

登山用品「オガワンド」のバックパックが好調 「一つのザックでどんな山にも行きたい」を形に

登山用品ブランド「オガワンド」が注目されている。代表作は容量に応じて形を変えることができ、軽く背負い心地も良いバックパックの「OWN」(オウン)。「一つのザックでどんな山にも行きたい」。デザイナー・小川隆行代表のそんな願望を形にしたら、共感者が増えた。
(杉江潤平)
納期は2カ月待ち
オウンには25リットルから50リットルまでの荷物が入る。細長い筒状のザックで、荷量が少ない時はザック上部の生地を折り、デッドスペースを無くし、専用フックの位置を変えて留めれば良い。
ポイントは荷物が増えた時。バックパックが上に伸び膨らんで重くなると、背負ったときに後ろに引っ張られ、バランスを崩しやすい。そこで小川さんはショルダーハーネス上部にあるスタビライザーに着目。ハーネスとスタビライザーをつなぐフックを独自に作り、スタビライザーの長さと角度を自由に変えられるようにした。こうすることで荷量や重さに応じてユーザーがザックの重心を体側に近づけ、背負った時に安定させることができる。
オウンを開発したきっかけは、日帰りも泊まりがけの登山も楽しむ小川さんが感じた不満から。一般的にバックパックは容量ごとに商品が別々でユーザーは使い分けている。しかし「道具が増えてしまうのが嫌」だった小川さんは「一つのバックパックでどこでも行けたら便利」と考え、自作してみた。
試行錯誤の末に完成したものをネットショップで試しに売ってみたところ、思いのほか売れた。しばらくは別の仕事をしながら注文に応じていたが、徐々にバックパック作りに忙しくなる。そこでガレージブランド仲間と共同で14年に都内で工房兼ショップ「マウントファブス」を立ち上げ、オガワンドに専念。現在は同店と自社EC、個人オーナーが運営する数軒の専門店で販売している。バックパックの人気は今も続き、オーダーから納品までは2カ月待ちの状況。売り上げはブランドを設立した13年以降ずっと右肩上がりだ。

深夜番組のように
オガワンドの中心客層は30代後半から60代前半。登山初心者はかなり少なく、ひと通り登山用品を買ってきた登山経験者で、小川さんと同じように「ギアを軽くしたい」「道具が増えていくのがつらい」と感じている人たちだ。
今後卸先を広げる予定だが、ブランドの規模をやみくもに大きくしようとは思っていない。イメージしているのは、30~40年前にあった深夜番組のような存在。「ちょっと変わっているけど面白いと思われるものを作り続けたい」という。

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