自転車切り口のセレクト店「トウキョウウィールズ」 ブームに依存しない店作り

自転車を切り口にしたライフスタイル型セレクトショップ「トウキョウウィールズ」(東京ライフ運営)は開業以来、16年以上の長きにわたり、自転車好きの常連客に愛され続けている。数年ごとに起こる自転車ブームで増加する初心者をリピーター化するとともに、SNSなどの情報発信を強化することで新たなファンも獲得している。
(大竹清臣)
トウキョウウィールズ東京店は10年2月に開業。12年春に大阪店もオープンした。東京店は24年11月に東日本橋から現在の馬喰町に移転した。立ち上げたきっかけは「20年ほど前のピスト(固定ギア)バイクのブーム。ファッション業界へ与えた影響も大きく、その時期、街乗り用自転車ウェアが台頭した」(森稔社長)と振り返る。機能重視の競技用サイクルウェアとは一線を画した、普段着としても着られるおしゃれさが魅力だった。いくつものガレージブランドが生まれた。有名ブランドとの協業が急増し、都心の大型商業施設内に専用売り場が開設された。

売り上げが倍に
ピストブームの後には、漫画『弱虫ペダル』で競技用自転車が注目された。コロナ禍には感染リスクが低い移動手段として自転車を通勤通学に利用する人が増えた。健康志向など当時の社会情勢が後押しし、トウキョウウィールズでも売り上げが2倍に伸びた。だが、自転車熱は長く続かなかった。「ブームの度に初心者の来店が急増するが、顧客として残るのは一部だけ。その繰り返しでも生き残れたのはブームに左右されない店作りを貫いたから」だという。
現在、トウキョウウィールズでは、自転車通勤からカジュアルライド、本格的なサイクリングまでのウェア・グッズを提案している。商品構成は開業当初は街乗り系ガレージブランドも多かったが、今も残っているのは「ナリフリ」「リンプロジェクト」。
プロ仕様のサイクルジャージーではスイスの「アソス」やスロバキアの「イザドア」などが人気だ。普段着にもなる街乗りウェアとしてのコーディネート提案とともに、本格派に向けたサイクルジャージーのフィッティングのノウハウなど丁寧できめ細かい接客によってリアル店の強みを発揮できている。
熱心にSNS発信
SNSでの発信に力を入れている。フォロワーは自転車系でユーチューブが3.5万人、インスタグラムが1.2万人。メンズドレス系でユーチューブが6万人、インスタグラムが12万人。
運営する東京ライフがメンズアパレルEC主力で、森社長自らイタリアのメンズ総合展示会「ピッティ・イマージネ・ウオモ」に行き、海外ブランドを買い付けていることが大きい。一時期、東京・三宿にメンズのドレスアイテムとサイクリングウェアをミックスしたショップも運営していた。
最近では、パンツを軸にオリジナルブランドを強化している。ストレッチ性に優れた高機能なジョガーパンツをはじめ、織り柄をプリントしたプルオーバー、「ポーラテック」フリースを使った上下、防水防風機能のアウター、吸水速乾性の高いインナーなどを拡充している。オリジナル企画はサイクルウェアブランド「ペダレット」の鈴木秀人氏が手掛けており、「将来的には街乗りウェアで海外市場も狙いたい」(森社長)と強調する。

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