《そのEC施策、本当に合ってます?①》店頭とECの相互送客

ECかいわいでは、数年に一度の頻度でトレンドワードが浮上し、それが「今、売り上げ獲得に最も大切である」といったようなセミナーや報道が目立ちます。本連載では、複数ブランドのECデータを検証している筆者がその実態を整理・総括していきたいと思います。初回のテーマは「店頭とECの相互送客」です。
目的はLTVの最大化
店頭とECの相互送客はO2O(ネットと実店舗の相互送客)やOMO(オンラインとオフラインの融合)など言葉の定義に違いがあるものの、目指すゴールは共通。販路を横断してLTV(顧客生涯価値)を最大化する取り組みです。
例えば、普段から店頭で購入しているお客様に対して、メールマガジンやモバイルアプリのプッシュ通知でキャンペーンや人気商品を案内し、来店が難しいタイミングであればそのままECで購入してもらう、といった流れが考えられます。
相互送客を実行することでブランドとの接触頻度は増え、顧客育成にもつながります。
ECのお客様を店頭へ誘引したいのであれば、館の販促施策や店頭イベントの情報をEC側で発信する必要があります。逆に店頭では、「ECにはどのような商品やコンテンツがあるのか」を伝えることで、来店をきっかけにECに触れる動機付けにもなりますし、通知できるお客様の数を増やすべく、店頭での購入後にモバイルアプリの登録を促進するオペレーションの強化なども考えられます。
しかし、こうした基本的な取り組みが、意外なほど実行されていないケースをしばしば見かけます。
客が求めていること
店頭とECの相互送客を実行する際には、何らかのサービス導入が必要になることがほとんどです。例えば、ポイントの統合や、購買履歴を取得できるモバイルアプリなどが代表例でしょう。
問われるのは、それらのサービスを導入した後に「データを検証し、効果が弱ければ改善策を打つ」という運用が社内に定着しているかどうかです。さらに、販路をまたぐ施策は複数部署の連携が不可欠ですが、部署間の壁で実現できていないケースも非常に多いのが実情です。
ECを取り巻くサービスや技術は変化しても、お客様が求める本質は変わりません。
「商品情報が、適切な母集団に、適切なタイミングで届いているか」――この一点が最も重要です。サービスはあくまで手段であり、導入すれば目的が達成されるわけではない、という点を念頭に置いていただければ幸いです。
(スタイルピックス代表・深地雅也)
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