東京ブランド26年秋冬 「セヴシグ」「ピリングス」がショー

「セヴシグ」(長野剛識)は2月10日、ミッドウエスト東京店のギャラリーを会場に、映像のインスタレーションとともに26年秋冬のショーを行った。テーマはノットイコール。様々な領域で矛盾を抱え、ハレーションを起こしている世界を映し出す。
クリエイティブスタジオのInbetweenによるインタラクティブマッピングが来場者を囲む。壁面に投影されたリアルな自分の影は動くと輪郭がぼやける。民族楽器のビートが響き、登場するモデルは皆、カーリーヘアに眼鏡をかけ、アンドロイドのような雰囲気。

スウェットのトラックスーツにウールのテーラードジャケット。何げない日常着だが、パープルやオレンジの色彩がまだらに広がり、判然としない印象だ。胸元やパンツのサイドには、協業する「ホンダ」のロゴや数字のアップリケ、ジャケットには刺繍の英文字が連なる。長野らしい細かい加工によってアニメーションのように見せていく。セーターやバラクラバから垂れ下がるマフラーは、シャギーニットのジャカード柄がノイズのように映る。強みのレザーアイテムもグレイッシュカラーであいまいな印象を出す。身頃がメルトンのブルゾンと一対になったレザーベストは、まだら模様が入ったヘアカーフとのリバーシブルで、クラフトマンシップの美しさも感じさせる。


「ピリングス」(村上亮太)は2月12日、都会のビルの景色が広がる東京交通会館の12階のホールを会場にショーを行った。テーマはランドスケープス。前シーズンに続いて日常の景色にある普通の服をデフォルメし、上質さが立ち上がるように表現した。
ドレスシャツは首元で布をツイストさせてゆがませる。ニットのアンサンブルも、ボタンを留める位置がずれて片方の身頃がゆがむ。その下にはフロントをイレギュラーにたわませたトラウザー。これまでもくしゃっと崩れた形でユニークさを出してきたが、素材の質を上げることでエレガントなドレープを描く。意図せずにたわんだシルエットにフェティッシュな魅力もはらむ。

素肌が透けるレース編みのモヘヤセーターに、ルーズに変形したケーブルニットのスカート。透ける体の線と、ボリュームのある無造作なシルエットのコントラストがフェミニン。表面にはゴールドカラーのビジューがキラキラと輝く。

スウェットのフーディーはフードが横にずれて肩に乗っている。下に合わせるデニムパンツは、ディテールがそぎ落とされてフロントがたわむ。ごく普通のアイテムなのに、ピリングスと分かる造形の一貫性が光る。

(須田渉美)
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