【絶景】雪降る大正ロマンの街、山形・銀山温泉|アクセスから観光のベストタイミングまで完全ガイド
日本国内にはさまざまな温泉がありますが、なかでもおすすめな温泉の1つが、山形県の銀山温泉。温泉の質ももちろんですが、温泉街が大正時代をほうふつとさせる、とてもよい雰囲気に包まれているんですよ。
人々に癒しをもたらしてくれる温泉。たくさんの豪華旅館が建ち並ぶ温泉街から、こぢんまりとした共同浴場が中心の温泉、一軒宿の温泉など、日本国内には実にさまざまな温泉があります。
今回は筆者おすすめの温泉の中から、山形県にある銀山温泉をご紹介します。温泉の質ももちろんですが、温泉街が大正時代をほうふつとさせるとてもよい雰囲気に包まれているんですよ。
レトロな雰囲気を体感できる温泉地、銀山温泉
銀山温泉は、山形県の北部、尾花沢市の山間にある温泉です。
室町時代後期の15世紀頃に銀鉱が発見され、戦国時代から江戸時代初期にかけて銀の採掘を行う人たちが出入りする街としてにぎわいました。
温泉が発見されたのは江戸時代に入る直前のこと。奥州街道(現在の国道13号線)からは山間に外れたところにあるものの、江戸時代中期より知る人ぞ知る温泉地として多くの人が訪れるようになります。
明治時代までは茅葺きの建物が並ぶ温泉街でしたが、温泉街を流れている銀山川が大正時代初期に大洪水を起こしてほとんどの建物が流される事態に陥ります。
しかし、昭和時代初期になって新たな源泉の採掘に成功。一斉に温泉宿の立て替えを行ったことで、大正時代の面影を残す個性的な木造の建物が立ち並ぶようになりました。
その後、昭和から平成、令和と時代は移り変わるものの、コンパクトな温泉街の特性を生かして、大正時代当時の雰囲気を保てるよう配慮されてきたこともあり、レトロな雰囲気を体感できる場所の1つとして人気の温泉地になりました。
大正時代の棟梁の心意気が今も息づく温泉街を歩く
それでは銀山温泉の温泉街をゆったり歩いてみましょう。
温泉街の地図を見ていただけるとコンパクトな温泉街であることが分かりますね。
銀山温泉バス停から坂道を下って、銀山川にかかる白銀橋を渡り右に曲がると、そこが温泉街の入口。入ってすぐのところには足湯「和楽足湯(わらしゆ)」があって足を暖めることができます。
また白銀橋を渡った左側には共同浴場「しろがね湯」があり、日帰りで訪れても銀山温泉のいいお湯を楽しめます。
銀山温泉の温泉街を形づくる旅館は10軒強と決して多くはないので、10分ほどで温泉街の端から端まで歩けてしまいます。それでも、ガス燈や石畳の遊歩道と建物によるコーディネートがしっかり考えられているため、大正ロマンをたっぷりと満喫することができるわけですね。
温泉街を散策する時は旅館の建物の壁に描かれている飾り絵「こて絵」にも要注目です。「こて絵」とは漆喰を使って描くレリーフのこと。カラフルなものもあり思い出に残りますね。
温泉街の奥にも見どころがあります
大正ロマンを感じられる銀山温泉ですが、温泉街を奥まで歩くとさらに見どころが。
温泉街の奥にある白銀公園の入口まで行くと見えるのが白銀の滝。小さな滝ですが冬でも勢いよく流れ落ちる様は見ごたえ十分です。
白銀公園の先には、銀山温泉が見つかるきっかけになった銀鉱洞があります。冬は白銀公園の入口までしか行けませんが、手前にある疎水坑跡は見学することが可能です。
東北なのに「能登屋旅館」の謎
銀山温泉を代表する旅館の1つが能登屋旅館。個性的な外観と、建物の外に彫られた飾りや文字が人々の目をひきつけ、現在は国の登録文化財に指定されています。
建物に彫られている「木戸佐左エ門」というのは、能登屋旅館創業時の当主の名前とのこと。
ところで、銀山温泉は東北地方にあるのになぜ「能登」という名前なのでしょうか。宿泊する機会をいただいたときに女将さんに話を伺ったところ、その昔、銀山がにぎわっていたころに北陸地方出身の方が多かったことから屋号として「能登」の名前を使ったのだそうです。
能登屋旅館の建物に彫られている文字や飾り絵(こて絵)。全て大正時代のものが今まで残っています。お風呂は創業当時からある元湯洞窟風呂が貸切風呂として利用できますし、大浴場や露天風呂も充実していて、のんびり過ごせる宿ですね。
雪の降る冬が銀山温泉のおすすめ時期 夕方~夜の日帰り訪問は予約必須!
