「第78回毎日映画コンクール」授賞式に登壇した鈴木亮平(C)モデルプレス

鈴木亮平「異性愛者に認められている権利は当たり前ではない」同性愛者役で得た気づき “理想的な恋人”も明かす<第78回毎日映画コンクール>

2024.02.14 19:38

俳優の鈴木亮平が14日、都内で開催された「第78回毎日映画コンクール 表彰式」に出席。映画「エゴイスト」で男優主演賞を受賞した。


鈴木亮平、男優主演賞受賞

鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
本作は、愛と毒のある切り口で数々の名コラムを世に送り出してきた高山真の自伝的同名小説が原作。鈴木は、14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごした浩輔役を務め、宮沢演じるパーソナルトレーナーの龍太と惹かれ合う様子を繊細に演じた。

鈴木亮平(C)モデルプレス
鈴木亮平(C)モデルプレス
トロフィーを受け取った鈴木は「人を愛するというのはある種曖昧なことかなと思いました」と本作を通じて得たものを語り始めた。「本当に純粋な愛なのか、それともただのわがままなのか、自分が普段人を愛するということはどっちなんだろう」と自身の体験にも置き換え考え続けていたといい「出来上がったものを見て、自分ももう少し人を愛するということに、わがままになっても良いのかな。その自分のわがままが誰かのためになったり、救ったりすることができればひょっとしたらそれを愛と呼んで良いのかなとそんなふうに思いました」と自分なりの答えを見つけていた。

鈴木亮平(C)モデルプレス
鈴木亮平(C)モデルプレス
また、異性愛者である鈴木が同性愛者を演じるにあたり「(当事者に)『これは間違いなく自分たちの物語だな』というきちんとしたクィア映画にしていかなければいけない」と覚悟を持って挑んだという。様々な人に話を聞く中で「自分が知ったつもりになっていたことが何も知らなかったんだな」と今までの自分が当事者を理解できていなかったと回顧。「我々異性愛者に認められている当たり前に持っている権利は当たり前ではない、選択肢がないんだなということが初めて実感として湧いてきた」と気づきを得たことを明かした。

鈴木亮平、宮沢氷魚は「ピュアすぎる」

熱い握手を交わす鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
熱い握手を交わす鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
トロフィー授与時にも「今日はなんといっても共演した龍太役の宮沢氷魚くんと一緒にこの場に立てていることが最高です」と同じく「エゴイスト」で男優助演賞を受賞した宮沢氷魚との“W受賞”に満面の笑みを見せていた鈴木。授賞式終了後の囲み会見で、宮沢が受賞スピーチにて、鈴木との再共演を望んでいたことについて聞かれると「横で聞いていましたけど、敵対する役とかやってみたいって言ってたので、僕もぜひやりたいですね」と同じく再共演を熱望した。

鈴木亮平(C)モデルプレス
鈴木亮平(C)モデルプレス
「裏の裏を読みながら言葉を、上品な言葉なんだけれどもすごく暴力的なやり取りをしてるっていうような、そういう役とかやったら面白そうかなと思って聞いていました」「高度な政治的なやり取りをする役とか」などと具体的な役柄についても発言が飛び出していた。

宮沢氷魚(C)モデルプレス
宮沢氷魚(C)モデルプレス
さらに「何をやっても持って生まれた品みたいなものがある」と宮沢の魅力を語った鈴木。宮沢のような恋人は欲しいかという質問に対しては「ちょっとピュアすぎるかもしれないですね。僕にはもう少しこう 据えた感じの人が…」と答えるも「嘘です、理想的な恋人だと思います」と茶目っ気のある回答で会場を和ませていた。


「毎日映画コンクール」とは

(左から)アフロ、広瀬すず、杉咲花、塚本晋也監督、阪本順治監督、石井裕也監督、鈴木亮平、宮沢氷魚、サリngROCK(C)モデルプレス
(左から)アフロ、広瀬すず、杉咲花、塚本晋也監督、阪本順治監督、石井裕也監督、鈴木亮平、宮沢氷魚、サリngROCK(C)モデルプレス
毎日映画コンクールは1946年(昭和21年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された国内最高峰の映画賞。演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などのスタッフ、日本映画を代表する名女優田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けていることが特徴だ。

鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
鈴木亮平、宮沢氷魚(C)モデルプレス
各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約70人が選考にかかわり、毎日映画コンクールはその歴史と伝統とともに、選考の厳正公明さによっても映画業界から高い評価を得ている。

第75回から表彰式の開催地は都内へと戻り、目黒区の協力を得て「めぐろパーシモンホール」で開催。今後も、一般にも開かれた映画賞として毎日映画コンクールは成長を続けていく。(modelpress編集部)
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