ファッション特化型の起業支援拠点「イデタチ東京」 開設5年で13事業者が卒業、約7割が荒川区内で継続

ツクリエ(東京、鈴木英樹代表)が東京都荒川区から受託する、ファッション特化型の起業支援拠点「イデタチ東京」は、今年2月1日に開設5周年を迎えた。5年間で13事業者が巣立ち、そのうち約7割が現在も荒川区内で事業を継続している。また26年2月から新たに3事業者が入居。「今後も入居者・卒業生への起業・経営支援に注力し、繊維問屋街、日暮里繊維街からファッション関連産業の起業家を輩出していく」と強調する。
(大竹清臣)
イデタチ東京は、継続的に成長可能なファッションビジネスを行えるよう、起業・経営をサポートするインキュベーションマネジャー(IM)が入居者と月2回必ず面談を行うほか、先輩起業家、デザイナー、弁護士、税理士、コピーライターなど多様な専門分野を持つ9人のメンターが入居者をバックアップする。5年間で計955回のIM面談、計502回のメンタリングを実施した。IM面談やメンタリングを通し、事業課題、コンセプト整理、トラブルやリスク回避などについてアドバイスし、入居者の事業を伴走サポートしている。
入居者アンケートからは、「事業を進める上で色々な角度からバックアップ、伴走してくれる」「IM面談では、手探りで事業を進める中で指針の〝壁打ち〟をしてもらえてありがたい」「メンタリングで自分たちに欠けている知見を補え助かっている」などの声が寄せられた。創業初期は事業に関する悩みやトラブルも多い中、相談できる人が少ないのが課題でもあり、IMやメンターをはじめ、気軽に相談できる施設の環境が事業進捗(しんちょく)に寄与しているという。
ファッション領域の起業・経営をテーマとした、一般の人が参加できるイベントやセミナーを不定期で実施。5年間で累計2187人が参加。第一線で活躍するファッションデザイナーや、ファッション領域で起業する話題の起業家のトークイベント、起業に必要な知識をテーマにしたセミナーなどを多数開催した。また、入居者の商品展示イベントには1693人が来場した。
過去5年間で、13事業者がイデタチ東京を卒業、現在は9事業者が入居している。荒川区では、施設使用終了後も区内に事務所などを構えると、賃料の一部が補助される制度(3年間・上限月額5万円)を設けている。同制度を活用するなど、卒業生の約7割が荒川区内で事業を継続している。卒業生では、「ホウガ」「アブランクページ」などの東京のファッションウィークに参加したデザイナーブランドから、伝統工芸×ファッション事業を手掛けるEBRU、ミドル世代向けニットジャケットブランド「フェイバニッツ」、入浴タオルブランド「ムネポジ」をはじめとする幅広い領域の事業者が活躍している。入居者同士の協業も生まれ、卒業後も近隣地域で事業を継続することで、交流が続くエコシステムが生まれつつある。
26年2月からは、5期生として書類・面接審査を経て3者が新たに入居した。アスレチックフォームをコンセプトに、スポーツやアウトドアウェアをベースにしたウィメンズウェアブランド「ビフルカツム」、音楽をテーマに様々なアルバムから着想を得てコレクションを制作するファッションブランド「リホサイトウ」、3D・CG技術を軸にアパレル企業のクリエイティブ開発を包括的に支援する「EIEO」(エイイーオー)。

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