神木隆之介&浜辺美波、共演作続く2人「もうあと8年は共演無いのでは」 次回共演するなら“どちらかが相手を復讐する役”<ゴジラ-1.0>
ゴジラ70周年記念作品となる映画「ゴジラ-1.0」が11月3日より全国東宝系にて公開中。WEBザテレビジョンでは、今作で主演を務める神木隆之介と共演の浜辺美波にインタビューを実施。NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」では夫婦役を務めた2人だが、70周年30作品目とアニバーサリー尽くしのゴジラには、どのように挑んだのか、話を聞いた。
アニバーサリー尽くしのゴジラへの出演
――ゴジラ70周年記念作品の「ゴジラ-1.0」。出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
神木隆之介(以下、神木):70周年で「30作品目」というのもあって、プレッシャーはかなり感じていましたね。お話をいただいたのが30歳になる手前28歳のときだったのですが、30歳を目前に控えた今の自分がどこまで背負うことができるかなと。そういう大きな負荷を含めて挑戦しようと思いました。
ただ、いざ撮影が始まると、監督がゴジラを撮れるウキウキでかなり気合が入っていらっしゃって。それを見て「監督なら全て受け入れてくれるのだろうな」と感じ、思いっきり演じることができました。山崎貴監督にOKを出させるかを意識しながら、思いっきり演じるのは、すごく気持ちがよかったです。
浜辺美波(以下、浜辺):私は「ゴジラ」映画に出演することを、小さい時から意識していたので、念願叶って本当に光栄でした。もちろん緊張感もあったのですが、お話をいただいたときは「山崎さんが撮るゴジラを早く見たいな」という気持ちが大きくて、オファーをいただいたときは、ただただうれしくて楽しみでした。
――ゴジラ作品ならではだなと思った撮影エピソードはありますか?
神木:うーん…早い段階から大きいゴジラの人形が現場にあったことですかね。監督のモニター前に置いてあったんですけど、ゴジラが出てきたらどういう風にしっぽを振るのかをテンション高く説明してくれて「そりゃ壊れるわ」って思いましたもん。常にゴジラの恐ろしさを感じられるような現場でした。
浜辺:あとはVFX(Visual Effects)のグリーンバックが、すごく大きかったです。今までに見たことないくらい大きくて、しかも移動してくるんです。みんなで同じ方向に逃げているときは、「ゴジラ映画撮ってるな〜」って感じがしました。
戦後を描く作品ならではの緊張感も
――今作は戦後が舞台ということもあり、役作りも難しかったのではないかと想像します。
神木:そうですね。僕が演じた敷島浩一は戦争を経験した役だったのですが、やはりどんなに資料を読ませていただいても、授業で習ったとしても、負った傷は計り知れないし、寄り添いきれない部分も多いだろうなと、いっぱい悩みました。だからこそ、監督とシーンごとにたくさん話しました。時間をたっぷりと取ってくださったので、乗り越えられました。
浜辺:これまでにもいろんな時代を舞台にした作品に出演させていただきましたが、日本の痛みが癒えきっていないころのことを描くとあって緊張感がありました。実際に、スタジオには瓦礫の山のセットがあったのですが、それを見たときにはどこから手をつけたらいいのかわからない絶望が身に沁みるような感覚がありました。それと同時に、そこから復興した日本の立ち上がりの力って、すごかったんだなとも思いました。
――「らんまん」然り、最近は少し前の時代に戻った作品の公開が続いている印象です。現代と違う時代を行き来するにあたって感じること、難しいことはありますか?
浜辺:私は、少し前の時代にいるときの方が意外と落ち着きます。
神木:でも、所作は難しいんじゃないですか? 女性は特に。
浜辺:そうですね。厳密にいうと当時もゆるく着崩している方はいたらしいのですが、やはり映像で出るにあたってはきちんとしなくてはいけないので。でも長く続けているとだんだん慣れてきました。ただ、逆に現代の作品に出る際に昔の所作が出てしまうことはたまにあって、「やばいやばい!」と焦りました(笑)。
神木:考えてみれば、ここ最近、現代の作品に出ていないですね、僕。
浜辺:じゃあ、ファンの方は楽しみにしているんじゃないですか?
神木:僕が1番楽しみですけどね(笑)。
撮影の待ち時間はゲームで暇つぶし
――神木さん演じる敷島と、浜辺さん演じる大石典子は物語が進んでいく中でお互いにとって支えとなる存在になっていくように見受けられました。作中の関係性にちなんで、おふたりが共演する中で、相手に対して「心強いな」と思うポイントがあれば教えてください。
浜辺:待ち時間があると遊び相手になってくれるところです。暇だと逆に緊張してしまうのですが、スマホのゲームや、パズルに付き合ってくれて。緊張がすごくほぐれました。
――ゲームはどちらが強いのでしょうか?
浜辺:頭の回転系は神木さんですが、神木さんが分析する前だったら私…。
神木:初手ね! 僕がルールわかってないときでしょ?
浜辺:そう。なんか勝手にしゃべり出すんです。「これはこうでこうだから…」みたいな。「いいから、早くやってください!」って急かしちゃいました。
――なるほど(笑)。神木さんから見た浜辺さんの心強いポイントはどこでしょう?
神木:お芝居中も取材中も何か振ったら、それ以上の答えで返してくれるところですかね。東京国際映画祭でレッドカーペットを歩いたときもそうなのですが、僕はもう発展性がないことしか言えなくなっちゃうこともあるんです。でも、そういうときに浜辺さんに「あ、どうぞ!」「どうですか、浜辺さん」って振ったら、「え〜?」とグダることもなくテキパキと、予想以上の答えで返してくれるので心強いなと思いました。これからは、なんでも浜辺さんにしゃべってもらおうかなと思います。
浜辺:それはやめてください(笑)。
神木:せっかくなら別のことを話したいのに、同じようなことばかりしゃべっちゃいますから。やっぱり違う角度からの意見は必要ですよ。
浜辺:それはそうですけど。なんでもは困りますよ!
次回の共演は8年後…?
――「らんまん」「ゴジラ-1.0」と共演が続いたおふたり。もし次に共演するなら、どんな関係性で共演したいですか?
浜辺:私たちの中では、もう8年くらいは共演はないんじゃないかと話しているんですよね。
神木:そうそう。近々で、またこのふたりでってなったら「もう見飽きたわ」ってなっちゃうんじゃないかなと。
浜辺:「らんまん」と「ゴジラ」がチラついちゃいますからね。だから、8年後に共演するとしたら、どうしましょう。仲が良い役が続いたので、泥だんごとか投げ合いたいですね。
神木:僕が復讐する劇にしましょうか。
浜辺:なんでですか。じゃあ、その復讐しに来るのを手のひらで転がす役をやります。
神木:じゃあ、最終話で手玉で転がしきれないぐらいの復讐をする役をやりたいです。
浜辺:復讐しきったと思ったら、私の役が1枚上手で、私の掌中だったとかどうですか?
神木:それ、僕、報われないじゃないですか。
浜辺:私だって復讐されたら報われないじゃないですか。報われたいですよ。
神木:いずれにせよ、どちらかが相手を復讐する役にしましょう(笑)。
◆取材・文/於ありさ
撮影/梁瀬玉実
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