

栗山縫製の〝後継者〟小判道義さん 廃材・食・福祉×繊維をブランドに

繊維商社、アパレルメーカー、生地商社と歩み、米国、上海などでの長期出張などの経験も積んできた。取引先の一つで10年前から接点のあった栗山縫製に入社、2年後の50歳をめどに〝後継者〟としてバトンタッチを受ける予定だ。
(山田太志)
事業環境に危機感
高い技術力やQR対応力を武器にしながら存在感を示してきたが、人件費や原材料の上昇に反し、国内縫製の工賃は上がらない。何よりも高齢化と人手不足が進み、「今、本社は44人、年齢構成を考えると2年後35人、7年後は25人に。今、会社の形を大きく変えないと…」と危機感は強い。
検討中の案件の一つは、本社は産業用やメディカル向けなど従来にない製品の生産、裁断・企画・デザイン機能などに特化し、地方に従来品の縫製の主力を移すという構図だ。「島根はワンピース、福知山はカットソーやTシャツ、福島はシャツと得意なアイテムでさらに腕を磨いていく」。
ウェアや雑貨開発
衣料での新しい取り組みも本格化し始めた。グループ会社のMFCが中心になって、「廃材×繊維」、「食×繊維」、「福祉×繊維」の三つをキーワードにした商品開発をスタート。廃材×繊維では、縫製時の端材などのほか、ペンキ職人がペンキの飛沫(ひまつ)防止に使う養生シートをバッグに活用した。飛び散ったペンキが独特のアートに見える布地を生かし、「トゥーン・バッグ」のブランド名を付けた。主販路はEC。同じコンセプトで、手捺染職人の前掛けなども使う。時間と手間の掛かるオンリーワンのバッグだが、1万~2万円の価格帯に抑えた。口コミで瞬時に完売することが多い。

食×繊維は茶の実染めのTシャツなどを「フーロン」で、福祉×繊維は「アーチェ」のブランドで販売している。アーチェは福祉施設などで作られた「さをり織り」などを使いながら、ファッション感度の高いウェア・小物などを企画する。保育士の経験を持つ若い女性スタッフが担当し、大手小売業や福祉関連イベントからの問い合わせも増えている。
MFCは、東京・多摩市に東京ディビジョンも設けた。今は小判さんの実家を改装したものだが、今年中に郊外に新たな店舗兼事務所の開設を検討している。首都圏での仕事が増え、東大阪と多摩市を車で往復する日が増えてきた。「そりゃあ運転は疲れますよ。でも途中で新しい発見がいろいろあるし、何よりも交通費が抑えられるでしょう」と笑う。

栗山縫製(栗山泰充代表取締役)は58年創業。東大阪市の本社工場のほか、MFCをはじめとする国内企業4社、中国・湖北省の鄂州・黄石工場の2社でグループを構成する。加工賃ベース主の年商は約5億円、プレタ、メンズ、レディス、各種雑貨の縫製、刺繍やプリント、洗い加工、他社品を含む補修まで一貫してこなす。 繊維商社、アパレルメーカー、生地商社と歩み、米国、上海などでの長期出張などの経験も積んできた。取引先の一つで10年前から接点のあった栗山縫製に入社、2年後の50歳をめどに〝後継者〟としてバトンタッチを受ける予定だ。
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