2月17日は〝2回目の正月〟 大みそかは餃子でだんらん

2月17日、中国では2回目の正月がやってくる。日本では旧正月と言われる農歴の正月だ。日本の正月である元日は、中国でも新年でありお祝いはされるが、特に伝統的なイベントや思い入れは無い。そのため街中は、元日を過ぎても緑と赤のクリスマスの装飾が残ったままだが、そこから旧正月に向けて真っ赤な装飾に変わっていくのだ。
テイクアウト専門店
旧正月の1日前は除夕と呼ばれる。この大みそかにあたる日、日本で年越しそばを食べるように、中国では伝統的に家族みんなで餃子(ぎょうざ)を包み、水餃子にして食べる習慣がある。
そんな国民食ともいえる餃子とワンタンを商品とする「袁記雲餃」というチェーン店が香港株式市場に上場申請した。2500年以上の歴史を持つと言われる餃子だけに老舗と思いきや90年代生まれの創業者が12年に始めた若い企業だ。工商データによると中国では「餃子館」関連の企業が約14万社もある。数十年の歴史を持つもつ1000店以上の外食チェーンもある中で、袁記雲餃は22~24年で売り上げを1.5倍の約62億元(約1400億円)まで伸ばし、26年1月末時点で4454店まで拡大した。袁記雲餃の成功の秘訣(ひけつ)の一つが外食だけでなく、「生餃子」のテイクアウト専門店を増やしたことだ。
福を包み、皆で食べる
餃子と言えば、店内飲食か冷凍食品だったところに餡(あん)が包んであり、ゆでれば食べられる生餃子の持ち帰り専門店舗を、各町に必ずいくつもある八百屋や肉屋が集積する昔ながらの市場の近くに出店した。市場に買い物に訪れる人たちの「餃子やワンタンは好きだけど、冷凍食品は気が進まないし、自分で包むのも手間がかかる」というニーズを捉えた。各店にはセントラルキッチンで加工された餃子の皮、肉や海鮮の各種餡が届く。それを熟練のおばちゃんたちが透明なガラスの店で一つひとつ包んでいく。一見すると非効率な店内現場作業が、「目に見える安心感、手作り感、新鮮感」となり支持されているのだ。
時代の移り変わりとともに、旧正月の前夜に餃子を包む家庭は減ってきている。餃子は中国の古代の通貨「元宝」と形が似ていることから食べると「金運」が良くなると言われていた。また餃子を包むが「福を包む」という意味につながり、一年の最後に家族の共同作業として「福を包み、それを食べる」ことが受け継がれてきたのだ。多くの家庭の包む手間を省いてあげた袁記雲餃はその分、「福を包んで」上場申請するまで成長した。旧正月が始まった今日、あなたも福を引き寄せるために、餃子やワンタンを食べてみてはいかがだろう。
(愛豊通信科技上海副総経理・野村義樹)
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