東京ブランド26年秋冬 強みを生かし、新たな一面広げる

欧州のメンズファッションウィークが一巡したところで、国内でも東京ブランドによる26年秋冬の単独のショーが始まった。
(須田渉美)
「フェティコ」(舟山瑛美)は東京都現代美術館のエントランスホールをランウェーに、気品ある女性のたたずまいを映し出すコレクションを見せた。官能的な造形美を掘り下げてきた舟山だが、20~30年代のスタイルに着目し、優雅さや知性を伴った輪郭で表現の幅を広げた。
首元をすっきりと見せたブラウスにローウエストのベルベットスカート。ベルトをアクセントにウエストラインを強調する。鈍く光るレザーのドレスは、ビュスティエをベースにデコルテラインをかたどる。腰周りを柔らかな立体の線で構築し、凛(りん)とした一面としなやかさが交わる。


見応えがあったのは、マスキュリン&フェミニンのコントラスト。襟のラインが際立つピーコートにベルベットのタイトスカート。高い位置から入ったバックスリットがフェティコらしい魅力を作る。テーラードジャケットはラペルを極端に広く取り、胸元に広がるカーブラインをアクセントに生かす。その下には、プリーツで構成したワイドシルエットのトラウザー。クラシックな美しさを残しながら、大胆さを持ったエレガンスを描いた。

「オダカ」(小高真理)は「スティルライフ」をテーマに、スコットランドとアイルランドの旅に着想した。会場は東京日仏学院。中庭を囲むように通路と緩やかな階段が続く建築を、アイルランドの石垣の景色に見立てる。デビュー時からニットの可能性に向き合う小高は、タータンチェックやフェアアイルセーターの特徴を、独自のニッティングで東京らしいリアルクローズに発展させた。

ゆがんだチェックとブラを重ね合わせるように編んだローゲージの半袖トップ。ケーブルニットに透かし編み、レースが連なるストレートスカート。ニットの柔らかなテクスチャーがフェミニンな印象に深みを出す。目を引くのは、リブ状に編み立てたタータンチェックのアイテム。ホールターネックのドレスは、チェックの編み地がウエストでふんわり広がって緩やかなフレアラインを成す。チェックを切り替えたMA-1に、キルト風スカートとパンツのレイヤード。ポリエステル糸を編んで構成したプリーツが軽やかに揺れ、キュートな魅力が映える。

「シュガーヒル」(林陸也)は前回に続き、東京・新宿の淀橋教会を会場にした。赤いじゅうたんのランウェー、ショーの前にはジャズシンガーによるピアノの弾き語りが行われ、品のあるムードが漂う。加工に手間をかけたアメリカンカジュアルを強みとするなかで、テーラーリングのアイテムを交じえ、力強さのあるエレガンスを引き出した。ほつれたデニムをミルフィーユ状につないだパンツにピンストライプのテーラードジャケット。裾を割いて編み込んだフリンジが揺れ、躍動感を生み出す。

強いエネルギーを感じるのは、ボリュームに富んだ異素材を組み合わせていくバランス。デニムのセットアップ、白シャツといったシンプルな着こなしに、多色の毛がカールしたファーのコートやジャケットを重ね、ぜいたく感とともに艶っぽい魅力を立たせる。ふっくらとしたヘリンボーン柄のダブルブレストのコートにレザーのベルト。上質感が備わり、ブランドの進化を感じさせた。

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