銀山温泉は東北の山間にあることもあり、結構な量の雪が降り積もり、温泉街も一面の雪景色となることがあります。降り積もった白い雪が大正ロマンあふれる温泉街の雰囲気をさらにひきたててくれるので、四季の中では冬に銀山温泉を訪れるのがおすすめです。
なかでも冬の夜、雪が降る中の銀山温泉の美しさが評判を呼び、さまざまなメディアでおすすめされたこともあって、昨今は狭い温泉街に人がたくさん集まるオーバーツーリズム状態に陥ることも多くなってしまいました。
問題解決の一手として、2024~25年の冬より17時以降の銀山温泉日帰り訪問には入場人数の制限がかかり、入場チケットの事前購入が必要になりました。また近隣から銀山温泉入場チケット付きの観光バスツアー、タクシープランも用意されています。
・大石田駅発着、銀山温泉散策付きの日帰り観光バスツアー
・大石田駅、銀山温泉散策付きのタクシープラン
・天童温泉発着、銀山温泉散策付きの日帰り観光バスツアー
17時までの日中の時間帯であれば入場制限なく銀山温泉の温泉街に入ることができます。銀山温泉を訪れる方全てが安心して旅を楽しむための施策ですので、うまく活用して楽しい思い出を作りたいですね。
銀山温泉へのアクセス
日本国内はもとより世界各地からもすてきな風景を求めて旅人が集まる銀山温泉をご紹介してきましたが、いかがでしたか? タイムスリップしたような感覚を味わえる大正ロマンあふれる銀山温泉へぜひ出かけてみてください。
アクセス:
《注意事項》
冬季の銀山温泉訪問においては、日帰りで17時以降に温泉街へ入る場合、事前に入場チケットの購入が必要です(チケット代込みの観光バスツアーなどは除く)。
<鉄道>
JR東日本 山形新幹線「つばさ」で大石田駅下車。
大石田駅西口より尾花沢市営バス(はながさバスが運行) 銀山温泉行きに乗車し、終点の銀山温泉バス停下車。1日5往復(冬季のみ直行便3便の増便あり)。
また冬季限定で山形新幹線 山形駅から銀山温泉手前の大正ろまん館までの山交バス(高速バス)が1日3往復運行。※大正ろまん館発の最終バスは17時のため、夕方以降の日帰り観光では使えません。
<飛行機>
山形空港から、飛行機の到着時間にあわせて「おいしい山形空港観光バス」(はながさバス運行)が銀山温泉まで1日2本運行。
<車>
東北道から山形道を経由して、東北中央道 尾花沢インターチェンジより国道347号線を経由して案内に従い銀山温泉方面へ。温泉街は行き止まりかつ道が狭いため、一般の車は入れません。宿泊の場合は銀山温泉の手前で旅館が指定する場所へ止める形となります。
日帰り観光の場合は銀山温泉へ向かう県道の途中にある大正ろまん館に車を止めます。大正ろまん館から銀山温泉までは、銀山温泉バスに乗車して銀山温泉へ向かいます。
冬季の雪道運転に不安がある場合は、大石田駅に車を置いて尾花沢市営バスや観光バスツアーを活用することも検討してください。
執筆者:村田 博之(名所・旧跡ガイド)
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