

外食店で朝食強化の潮流 「安価に優雅な一人時間」を

物価高騰で外食を控える消費者が増えている。そんな中、飲食店では手軽な価格帯で外食を楽しめる朝食に力を入れている。
五つ星ホテルでも
東京・日本橋にある五つ星ホテル「マンダリンホテル東京」では、550~1320円までモーニングセットを提供している。550円のセットは数種類のパンとドリンクから一種を選べる。優雅な雰囲気の中で食べられる星付きホテルの安価な提供はSNSを通じ、ホテルそのものの周知にもつながっているだろう。
安価で朝食を提供している店をみると、シナモンロールとハッシュポテトのセットを100円で提供しているイケアや、ドリンクを含み240円でソーセージマフィンコンビを提供するマクドナルドがある。値上げ傾向の外食において200円台は貴重といえる。
チェーンのファーストフードやカフェでは、大きく三つの価格帯に分かれている。一つが500円台のワンコイン周辺の価格帯のモーニングセットだ。カフェやフレッシュネスバーガーなどがこれに当たる。
カフェチェーンでも1000円超えの価格帯で提供している業態もある。「〇〇珈琲店」というレトロな店名の店舗に多く、陶器カップを使用したりテーブルサービスをするなどゆったりと朝食時間を有意義に過ごせる工夫がされている。
無料セットでお得に
純喫茶タイプのコーヒーチェーンは、ドリンクを注文すると無料でモーニングセットになる売り方も健在だ。星乃珈琲店では、ドリンク650円のままでパンケーキまたはゆで卵とトーストのいずれかが付いてくる。もともと名古屋の喫茶店文化から発せられたとされている。現在はプラス料金でセットにしている銀座ルノアールでも、ゆで卵とトーストがドリンク代プラス80円でセットとなり、高価格帯のセットでもドリンク代に具だくさんのスペシャルサンドイッチ、ヨーグルト、スープが270円で追加できる。このような形態は〝お得感〟があるため、わざわざ朝にその店に行くという動機付けにもなり、来店客数増につながる。
牛丼3社は、ご飯とみそ汁付き定食の共通点はあるが、価格帯はすき家は200円台、松屋は300円台、吉野家は400円台からと個性がある。「朝食の栄養バランスに期待」「夜中の仕事で朝食が重要」「優雅な時間を安価で」など様々なニーズに朝食は対応しやすい。また、夜の外食を控える傾向や加速するアルコール離れなどもあり、客単価をいかに上げるか、昼夜の客にいかにつなげるかなどの模索が続いている。朝食強化は店舗にとっても店の体力強化につながっているといえそうだ。

(日本食糧新聞社/トータルフード・小倉朋子)
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