空気が変わったのを感じました。
隣で静かに拳を握った夫
夫は普段、とても穏やかな人です。声を荒げることもなければ、人と揉めることもほとんどありません。でもこの時、私の隣で静かに拳を握っているのが分かりました。夫はゆっくりと一歩前に出ると、座り続ける男性の前に立ちました。そして、静かな声でこう言ったのです。
「疲れてるのは誰でも同じですよ。でもここは産婦人科です。お腹に赤ちゃんがいる人が優先される場所だって、大人なら分かりますよね」
威圧するでもなく、責め立てるでもない。ただ淡々と、当たり前のことを伝えただけ。それなのに、その言葉には不思議な重みがありました。
「俺の妻は8ヶ月のお腹を抱えて、ずっと立ってるんです。あなたは関係ない、なんて言えますか」
夫の目は真っ直ぐに男性を見据えていました。怒鳴っているわけではない。でも、絶対に引かないという静かな覚悟がそこにはあったのです。
そして...
男性は何も言い返すことができませんでした。顔を真っ赤にしたかと思うと、そそくさと席を立ち、待合室の隅へと消えていったのです。空いた席に夫が「座って」と促してくれました。腰を下ろした瞬間、足の痛みが和らいでいくのを感じながら、私は隣に立つ夫を見上げました。
「ありがとう」そう言うと、夫はいつもの穏やかな笑顔に戻って「当たり前だろ」と私の頭をそっと撫でてくれました。大きな声を出さなくても、正しいことは正しいと伝えることができる。自分の大切な人を守るために、静かに立ち向かえる強さ。
この人と結婚してよかった。お腹の赤ちゃんにも、こんなふうに誰かを守れる人になってほしい。そんなことを思いながら、私は夫の手をそっと握りました。
小さな勇気が、誰かを守ることがある。そんな当たり前のことを、改めて教えてもらった出来事でした。
(20代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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