菅田将暉、主演作のロケで“ご当地グルメ”を食べ過ぎ「本当においしくて撮影中に7kg太ったんです」
俳優の菅田将暉が、11月2日に都内で開催された「第37回東京国際映画祭『サンセット・サンライズ』上映後Q&A」に出席。メガホンをとった岸善幸監督と共に映画を見終わったばかりの観客の質問に答えた。
岸監督×宮藤官九郎脚本による“移住エンターテインメント”
同作は、楡周平氏の同名原作を共に東北出身の岸監督(山形県)と脚本・宮藤官九郎(宮城県)による異色のタッグで映画化。都会から移住した釣り好きサラリーマン・西尾晋作と宮城・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら、豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマンコメディーだ。開催中の「第37回東京国際映画祭」ではガラ・セレクション部門にて上映されている。
主人公・晋作役の菅田は、岸監督とは映画「二重生活」(2016年)、映画「あゝ、荒野」(2017年※前後篇)に続いてのタッグとなるが、菅田は「過去作2本ともR指定が付いていて(笑)。割と過激な描写で、濡れ場は2回ともあるんですけど、こんなハッピーな明るい映画を岸さんが撮るんだなっていうのがサプライズでしたね」と、これまでの“岸組”とは少し毛色の違うテイストに驚いたことを明かす。
実は映画「あゝ、荒野」が終わった後に「次はちょっと笑える作品をぜひやりたいです」という話をしていたそうで、菅田は「それがどんな話になるのか、やっぱり岸監督ならではの人間の生活力をそのままエンターテインメントになっている部分は残してほしいし。そういう映画に出たいけど、どうなるのかなって思っていたら、宮藤官九郎さんのエッセンスによって僕は見たことがない映画になりそうだな、というワクワクで受けました」と、オファーを受けたときのことを振り返った。
今回は上映後Q&Aと題したイベントということで、時間の許す限り観客からの質問に2人が答えるというティーチインスタイルで行われた。
豊かな自然とともにおいしそうなグルメも登場する映画ということで、劇中で食べた料理では何が一番おいしかったかを問われた菅田は「(劇中の料理は)本当においしくて、僕この撮影中に7kgとか太ったんです。食べ過ぎるくらい(おいしくて)」と回顧し、「印象に残っているのは“ハモニカ”と“モウカの星”ですかね。ハモニカはメカジキのお肉を焼いて煮たやつで、お魚だけどお肉みたいな料理。いまだにネットで注文して家で食べています。モウカの星はサメ(モウカザメ)の心臓で、生でごま油とお塩だけで食べるんですけど、現場で誰かが食べたのがあまりにもおいしいって、そのまま1週間後くらいに脚本に反映されたんですよ。おいしかったですね」と、宮城のご当地グルメに魅了された様子。
劇中に出てくる絵はすべて菅田作
また、当初の脚本からロケ中に変わったことについて聞かれた岸監督は「今日『サンセット・サンライズ』のスタッフTシャツを着てくるつもりだったんですけど、それは菅田将暉さんがデザインしたんです。撮影直前くらいに菅田さんに『劇中の絵を描いてください』とオファーしまして、この作品の中の絵は全部菅田さんが描いています」と回答すると、客席からは驚きの声が。続けて岸監督が「菅田さんが『(撮休でも)全然休みが取れない。絵を描いていて』と。ちょっと苦行を強いてしまったんですけど、本当にあの絵は全部菅田さんが描きました」と話すと、菅田は「描かされました」と冗談っぽく返していた。
さらに、菅田演じる今作の主人公は東京から地方に移住するということで、もし今後移住しようとなった場合、移住先でどんなことをしたいかという質問が。
それに対し、菅田は「今回ちゃんと初めて釣りをやってみたんですけど、あれは大変ですね。絶対ハマるって分かるんで、ハマったらもう時間がいくらあっても足らないというか、一瞬で人生終わるって思ったので、(釣りではなく魚を)さばくほうだけにしたんです。自分で釣って(さばいて食べる)、ってやりたいんですけど、そうすると1日、2日あっという間に終わっちゃう。本当だったら釣りはやりたいです」と打ち明け、中毒性の高い釣りにハマらないようセーブしているが、本当は思う存分やってみたいという思いを伝えた。
すると岸監督は「撮休の日に(菅田が)スタッフと一緒に釣りに行ってるんですけど、すぐ釣ったんです」と菅田の釣りセンスの良さを証言し、菅田は「でも、そのときは僕のマネジャーのほうが釣ってましたけどね」と恐縮していた。
映画「サンセット・サンライズ」は、2025年1月17日(金)全国公開。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
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