「エリザベスきたー!」小栗旬・菅田将暉・橋本環奈が銀魂実写化の重みに直面 “縫い目どうするんだ問題”も発生<万事屋セット公開!撮影現場レポ>
2017.03.17 12:00
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続々と公開されるキャラクタービジュアルの「完成度がすごい!」とネット上の話題を席巻する映画『銀魂』(7月14日公開)。モデルプレスは昨年7月に都内で行われた撮影を取材した。坂田銀時(小栗旬)、志村新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)の3人が、あの“万事屋(よろずや)”に揃う貴重な1日。常に笑い声が絶えなかった現場の模様をお届けする。
目次
万事屋完全再現!小栗銀さんの存在感すごっ!
朱色の壁紙に囲まれた部屋にはレトロな家具が並び、天井のほうを見上げると「糖分」の二文字がでかでかと飾られた額。本棚には「ドラゴンボール」や「北斗の拳」「幽☆遊☆白書」などのコミックスがずらり、床には90年代の「ジャンプ」が積み重なっている…。小物の隅々までこだわり抜いて作られた万事屋のセット内で、この日の撮影は進行した。ソファーにどかっと寝転がり、テレビの画面をぼんやりと見つめる“小栗銀さん”。とにかくそこにいるだけで存在感がすごい。銀色の髪の毛は実際にブリーチしたものとあって、小栗の銀魂実写化にかける熱意がうかがえる。そこに黒髪メガネの“ぱっつぁん”菅田の登場。今最も勢いとオーラのある若手俳優が“超地味なメガネキャラ”をどう演じるのか、正直キャスティング発表の段階ではあまり想像がつかなかったが、現場でその姿を見た瞬間“何にでも染まれる”菅田の強さに改めて驚かされた。そして神楽役の橋本も、地毛を染めたオレンジ色の髪にチャイナ服が文句なしの可愛さ。神楽独特の台詞のイントネーションにはやはり苦戦している様子だったが、カメラが回る前に何度もつぶやいて自主練。福田監督自ら「モテるんやでっ!!」という神楽の台詞を実演してみせた際には、菅田からすかさず「関西弁バカにしてますよね!?(笑)」とツッコミが入り、爆笑が沸き起こる。
笑いに大真面目!神楽がぱっつぁんに全力ビンタ!
神楽が新八に勢いよくビンタをお見舞いするシーン。より良い表情が出るよう、ほっぺたをモニュモニュと動かして“顔面の準備体操”に勤しむ菅田と、その横でビンタの素振りに励む橋本。笑いに大真面目な2人である。いざカメラが回ると、神楽のビンタが入った瞬間、透明なテグスで吊られた新八のメガネが吹っ飛ぶというなんとも古典的な仕掛けで、モニターのスローモーション再生をチェックする福田監督も思わず「あひゃひゃひゃ!最高ですね」と大笑い。小栗も衣装のまま2人の演技を見守り「いい(メガネの)飛び方と、いい顔!」「最高!」と絶賛の声を上げていた。「エリザベスきたー!」ここで問題発生!?
