KBツヅキ、手芸糸「出雲コットンボール」の販売強化 春から卸も

タオル用の国産綿糸を主力とするKBツヅキが、新規事業の手芸糸「出雲コットンボール」の販売を強化している。昨春に小売りを始めたところ好評で、今春には卸売りを本格的に始める。手芸糸の拡販に結び付け、長年の課題だった出雲工場(島根県出雲市)の操業度改善も狙う。
今治などタオル産地向けの綿糸が伸び悩むなか、着実に売り上げを伸ばしているのが手芸糸だ。編み物ブームに着目し、「国産糸メーカーとしての強みを最大限に発揮できる」と商機を感じた。すぐにSNSアカウント、ECサイトを開設して25年3月に販売を始めた。12月末時点でECサイトのセッション数が20万回以上、インスタグラムアカウントのフォロワーは直近で約5800となった。
主力商品は3種類。このうち「コットンボール」と「コットンボールN」(ナイロン)はいずれも二重構造の特殊紡績糸で、ふんわりとしたかさ高の糸となっている。全商品に強みとする抗菌消臭加工をしていることも特徴。ウールやカシミヤなど他繊維との複合糸や、ブークレなど意匠糸も徐々に増やしてきた。
価格は50グラムの糸玉で500円から。カシミヤ混や意匠糸は800円から。従来の綿糸は「1キログラム当たりの価格が1000円以下」。手芸糸は1キログラム換算だと約9000円。「大きな売り上げにはならないが高採算」という。今春からは有力な手芸店を主な対象に卸売りを始める。今期(26年12月期)は手芸糸の事業で売上高1億円が目標だ。
ほかにも新規事業として、ニット糸の販売にも乗り出す。日本製を訴求して欧米市場も狙う。様々なキャラクターと協業したハンカチタオルの販売も堅調。「キャラクターのブランドイメージや品位を下げたくない」として、同社の糸に引き合いがある。新規用途・販路の広がりによって出雲工場の操業度改善を見込み、今期は全社で黒字回復が視野に入ってきた。
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