＜わたしの幸せな結婚＞多幸感溢れるラストに「胸がいっぱい」と反響、新作アニメも発表で原作者コメント

2025.04.16 11:00

TVアニメ「わたしの幸せな結婚」(TOKYO MXほかで放送／ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第二十六話が4月9日に放送された。異能心教による一連の事件が片付き、穏やかな幸せを取り戻した美世と清霞。最高のハッピーエンドを迎えた2人に、視聴者からたくさんの祝辞が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

「わたしの幸せな結婚」とは

原作は、2019年より「富士見L文庫」(KADOKAWA)にて刊行されている顎木あくみ著、月岡月穂イラストによる同名小説。シリーズ累計900万部(2023年9月時点／コミック・電子を含む)を突破する人気作で、TVアニメ第一期は2023年7月から9月にかけて放送され、色彩豊かな美しい映像とドラマチックな音楽、実力派声優陣の真に迫る演技が熱狂を呼んだ。

舞台となるのは、日本古来の美意識と西洋文明の流行が織りなすロマンの香り高い明治大正を思わせる架空の時代。継母たちから虐げられて育った少女・斎森美世(CV:上田麗奈)が、孤高のエリート軍人・久堂清霞(CV:石川界人)と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることのよろこびを知っていくという、政略結婚から始まる和風シンデレラ・ストーリーが紡がれる。

新、裏切りの真相に視聴者から安堵の声

国家転覆を企てる異能心教による一連の事件は、教祖・甘水直の死亡で幕引きとなる。異能心教に拉致されていた帝は無事に保護され、陸軍本部も取り戻すことができた。

しかし、甘水に幸せになってほしいという母・澄美の願いを叶えられなかった美世の心には遺恨が残ることに。甘水にトドメを刺したのは、美世たちを裏切り、異能心教に加担したはずの新(CV:木村良平)だ。

自身もまた甘水と相打ちになる形で重傷を負った新は見舞いに訪れた美世に、事の真相を明かす。幼い頃から薄刃家の厳しい掟のもと、「夢見の巫女」である美世を守るという使命を抱いて育った新。だが、美世には清霞という婚約者であり、守ってくれる人がいる。澄美の守り刀としての使命に固執し続けていた甘水は、そんな新に自分自身を重ねていたのだ。

自分が抱いている孤独も憤りも新なら理解してくれるだろうと思い、異能心教に勧誘した甘水。新は誘いに乗ったが、あくまでもそれは美世を守るためだった。初めから寝首をかくつもりで、甘水の味方のふりをしていた新。途中で気付かれる可能性もあったが、それも覚悟の上だったという。

甘水と新の決定的な違いは、相手の幸せを心から願えたかどうか。甘水は結局独りよがりで、斎森家に嫁ぎ、夫との間に美世をもうけた澄美が幸せそうにしていたにもかかわらず、納得しようとしなかった。一方で、新は心から美世に幸せになってほしいと願っている。新は作戦のためとはいえ、清霞を傷つけてしまったことについて美世に謝罪。

その後、清霞が美世を迎えにきて、これからデートに出かけるという2人を微笑ましく見届ける新の優しさが胸に迫る。裏切りの真相が明らかになったことで、視聴者からは「新の口から真意が聞けてスッキリ」「新さん信じてたよー」「裏切り者と思ってた新には謝らねば」と安堵の声が上がった。

美世に訪れた青天霹靂の誘いとは？

遺恨は残しつつも事件が片付き、美世と清霞の日常に平和が戻ってきた。2人の結婚式の準備も進められ、葉月(CV:日笠陽子)と芙由(CV:井上喜久子)から美世にあるものが授けられる。それは芙由との婚姻に際して正清が贈り、葉月も結婚式で着た年季物の白無垢。

澄美が斎森に嫁ぐ時に着た衣装はもう残っておらず、美世は「私が誰かから何かを受け継ぐことなんてもうないと思っていたので…」と涙を流して喜ぶ。母を亡くし、残された家族からは虐げられ、久堂家に嫁ぐまでは波乱万丈な人生を送ってきた美世。これからは家族の優しさに包まれながら穏やかで幸せな人生を歩んでほしいと願わずにはいられない感動的なシーンだった。