そんな撮影と並行し、スタジオの隅では桂小太郎のペット・エリザベスが何やらモフモフと準備を始めていた。「お願いします、エリザベスさん!」というスタッフの呼び込みを合図に、白くて大きな物体がセット内に運ばれていくさまは何ともシュールである。無事、万事屋への移動が完了し、カメラでその白い後頭部を映してみると問題が発生。エリザベスの体の“縫い目”がはっきりと映ることで、思いのほか“着ぐるみ感”が強く出てしまい、スタッフが数人がかりで懸命に表面のシワをのばすという作業を余儀なくされた。福田組の職人たちがモニターとにらめっこしながら「縫い目は編集で消すか…」「着ぐるみ感をどこまで残すか…」などと真剣な話し合いを行った末、ようやく迎えたエリザベスのクランクイン。小栗、菅田、橋本の3人は、笑顔と拍手で新たな共演者を迎えた。
その何とも言えないとぼけた表情と対峙すると、菅田が「このシーン、変な緊張感ありますよね。エリザベスのせいかな?(笑)」と思わず本音をこぼし、小栗も「銀魂の実写をやってる緊張感(笑)。エリザベスきたー!って」と“銀魂実写化”の重みを改めて実感した様子だ。得体の知れない地球外生物に戸惑う3人が、ボソボソと小声で言葉を交わすシーン。撮影を終え、モニターチェックを行った小栗は「(エリザベスの)バックショット面白すぎだろ!」と爆笑し、独特の世界観への手応えをのぞかせていた。
撮影の空き時間も、福田監督の周りに3人が自然と集まり、会話の輪ができるという和やかな現場。スタジオの外には小栗が手配し“cafe 万事屋”と名付けられたケータリングカーも待機するなど、明るくも真剣なメリハリある雰囲気へと導く座長・小栗旬の心遣いが感じられた。
<キャストコメント>小栗・菅田・橋本が撮影を振り返る
小栗は「本当に、こんなに“ふざけていること”に、お金をかけて作っている日本映画も珍しいと思うので、『銀魂』は新しいエンタメのジャンルになると思います。できれば、子供に観てもらいたいですね。子供が笑えるネタが満載だと思うので、下品なことと変顔は、みんなゲラゲラ笑ってくれるんじゃないかと思います」と確かな手応え。菅田、橋本との共演については「本当に2人ともキラッキラしていて、元気をもらいました(笑)」「(橋本は)現場を見ていて、すごくガッツがある人だなと感じています。中々すごい17歳ですよ」と刺激を受けた様子だ。また福田組の特徴として、現場での台詞の付け足しなども多いというが「それを福田さんから口達てで言われて、みんなやるんですけれど、福田さんに言われる台詞は覚えなくてもすんなり入ってくるのでとても不思議だなという感じがしました」と振り返り「監督は、あんまり色々言われる方ではないですが、ただ“面白”みたいなことに関しては、とても研究されている方だと思うので、いつも福田さんがやると一番面白いなと思いながら見ていることも多かったです」。
菅田は現場での心地よさや役作りについて、“小栗旬”という存在の大きさを挙げ「10代の頃にお世話になった方なので。勝手ながらしっくりくる感じはあり、このカツラとメガネと衣装を着ると気負いがあんまりなかったと思います」と語り、「やっぱり一番銀時が自由で、神楽が圧倒的なボケで、新八は地味なツッコミで、キャラクターの個性がしっかりしていますよね。その構成が(撮影を)待っている時も、そのまんまでしたので凄いなと思いました。キャスティングがすごいです。楽しかったですね」。
橋本は「アニメを観るように」という監督のアドバイスを受け、「そのまま(語尾に)アルをただつければいいだけじゃなくて、アルにいくまでのイントネーションも全部おかしいじゃないですか。それをいかに神楽っぽく言えるかっていうので、アニメの神楽が喋っているところだけ声をとって聞いていたりました」と入念に役作り。
緊張の撮影初日となったが「何日か経って、結構早い段階ですごいいいコンビネーションというか、正直、こんなに優しく話しかけてくれるんだなって思いました」とすぐに打ち解け、「小栗さんは“座の長とは、こういう事だ”というようなことを身を持って、みんなをまとめてくれます。本当に小栗さんがずっとにこやかで、雰囲気がいいから、みんなそれについていくんだなというのが、すごく心強いです」「菅田さんも、ずっと大声でツッコんでるんですよね。すごくそれが面白くて。ずっと声を張るのは大変だろうなと思いつつ、そのシーンが終わった後もその前も、ずっと喋っていて、みんなの士気を高めてくれます。お2人とも頼りになる先輩だなと思いました」と印象を語った。
<監督&プロデューサーコメント>実写化の経緯、キャスティングの裏側…
