(左から)深川麻衣、井浦新(C)2023「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」製作委員会

深川麻衣主演、井浦新と元SDN48大木亜希子の“実録私小説”映画化<人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした>

2023.05.17 08:01

女優の深川麻衣が主演を務め、俳優の井浦新が出演する映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」が、2022年秋に全国公開することが決定。本作の原作は、元SDN48で作家の大木亜希子が2019年に上梓した同名の実録私小説だ。


大木亜希子の実録私小説「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」

映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」書影&大木亜希子(C)2023「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」製作委員会
映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」書影&大木亜希子(C)2023「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」製作委員会
14歳で芸能界入り、俳優として人気ドラマへの出演、そして20歳でAKB48グループのメンバーとしてNHK紅白歌合戦への出場も果たした大木。

当時発売されるやいなや、衝撃的なタイトルとは裏腹に女性読者を中心に「仕事や人間関係に悩む人への指南書」「自己肯定力の低い主人公と、年上男性の程よい距離感が心地よいです。すごく現代的な物語」など、アラサー女子を中心に共感の声が拡がり現在3万部を突破。2021年には、コミカライズ「つんドル!~人生に詰んだ元アイドルの事情~」(全3巻)も発売されるなど話題を呼んでいる。

深川麻衣主演「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」

“人生詰んだ…”主人公の安希子はある日の通勤途中、突然足が動かなくなる。メンタルが病み、仕事を辞め、好きだった男も忘れられず、貯金も10万円を切ってしまう。

そんな時、友人から勧められたのが、当時56歳で都内の一軒家で一人暮らしをするサラリーマン、通称ササポンと“まさか”の同居。貯金も底がつき、背に腹は代えられない、とスタートしたおっさんとの奇妙な同棲生活。不思議な存在・ササポンとの同居生活をしていく中で、崖っぷちアラサー女子・安希子は徐々に“日常”を取り戻していく。

主人公・安希子役には、元乃木坂46の深川。乃木坂46の初期メンバーとして数多くのヒット作と共に活動してグループを牽引する存在だったが、女優業に専念するべく2016年にグループを卒業。第30回東京国際映画祭特別招待作品となった今泉力哉監督の『パンとバスと2度目のハツコイ』(2018)では初主演にし、第10回TAMA映画賞では最優秀新進女優賞を受賞。

その後、『愛がなんだ』(2019)、『水曜日が消えた』(2020)、『おもいで写眞』(2021)、「サワコ~それは、果てなき復讐」(2022)など話題作が続く実力派女優。本作では、やさぐれ感満載のアラサー女子をチャーミングに演じ切る。

井浦新、一家に一人欲しくなるサラリーマン演じる

そして、ひょんなことから安希子が同居することになった、都内の一戸建てに住むおっさん・ササポン役には井浦。数々の映画、ドラマで俳優賞を受賞するなど、今や日本映像界にかかせない存在である名優・井浦は、安希子の恋人でも家族でもない、特別な距離感でそばにいてくれるササポンを魅力的に演じる。一家に一人欲しくなる存在のササポン、観る者のハートを鷲掴みする。

監督には、ブランドのPRとして働きながら、映画監督として活動する新鋭の監督・穐山茉由。30歳の時に映画学校の夜間に入学し、2018年に長編デビュー作『月極オトコトモダチ』がMOOSIC LAB2018で長編部門グランプリほか4冠を受賞、また第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に正式出品され、国内外で高く評価された。

2021年には、監督・脚本を務めたオリジナル作品であり、商業映画デビュー作である『シノノメ色の週末』が第31回日本映画批評家大賞・「新人監督賞」を受賞し、2022年に公開された映画『左様なら今晩は』(高橋名月監督)では脚本も担当。本作では、穐山監督が実際に経験してきたキャリアチェンジを活かし、主人公・安希子の日常をリアルに映し出す。

脚本は、映画『ずっと独身でいるつもり?』、「美しい彼」シリーズ、Netflixシリーズ「金魚妻」等、数々の話題作を担当してきた坪田文。主人公・安希子のアラサー独特な“明るい毒気”や、ササポンから放たれる“マイナスイオン”を魅力的に描き出す。

本作は既にクランクアップし、初夏完成予定となる。現・元アラサーへ捧げる映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』、略して『つんドル』だ。(modelpress編集部)

深川麻衣コメント

原作を読んだ時、結婚や仕事に対してもがいている安希子の姿にとても心を打たれました。元アイドルという境遇も同じなので、この作品で安希子を演じられる事がとても嬉しかったです。恋人でも、友達でもない、でも、いつもそこにいてくれるササポン。お互いに良い影響を与えながら、依存していない関係性はとても理想的な関係性だと思います。

普段、生きていると壁にぶつかったり、ちょっと心が疲れてしまったなという時は誰しもあると思いますが、そんなときこの映画が誰かの心をふっと軽くできたらいいなと願っています。自分らしさ、自分にとっての幸せとは何かを立ち返らせてくれる作品になっています。ぜひお楽しみください。

井浦新コメント

脚本を読んで、とてもほっこりと、ゆるやかな空気感のある素敵な作品だと思いました。ササポンという役は、演じた事のない役柄でしたので、どんなアプローチをしていこうかなとワクワクしました。そして、ササポンの素敵なセリフを、いかに素敵にならない様に、普通のおじさんでいるという事のさじ加減が難しくもありましたが、 演じていて面白かったです。

どんな人にでも、無理をしながら、頑張らざるを得ない時があると思います。映画を観て、安希子にとっての“ササポン”の様な存在を、人じゃなくても、物や自然でもいいと思いますので、自分にとっての“何か”を見つけるきっかけになれたら幸いです。

穐山茉由コメント

初めて原作を読んだ時、「元アイドル」が「おっさん」と住むというインパクトのあるお話の裏に、現代に生きる人の悩みが痛いほどリアルに描かれていると感じました。この作品は女同士の友情やキャリアチェンジといった要素も強く、私自身も会社員をしながら映画監督になった経験を持つため、主人公と等身大の視点で撮影に臨みました。

実話ベースの物語ですが、深川麻衣さん、井浦新さんという素晴らしいキャストによって、新しい安希子とササポンの物語が誕生したと思います。観た方がどこか自分と重ね合わせられるような、そんな作品になると嬉しいです。

大木亜希子コメント

この小説を書いた当時29歳の私は何事にも自信が持てず、自分がやりたいことも見つからず、婚活に焦っていました。他人の視線ばかり気にして、少しでも順調な人生を歩む自分に見られたかった。最終的に偽りの自分に疲れ、盛大に詰みました。

そんなアキコが、家族でも恋人でもない他人のおっさんと出会うことで再生される過程を描きました。主人公のモデルは紛れもなく私です。しかし、あらゆる女性の分身として描いたキャラクターでもあります。ですから、貴方自身の物語でもあります。この映画を観てくださった方が「色々あるけど明日も頑張ろう」と思えますように。私は、私のままで良い。少しでも多くの方にそう思っていただけたら幸いです。
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