フランス政府「シーイン」へのアクセス停止手続き開始

2025.11.06 17:00

提供：繊研plus

【パリ＝松井孝予通信員】フランス政府は11月5日、中国発ウルトラ・ファストファッション「シーイン」のマーケットプレイスで幼児を模した性的目的とみられる人形の販売が確認されたことを受け、同社に対するアクセス停止手続きを開始した。経済・財務・復興省所管の競争・消費・不正防止総局（DGCCRF）は、同社サイトの全コンテンツについて仏法令への適合性を求め、48時間以内に状況を確認する。

これと同時に、内務省はカテゴリーAに分類される刃物類が同社サイト上で販売されていたと指摘し、反復的な違反が疑われるとして司法当局にサイト遮断を要請した。デジタル担当当局も欧州委員会に通報し、EU（欧州連合）レベルでの対応を求めた。これに先立ち、国民議会では複数会派が厳格な措置を促す欧州決議案を提出していた。

問題の発端となった商品に関し、パリ地検は既にマーケットプレイスの監督体制について捜査を開始している。こうしたなか、パリの百貨店BHVでは11月5日、シーインの世界初となる常設売り場が開設された。オープン前日には児童保護団体らが違法とみられる商品を同店前に並べ、出店への抗議活動を行った。

行政によるデジタル規制手続きと大型小売店での実店舗展開が並行する異例の状況となった。シーインはフランスで第三者出品商品の販売を一時停止すると表明し、当局との対話に応じる姿勢を示している。