・「ヨシヒコ」と「銀魂」は笑いの方向性が似ている「ジャンプ」を読んでいた長男から「ネット界隈で『この人(=福田監督)だったら銀魂の実写化が出来るんじゃないか』って言われているよ」と伝えられたことから、「銀魂」に興味を持ったという福田監督。
代表作である「勇者ヨシヒコ」と「似ている」という声に、最初は「正直あまりいい気がしなかった(笑)」というが、興味本位でアニメを見始めると「“おもしれーな”って(笑)。確かに『勇者ヨシヒコ』と笑いの方向性とか、世界観の作り方が似ていると言われても仕方がないなっていう理解ができた」。そこからは漫画とアニメ両方に“ガチハマり”。松橋真三プロデューサーから「何か(映画を)やりませんか?」という話があった際、「『銀魂』は僕がやったほうがいいみたいですよ」と自ら切り出し、今回のプロジェクトに至った。
・笑いの流れは変わっている。違和感をなくすアレンジが必要
原作・空知氏の“(実写化は)基本泥船”といった発言も話題だが、監督は「空知先生は本当に上手ですよね。すごくシンパシーを感じています。逆に泥船って言ってくださっていることが笑いになるし、なおかつ色んな人を幸せにする言葉だと思うんですよ。ご自身がこれを言ってくれることで、僕らがどれだけ救われるか、ファンの人たちがどれだけ救われるかっていうのが、すごく伝わってくる」と感謝のあまり、「涙ぐみましたよね(笑)」とも告白。
空知氏からの要望は一切なく、むしろ「だいぶ前から続いている漫画なので、お笑いの流れも変わりますから、ちゃんと今のお客さんが笑える変換をしていただいて構いませんよ」との提案。くりぃむしちゅー・上田を連想させる新八のツッコミなど、漫画が描かれた当時のお笑いの流行に影響された要素が多いことから、「そこを今のお客さんが違和感がないように若干アレンジしていくのが僕の仕事だと思っています」と話す。
・監督が“吐くほど悩んだ”のは神楽の「アル」
クランイン前日までは“~アル”という神楽の語尾が最大の心配ごとで「全然眠れなくて、吐くまで悩んでいた」というほどだが、いざやってみると違和感もなく、「僕はやっぱり『銀魂』が大好きだし、現場に行ったら銀ちゃんに会えるって最高に幸せなことだと思うんです(笑)。今日の撮影シーンだって万事屋が3人揃っているわけで、それを見たら幸せ感しかないですよね」と監督。
「みんな自分の役に前のめりで楽しんでくれている。みんなが『銀魂』を愛していて、そのリスペクトがベースにあれば絶対にブレない」とキャスト陣も含めたチームワークに自信をのぞかせ、「ふざけるところはちゃんとふざけて、馬鹿なことは馬鹿なことでちゃんと笑いにして。最終的に高いレベルのアクションをおさえられれば、というところが、この作品の成功の鍵だなと思っています」と話した。
・枠にとらわれないアクション、こだわり抜いた衣装にも注目
松橋プロデューサーは、銀時の「“死んだ魚”のような目を持つ、ちょっと大人でくたびれた感じ」というイメージに合うキャスト探しを行う中で、空知氏と福田監督の2人から「小栗旬さんしかいない」との単独指名があり、アプローチを開始。新八役も候補に挙がったのは菅田のみ。神楽役の橋本は小栗からの指名も参考に決定したという。
時代劇でありながら、SFであり、コメディーである特色に合わせて、アクションシーンの制作には韓国のチャン・ジェウク氏を起用し、日本の刀の作法にとわられないアクロバティックなものに。衣装も原作に寄せつつ、生地や素材にこだわり抜いたといい「単純なコスプレみたいな感じにはなっていません。この作品なりのアプローチをしており、そのへんはご期待いただきたいです。特に銀さんの衣装はとてもかっこいい。新八くんの衣装も“なるほどね”という作りになっています」と話した。(modelpress編集部)
映画『銀魂』(2017年7月14日公開)
脚本/監督:福田雄一出演:小栗旬 菅田将暉 橋本環奈 ほか
原作:「銀魂」空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
【ストーリー】
江戸時代末期、日本の鎖国を解放したのは、黒船ではなく宇宙船だった!?宇宙からやってきた「天人(あまんと)」の台頭と廃刀令により、かつて隆盛を極めた侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代に侍魂を堅持するちょっと変わった男・坂田銀時と、ひょんなことから出会った新八と神楽が営む万事屋(よろずや)の周りで起こる事件や騒動の数々。果たして、今日はどんな事件が起きるのか――?この夏、銀色の魂に、日本中が虜になる!
【Not Sponsored 記事】
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