「考えすぎる性格」だと起こる5つのこと
「さっき彼にラインを連続して送っちゃったけれど、重いって思われていたらどうしよう?」
「あぁ、ちゃんと資料見直していたらあんなミスしなかったのに、何であんなポカしちゃったんだろう……」
「私はこの先、結婚できるのかな?」
……など、気が付くと同じことをぐるぐる考えている。
上記のように、変えられない過去、または自分のコントロールの範囲を超えていることなど「考えても答えが自分の中では見つからないこと」に関してネガティブな方向に思い詰めてしまうことを、心理学では「反すう思考」といいます。
そして考えすぎる状況には、多くの場合、「恐れ」の感情がベースにあります。
考えすぎる人は、「何かを恐がっている」というわけです。
この状態って本当にしんどいですよね。心もぐったり疲れちゃうし、落ち込むことも多いし。でも考えることをやめられない。いつも気が付けばぐるぐるする思考パターンにはまっている。
そんな時、一体どうしたらいいのでしょうか?
■考えすぎる人の特徴
まず、考えすぎる人には以下の6つの特徴が見られます。
◇(1)人に頼るのが苦手
第三者に頼ったり、自分の弱みを見せられないところがあります。なぜなら「他人からどう思われるか?」が気になるからです。だから自分で何とかしようと自己完結しようとするのですね。
◇(2)完璧主義
考えすぎる人は完璧主義なタイプも多く、「失敗をしたくない」という思考から、失敗しないためには何ができるかをぐるぐる考えてしまうことも多いです。
◇(3)嫌われるのが前提になっている
人から嫌われることが前提になってしまっていると、「嫌われないようにどうしたらいいか?」をまず考える傾向にあります。
なので、他人の態度や言葉について「あの人のこの言動の意味は何だったのか?」を頭の中で検証することが多くなりがちです。
◇(4)自己肯定感が低い
自己肯定感が低いと、どうしても自分の決断や考えに「これでいいのかな?」「間違っていない?」と不安になるので、ぐるぐる考えてしまうループにはまりやすいです。
◇(5)自分に自信がない
自分に自信が持てない場合、何か選択や決断した際に「結果が悪いものになるのでは?」とネガティブな未来ばかりを想像して、どうすればいいのかを考えてしまうループにはまりやすくなります。
◇(6)なかなか行動に移せない
考えすぎる人は「うまくいかなかったらどうしよう?」という恐れがベースになっていることがよくあるので、何かをしたいと思っても「うまくいかないなら動かない方がいいか……」などと実際に行動に移せないことも多くなる傾向にあります。
このように「もしもうまくいかなかったら……」と、うまくいかないことを前提として未来を見ることを、心理学では「予期不安」といいます。
■考えすぎる理由と心理
続いて、ぐるぐると考えすぎてしまう理由と心理を解説します。
◇(1)全てを理解して納得したい
考えすぎる人は「答えが分からないものまで答えを探す」傾向にあります。全てを理解して納得したいという気持ちが強い人が多いでしょう。
例えば、さっき彼に送ったLINEについて彼はどう思ったか?
