東レがナノテク展で先端素材を提案 新原綿を開発、厚さ3ミクロンの不織布に

東レは東京で開かれた国際ナノテクノロジー総合展に出展し、不織布、炭素繊維、分離膜などグループの先端素材を提案した。初日には大矢光雄社長が来場、記者の質問に「展示素材・技術は26年度からの中計やその次の中計をにらみ、30年近傍に大きく花開くと期待している」と答えた。
繊維では、新たに開発した抄紙用ショートカットファイバーを披露した。複合紡糸技術「ナノデザイン」で、極細のショートカットファイバーを実現。湿式で不織布にすると、厚さ3ミクロンと従来の3~6分の1の薄さで平滑な表面が得られた。次世代電池のセパレーター用を想定し、電解質の基材・支持体として薄物化ニーズに応える。高次加工のプロセスを検討し、不織布事業部として28年を目標に原反売りを目指す。
サトウキビの搾りかすを原料にしたナイロン66も展示した。非可食原料からバイオアジピン酸を作る技術で、タイで量産に向けて準備中。バイオ度50%のナイロン66で原糸の試作に成功しており、年間トン単位の生産が可能。サンプル提供を継続し、エアバッグやエンプラ用途などを狙う。
炭素繊維では、東レが開発したリサイクル技術を使った和紙調の意匠素材を開発した。複合材の熱硬化性樹脂を新規分解剤で低温で溶かし、リサイクル炭素繊維を取り出す。これを活用し、湿式不織布に混ぜて和紙調の見た目、風合い、凹凸感を表現した。照明・インテリア部材などを想定、試作品として人工皮革「ウルトラスエード」と貼り合わせたスマートフォンケース、名刺入れも展示した。

熱硬化性の炭素繊維複合材(CFRP)を貼り合わせる新技術も発表した。接着剤を使うと強度低下につながるが、熱可塑(かそ)性樹脂をバインダーにすることで熱硬化性CFRP同士や金属、熱可塑性射出材などとの貼り合わせが可能になる。界面設計技術の工夫で強固な接着を実現した。
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