＜ウマ娘シンデレラグレイ＞オグリに届くルドルフのスカウト、夢を押し付けられない葛藤に「次回、全トレーナーが号泣確定」

2025.05.08 20:05

アニメ「ウマ娘シンデレラグレイ」(毎週日曜昼4:30-5:00、TBS系ほか／ABEMA・ディズニープラス・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第5話「一番の選択」が5月4日に放送された。オグリキャップ(CV.高柳知葉)にとって何が一番の選択なのか。シンボリルドルフ(CV.田所あずさ)からのスカウトに葛藤する北原穣(CV.小西克幸)。物語の大きな分岐点に注目が集まった。(以下ネタバレが含まれます)

地方の怪物を中央の皇帝がスカウト

東海ダービーへのルートとして、中京盃を次走に選んだ北原。オグリキャップが自信を見せるのとは逆に、北原はどうにも不安がぬぐえないでいた。オグリキャップにとって初めての遠征と芝のレースというのはもちろんだが、それ以上に、叔父の六平銀次郎(CV.大塚芳忠)から言われた「中京盃はやめとけ」という忠告があったからだ。

しかし、レース当日、オグリキャップは新聞の下馬評でもダントツ。終わってみれば全く危なげないレース運びで、2着に二バ身を付けての圧勝劇だった。ずっともやもやが晴れないでいた北原もオグリキャップの強さに思わず歓喜で立ち上がる。ただ、そんなオグリキャップの強さはとんでもない大物まで引っ張り出すことになる。

レース後、見知らぬ黒服に案内された北原を出迎えたのは、GI七冠のレジェンドでトレセン学園の生徒会長、シンボリルドルフだった。どういう状況なのか理解が追いつかず、目を泳がせる北原に、シンボリルドルフはオグリキャップの中央(トゥインクル・シリーズ)へのスカウトを切り出すのだった。

六平が危惧していたのはまさにこれのこと。怪物オグリキャップの器は地方に収まるものではない。中京レース場のような大きな場所で圧勝劇を演じれば、中央の関係者が手を伸ばすだろうことは目に見えていたのだ。

15年前、ウマ娘のレースを生で見て、東海ダービーが自分の夢になった日のことを思い出す北原。もしオグリキャップが中央に移籍すれば、手が届きかけた夢が遠く離れていく。それにもまして地方のライセンスしか持っていない北原は、トレーナーとしてもオグリキャップと別れなければいけなくなってしまう。

オグリキャップ自身に託した一番の選択

広く知られているように、史実のオグリキャップは地方競馬から中央競馬に移籍し、日本中の競馬ファンを熱狂させた人気馬だ。「シンデレラグレイ」でも地方に残るというパラレルはないだろう。だからこそ大事なのは、そこにあるドラマだ。

レースの道に進んだウマ娘にとって、中央で走ることは一番の目標だ。オグリキャップの才能であれば、そこで頂点に立つことも夢ではない。レース界に疎いオグリキャップはまだそうした世界があることを知らないが、北原は知っている。知っているからこそ、自分の夢を押し付けることはできないでいた。

ベルノライト(CV.瀬戸桃子)が言ったように、一番大事なのはオグリキャップ自身の気持ちだ。「東海ダービーは私たちの夢だろう」と言ってくれたオグリキャップだが、それが本当に後悔のない選択なのかは分からない。それを確かめるために北原が提示したのが、次走、ゴールドジュニアでの勝負だった。

「東海ダービーを一緒に走ろう」と約束したフジマサマーチ(CV.伊瀬茉莉也)も出走する。そして、「このレースに勝てば中央、負ければ東海ダービーを目指せ」と、北原はオグリキャップに告げる。史実の競走成績をこのようにドラマ化してくるのが本作の秀逸なところで、SNSでも「ゴールドジュニアの出走をそう持ってきたか」「ウマ娘だからできるオグリキャップのドラマだと思う」といった感想が多数寄せられる。

また、「これ、誰も悪くないのがつらい」「次回、全トレーナーが号泣確定」「展開知ってても胸が熱くなる、苦しくなる」など、感情を揺さぶられた人たちのコメントも続々と集まっていた。

◆文＝鈴木康道