それは彼にしか正解は分かりませんよね。でも、とにかく「答え」がほしいので、あれこれ思いを巡らせてしまいます。
◇(2)不安を解消したい
考えすぎる人の心理には、「恐れ」がベースにあるため、「失敗したらどうしよう」という不安を常に抱えています。
考えれば考えるほど、ますます不安が大きくなって、その不安を解消するための答えを求めてさらに考えすぎてしまうのです。
◇(3)親からのダメ出しが多かった
子どもの頃、親からのダメ出しが多かった経験がある人は、「どうしたら否定されないか」を考えるようになりがちです。
「これをやっても大丈夫かな?」「これは間違っていないかな?」と、行動する前にあれこれ慎重に考えすぎてしまう癖が付いていることが多いです。
■考えすぎることのデメリット
考えすぎるということは、物事を慎重に進められる良い点もあります。
ただ考えすぎる心理には、「恐れ」がベースにあるため、日常生活や人間関係に支障をきたすこともあるのは事実。
ここでは代表的なデメリット5つを見ていきます。
◇(1)ストレスを抱えやすい
考えすぎる人は不安感やうまくいかない恐れなどネガティブな感情があるケースが多いので、長時間ストレスにさらされている状態になりやすいです。
◇(2)行動に移せなくなる
何かをしたいと思っても「うまくいかないのでは?」という不安を感じやすく、「うまくいくにはどうしたらいいのか?」→「でもうまくいかないかもしれない」→「じゃあどうしたらうまくいくのか」→「でもうまくいかないかもしれない」というループにはまりがちで、なかなか行動に移せなくなることもあります。
◇(3)時間を無駄にしてしまいがち
あれこれ考えていても、行動に移せないので、何かを生み出すことも難しいです。考えていた時間に見合った結果が伴わないこともあるでしょう。
◇(4)ネガティブ思考になりやすい
考えすぎる人の心理のベースには、不安感や恐れがあります。この感情がある場合、考えれば考えるほどネガティブな妄想ばかりが膨らんでしまうものです。
◇(5)頑固者に見られることも
人の意見を聞いても、「本当にそれが正しいのだろうか?」「本当にそれでいいのか?」とあれこれ考えてしまうこともあるため、周りからは頑固者に見えてしまう可能性もあります。
■考えすぎることの改善方法
考えすぎはストレスを感じやすいので、「何とか改善したい!」と思う人は多いようです。
そこで、以下の改善方法を紹介します。
◇(1)運動をする
ウォーキングなど日常生活レベルの運動によって「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されると考えられているので、考えすぎる原因となる不安感を減らす効果が期待できます。
◇(2)スケジュールに「考える時間」を入れる
例えば「土曜日の14:00から15:00まで考える時間」とスケジュールに入れておくと、他の日についつい考え始めてしまった時に、「あ、土曜日の14:00に考えるんだった」と、考えることから気持ちを切り替えやすくなります。
◇(3)小さな成功体験を積み重ねる
例えば失恋経験がある人は、新しい人と付き合う際に「また振られるのでは?」と思うようになるなど、過去の体験を未来に投影する心理パターンがあります。
そのため、過去に失敗した経験がある人は「今回も失敗したらどうしよう?」と過去の失敗を未来に投影し、考えすぎてしまいます。
逆に、小さくても成功体験を積んでいくと、その成功体験が未来に投影されるので、「もしかしたらできるかも」と意識が前向きになりやすく、考えすぎなくなるかもしれません。
◇(4)考えていることを紙に書き出す
人は分からないものに恐れや不安を抱きやすいものです。そんな時は問題や悩みなど、考えていることを紙に書き出すことで全体像が見え、整理しやすくなり、状況の理解が進むと不安感が減ります。そうすると、ぐるぐる考えることも減ってくるでしょう。
■すぐに「考えすぎ」な状況から抜け出したいなら
どうしても、今すぐに考えすぎている状況から抜け出したい! という場合は下記の方法を試してみてください。一時的な対処法ですが、少し心が楽になりますよ。
◇(1)瞑想をする
リラックスできるヒーリング曲や川のせせらぎの音などを流し、目を閉じてその音のみに意識を集中させるなどしてください。瞑想する時間をつくると、考えるという行動から距離を取ることができるはずです。
◇(2)気持ちを誰かに聞いてもらう
考えすぎる人は不安感があり、「不安な未来をどう回避できるか?」をぐるぐると考えてしまうことがとても多いです。
その不安な気持ちは、誰かに話を聞いてもらい「そうか、それは不安になっちゃうよね」と受容や共感をしてもらうことで、軽減できるでしょう。
■考えすぎる自分にダメ出しをしないように
考えすぎる人は、常に「もしもこんなことが起こったら……」と起こり得るリスクを想定しているため、慎重な行動が取れます。
また他者の気持ちに敏感な分だけ、気遣いができる人も多いものです。
そのような長所もあるので、一番大事なのは考えすぎる自分にダメ出しをしないこと。そうすることで、ストレスを抱えなくて済みますよ。
(沼田みえ子)
※画像はイメージです
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