

ビートルズの聖地がドイツに?「音楽」をめぐるハンブルク旅で4分続く曲線エスカレーターを体験
ドイツ北部の港湾都市でドイツ第2の人口を誇る「ハンブルク」は、中世から貿易拠点として栄え、現在もITや航空機などが主要産業です。音楽好きの聖地として知られ、ビートルズゆかりの地もありました。
日本人に人気の旅行先である「ドイツ」は、中世の街並みや古城、クリスマスマーケットといった定番スポットに加え、音楽やサッカーを目的に訪れる人も多くいます。
特に、クラシック音楽から現代音楽まで多様なジャンルを網羅する「音楽大国」としても知られています。年間を通じてドイツ各地で音楽祭が開催されるほか、オペラやオーケストラ、ミュージカル、バレエなど、本場のドイツ音楽を体験しようと世界中から音楽ファンが集います。
斬新デザインの新ランドマーク「エルプフィルハーモニー」
ドイツの三大音楽家といえば、「バッハ」「ベートーヴェン」「ブラームス」が挙げられます。クラシック音楽界では「ドイツ三大B」とも呼ばれています。
その1人、ヨハネス・ブラームスはハンブルク生まれ。また、「楽劇王」とも称されたリヒャルト・ワーグナーや、作曲家グスタフ・マーラーらが活躍したハンブルク州立歌劇場も有名です。
現在のハンブルクでランドマーク的存在となっているのが「エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie Hamburg)」です。「エルプ」とは、この施設があるハーフェンシティが面しているエルベ川を指します。2017年1月にオープンしました。
倉庫街の南にあった赤レンガ造りの倉庫上部に、ガラス張りのファサードを増築するという斬新な設計は、東京のプラダ青山店などを手がけたスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)が担当しました。
まるで船を思わせる高さ約111mのこの大きな建物は、世界最高レベルの音響システムなどを備え、いまや世界屈指のコンサートホールとして知られています。
その音響システムを設計したのは、東京都のサントリーホールや米国のウォルト・ディズニー・コンサートホールなど、国内外で知られる音響設計家・豊田泰久氏です。
世界最長級! 約4分の曲線エスカレーター
上層階にはウェスティンホテルのほか、レストランやカフェ、住居なども入っています。
ガイドツアーではコンサートホール内も見学でき、豊田氏が手がけたグランドホールは、サントリーホールと同様にステージを客席が360度囲む構造で、どの席にも音が降り注ぎます。演奏者と観客との距離の近さも特徴であることがわかります。
その他、世界最長級の全長約82m、先が見えない約4分間の曲線エスカレーターや、地上37mに位置する「プラザ(PLAZA)」と呼ばれる公共スペースから、ハンブルクの港や街を360度見渡せるパノラマビューなども人気です。建築デザインの秀逸さを体感できるスポットでもあります。
■エルプフィルハーモニー(Elbphilharmonie Hamburg)
住所:Platz der Deutschen Einheit 20457 Hamburg, Germany
営業時間:10時~0時(最終入場23時30分、チケットショップは11時~20時)
休業日:12月24日、31日ほか
入場料:無料(専用サイトで日時予約は2ユーロ/人)、ガイドツアーは20ユーロ~
実は「ビートルズ」の原点がハンブルクにある
誰もが知るロックバンド「ビートルズ」は、イギリス・リバプール出身です。しかし、ビートルズのファンの間では「ビートルズの原点はハンブルクにある」とも言われており、ジョン・レノンが「僕らはリバプールで生まれ、ハンブルクで育った」と語った有名な言葉も残っています。
「ザンクトパウリ(St. Pauli)」にある「レーパーバーン(Reeperbahn)」は、ビートルズゆかりの地です。当時のバンド名は「シルバー・ビートルズ」でした。昔も今も、港町ハンブルク随一の歓楽街で、赤線地区もあるところです。
地下鉄レーパーバーン駅の近くに「ビートルズ広場」があります。メンバーのモニュメントが設置されているほか、足元を見るとレコード盤がデザインされており、有名な曲名も。
当時のメンバーはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、スチュアート・サトクリフ、ピート・ベストであり、リンゴ・スターはまだ加入していませんでした。
ビートルズが活動したライブハウスは今も健在
また、ビートルズがハンブルクで最初にライブ演奏を行った「インドラクラブ」や、その後に活動した「カイザーケラー」などのライブハウスは、今も残っています。ビートルズはそうしたライブハウスで夜な夜な演奏し、腕を磨いていきました。
メインストリートのGroe Freiheit通りは、昼間は静かですが、夜になるとナイトクラブやバーのネオンがきらびやかに輝き、多くの人で賑わいます。
ただ、日中でも看板などから分かるように、やや際どい雰囲気があり、治安が良いとは言い難いエリアです。歩いて巡る際は十分に注意が必要です。ガイド付きツアーの利用もおすすめです。
「バレエ都市」ハンブルクの気軽な娯楽
ハンブルクにはほかにも、ブラームスが実際に使用したピアノなどを展示している「ブラームス博物館」や、ハンブルクにゆかりのある他の音楽家を紹介する「KQ博物館」などもあります。
さらに、世界的に著名なバレエ振付家ジョン・ノイマイヤー氏が、2023/2024シーズンまで約50年間率いた「ハンブルク・バレエ団」の公演を、「ハンブルク州立歌劇場」で鑑賞することができます。
ノイマイヤー氏は引退後も、音楽から着想を得た作品などを手掛け続けています。カジュアルな服装で気軽にバレエを観に行けるのも、ハンブルクならではの魅力かもしれません。
<参考>
ドイツ観光局 公式LINE(日本語)
ドイツ観光局 公式Instagram(日本語)
German Travel(英語)
Hamburg Tourismus(英語・ドイツ語)
執筆者:シカマ アキ(飛行機の旅ガイド)
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