ディーン・フジオカ、サイレントムービーでピアニスト役「プレッシャーの大きさといったら…」<エンジェルサイン>
2019.10.31 20:42
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女優の松下奈緒と俳優のディーン・フジオカが31日、都内で行われた映画「エンジェルサイン」(11月15日公開)の完成披露試写会に登壇した。
松下奈緒&ディーン・フジオカ、サイレントムービーに挑戦
本作は、世界108の国と地域から寄せられた「サイレントマンガオーディション」作品6888編の中から選び抜かれたアジア・ヨーロッパの受賞作品を実写化したもので、受賞作品の「別れと始まり」、「空への手紙」、「30分30秒」、「父の贈り物」、「故郷へ」の5作品に、漫画家の北条司氏が描き下ろしたオリジナルの「プロローグ」、「エピローグ」を加えて構成された長編オムニバス映画。全編を通してセリフを用いず、映像と音楽のみでストーリーが展開していくため、言語や国境を超え、世界中の人が共感できる内容となっている。W主演を務める松下とディーンは、「プロローグ」と「エピローグ」のキャストとして出演し、松下はチェリストのアイカ、ディーンはピアニストのタカヤとして、若き音楽家として同じ夢を追いかける恋人を演じる。セリフがない本作への出演オファーがきた際の心境を尋ねられると、松下は「まずセリフがないと言うことはどういうことなのかと。普段はセリフで伝えるということを最大限に考えて、言葉で皆さまに表現してきたつもりなので、じゃあ、何をすればいいのだろうかと思ったときに、台本の代わりの北条先生の手書きの絵コンテをいただいて、絵を見て自分で感じて、そういう気持ちになってディーンさんとお芝居をするという、今までに経験したことのないことだったので新鮮でしたね」と語ると、ディーンは「あの絵コンテの完成度が高すぎて、売ったらすごい高い値段がつきそうだよね」とコメントして笑わせた。
そんなディーンは、同じ質問に「あの絵の世界が台本の代わりに絵コンテとしてあったので、どんどん読めちゃう。それで、セリフがついていないのに登場人物たちが何を求めて、どういう気持ちでそこにいるのかというのがすごく伝わってくるような脚本だったので、そういう意味では新鮮でしたね。こういう演技のお仕事の仕方もあるんだなって思いました」としみじみと語り、「サイレントという部分が、今、思い出すと、本当に貴重な体験だったし、ちょっと話が逸れちゃうんですけど、今、(ドラマ『シャーロック』で)めっちゃセリフの多い役をやっていて、毎日死にそうな思いでセリフを入れていているので、『エンジェルサイン』を撮っていたときは本当に幸せだったなあって、改めて思いました」と吐露して会場の笑いを誘った。
ディーン・フジオカ「プレッシャーの大きさといったら…」本音明かす
また、現場は静寂としていたのか追求されると、松下は「セリフがないとはいえ、口は動いていいとOKをもらったので、曲が書けないみたいなシーンで言葉をぶつけましたよね」と打ち明け、ディーンは「僕、罵られましたよ。セリフ書いてもいないのに、松下さんに『バカ』とか『こんなんじゃダメだ』とかボロクソに言われて、殴られて…(笑)」と裏話を告白。これに松下は「それを言うことによってそういう表情になれたり、気持ちも盛り上がりました。皆さまには何を言っているかわからないんですけど、セリフを自分たちで考えましたよね(笑)」とディーンと目を合わせた。
さらに、松下はチェリスト、ディーンはピアニストの役を演じたが、苦労した点を聞かれると、松下は「苦労しかなかったです…」と苦笑し、「普段はピアノを弾いているので、なんでピアノにしてくれなかったんだって思ったんですけど(笑)、チェロは今まで触ったこともなかったんですが、1度やってみたかった楽器だったんですね。女性のチェリストってすごく色っぽくて素敵だなと思って憧れていたので、今回、そういう機会をいただけたのですごく嬉しかったです」とニッコリ。続けて「触ったこともないから、最初は構え方から難しくて、予定ではどこかで披露したいなと思っていたんですけど、全然そんなこともできないくらいですが、一生懸命必死になった姿を皆さんに見ていただけたらなと思います」と話した。
一方、ディーンは「ピアニスト(松下)の前でピアノを弾くこのプレッシャーの大きさといったら…。なんで松下さんピアノじゃないんだって何度思ったことか」といい、「僕は苦労しながら今回披露する曲を弾いていたんですけど、たまたま北条監督の誕生日があって、松下さんが『どいて!』みたいな感じで、誕生日の曲を難しいアレンジでブワーッと引いて、一気にハッピーバースデーの雰囲気に持っていって、あのときに“本当にごめんなさい”って思いましたね」と遠くを見つめた。
松下奈緒&ディーン・フジオカ、エンディングの見どころ語る
さらに、本作の見どころについて松下は「サイレントムービーというものがどういうものなのかというのがわからないと思うんですけど、必ず涙できたり笑顔になれたりするので、これは世界共通、そして誰しもが感じることなんだなということを、この映画の中で何か感じていただけたらなと思います」とアピール。
ディーンは「まったく人の声が聞こえてこない作品なので、エンディングで曲が流れたときに“人の声が聞こえてきた”って感じになると思うんです。主題歌を今回、松下さんと一緒に歌わせていただいて、作らせていただいたんですけど、そこで人間の声ってこんなに温かみがあるというか、いろんな情報量を伝えてくれるんだというのでハッとすると思います。人の声が聞こえた瞬間に、さらにグッとくると思いますので、エンディングがかかったときに“このことか!”って思い出してください」と語った。(modelpress編集部)
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