複数人と同時交際「ポリアモリー」な女性たちが急増中 浮気や不倫と違う新たな愛の形とは
2015.12.28 22:30
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「一途にただ一人の異性だけを生涯愛すること」世の中では一般的に、それこそが美しく正しい愛の形であると信じられている。しかし、自然界では一夫一妻制の動物は多くないし、人間も太古の昔から現在に至るまで、複数人と関係を築いてきたという話は多くあり、一夫一妻制は本能的に組み込まれた関係性ではないのかもしれない。そんな中、浮気や不倫とも違う、一度に複数人と性愛関係を築く「ポリアモリー」な女性たちが急増しているという情報をキャッチ。今回はそんな新たな愛の形「ポリアモリー」について紐解いていく。
「ポリアモリー(polyamory)」とは
「ポリアモリー(polyamory)」とは、ギリシア語の「複数」(poly)とラテン語の「愛」(amor)に由来する、アメリカで造られた造語。つきあう相手、親密な関係を同時期に、一人だけに限定せず、全ての関係者が全ての状況を知る選択が可能であり、全員がすべての関係に合意している、という考え方に基づく行為、ライフスタイル、または恋愛関係のことを指す。
浮気、不倫との違い
一般的に複数の人と性愛関係を持つというと、浮気や不倫と変わらないと思う人もいるかもしれないが、大きく違う点がある。1.関係性を隠さず、全員がすべての関係に合意している
まず、浮気や不倫と大きく違う点が「全ての関係者が状況を知ることができ、全員がすべての関係に合意している」ということ。一般的に知られている浮気はその言葉の通り、恋人というパートナーがいながらも心が浮ついてしまい、パートナーに隠しながら違う異性と性愛関係を持つというもの。不倫は配偶者のいる男性もしくは女性が、配偶者以外と関係を持ってしまうというもので、こちらも配偶者にはその関係を隠しているというのが通念だ。
浮気や不倫はともにパートナーに嘘をつき隠し事をしながら、寂しさや性欲を満たすために別の人と関係を築いてしまうことから、多かれ少なかれ罪悪感を背負うことになり、何でも言い合えるパートナーとしての関係性は機能していないだろう。
しかし、「ポリアモリー」の場合、すべての人がすべての関係性を知り、合意の元で築かれた関係性になるため、隠し事をする必要もない。「大事な人にこそ、包み隠さず全てを話したい」というのが「ポリアモリー」の考え方だという。
2.順位をつけず、すべての人を誠実に愛している
もう一つ浮気や不倫と異なる点が、どの人のことも優劣をつけず、誠実に愛している、ということ。一般的に浮気や不倫は、正規のパートナーこそ一番大切であり尊重すべき存在、と考えられており、浮気相手や不倫相手の地位は低く、関係性に大きな差異が生じている。そして、正規のパートナーだけでは満たされない欲望をこっそりアウトソースするという考え方だ。
しかし「ポリアモリー」の人々の間では、どの人の間にも優劣ない。どの人に対しても本気で愛を注ぐというスタイルがスタンダードとなっている。
LGBTの台頭から見る性の多様性
近年、レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーを略したLGBTという言葉も、テレビや雑誌等各種メディアで見受けられるようになってきた。お茶の間でもオネエと呼ばれる女装をした男性が見られるのも当たり前になってきたし、新宿2丁目は世界に誇るゲイタウンとしてその知名度は高い。最近ではジェンダーレスやノージェンダーという、性の枠組みを超えた概念も登場してきている。
「ポリアモリー」もそんな多様化する世の中の性の在り方を改めて感じさせてくれる事象だ。少しずつ世の中に、性の多様性が生まれてきたことが窺える。
愛と幸せを巡って
もちろん、今の世の中で一般化している一夫一妻制の元、男女で結婚し、生涯お互いだけを愛し、幸せになれることが一番だ。しかし、結婚は契約に過ぎず、愛を保証するものではない。故にパートナーから愛を感じることができずに、配偶者以外の人にこっそりと愛を乞うて、浮気や不倫が発生するのである。その上で考えれば、誰にも隠し事をせずに、みなで幸せを共有しようという「ポリアモリー」の思想は新しい。
とはいえ、「ポリアモリー」の考えは誰を愛しても良いという自由と引き換えに、辛いこと、見たくないこと、知りたくなかったことを全て受け止めるだけの覚悟が必要であり、自分の中に渦巻くかもしれない嫉妬や憎悪など負の感情をコントロールできる器量が求められる。
浮気や不倫と同様、関係者全てが幸せになれないのなら、愛の形として賛成はできない。しかし、愛するという気持ちは否定されるべきものではないし、人が人を愛するのはごく自然な欲求である。
愛は名詞ではなく動詞であり、愛は行動の結果とも言われており、「ポリアモリー」の人々はこの考えに近い信念を持っているように思う。
嫉妬や憎悪などは相手に愛を求めるからこそ生まれる負の感情だ。いつまでも相手に愛を乞うよりも、主体的に愛という行動を遂げられる人こそ、これからの時代幸せを手にしていくのかもしれない。(modelpress編集部)
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