だが、そんなある日、内大臣の鷹倉(CV:櫻井トオル)が突然久堂家を訪ねてくる。何かと思えば、宮内省として美世を宮城に招きたいというのだ。というのも、これまで薄刃家は異能者の抑止力として、ひいては皇家の抑止力にもなりうる存在として国で機能を果たしていたが、今回の事件で甘水のような人間が薄刃から現れた際には対応しきれないと言う事実が明るみに出てしまった。

そこで、二度と同じ轍は踏まぬよう、皇家を頂点として敷かれる異能の管理体制に薄刃も参入させ、新たな異能の防御網を築くことに。ひいては美世に「夢見の巫女」としての力を、堯人(CV:石田彰)の下で使ってほしいという鷹倉。もちろん、美世だけではなく清霞も一緒に宮城に招き、何不自由ない生活も与えるという条件付きだ。美世は答えに迷う。その一方で、清霞は人生を左右するような決断を下すのだった。

ハッピーエンドを迎えた美世＆清霞に視聴者から祝辞多数

事件の後、清霞は「私の対異特殊部隊隊長としての務めは全うできた」と上司の大海渡(CV:三宅健太)に辞表を提出。後任には、清霞不在の中、部隊を率いて異能心教から帝を救った五道(CV:下野紘)を推薦する。「隊長がいなくなったら俺、誰の背中を追いかければいいんですか」と肩を落とす五道だったが、「自信を持て！」という清霞の力強い言葉に心を動かされ、その役目を引き継ぐことを了承した。

かつて対異特殊部隊隊長を務めた五道の父親・壱斗の殉職をきっかけに入隊を決め、「力を持つ者には、その力を世の中に役立てる責任がある」という、その教えを忠実に守ってきた清霞。だが、そんな彼には愛し愛される存在ができた。今回の事件で命の危機に晒された清霞は、狼狽える美世の姿を見て、もう彼女をこれ以上悲しませたくないと思ったのだろう。

清霞から「私の望みはそなたと共に生きることだ。できることなら、これからは肩の荷を下ろして、お前との幸せを守りたい」と告げられた美世の心は決まった。後日、清霞と共に堯人のもとを訪れた美世は、もう二度と異能を使い、誰かと戦いたくないこと、清霞をはじめ大好きな人たちと穏やかに暮らす幸せを手放したくないことを伝える。すると、堯人は「見つけたのだな、そなたの幸せを。ならば、それに水を差す道理など誰にもなかろう」と微笑み、美世の決断を受け入れた。

これからも、あの穏やかな家で一緒に暮らしていくことを決めた2人。その誓いとして清霞は美世に桜のかんざしを贈る。常に遠慮がちで自信なさげにしていた美世はもういない。「似合いますか？」と少し照れながらも清霞に微笑む彼女に大きな成長を感じた。清霞はそんな美世を抱きしめ、「お前は私の命だ。私と結婚してほしい」と改めてプロポーズ。その瞬間、美世の瞳が恋の色に光る演出が美しい。もちろん、答えは決まっている。「はい、喜んで」とプロポーズに応じた美世。多幸感溢れるラストに、「あー胸がいっぱい」「幸せな2人が見れて最高だった！」「美世さん、これから幸せにね」「二人なら悲しみも糧にして日の当たる道を歩き続けていけると信じてる」と視聴者からたくさんの祝辞が寄せられた。

放送後には、『わたしの幸せな結婚』の新作アニメの制作も発表に。原作者の顎木あくみは「アニメ『わたしの幸せな結婚』第二期、最後まで見届けてくださった皆さま、ありがとうございました！！二期になり、怒涛の展開の連続で一時も目を離せないアニメで一期同様、ほんの一瞬の間に最終回まで駆け抜けたように感じます」とコメント。さらに「しかし、お気づきでしょうか。『幸せな結婚』というタイトルをまだ回収していないのです」と付け加え、「そういうわけで、アニメもまだまだ終わらないようです！続きを見られることに感謝しつつ、私も楽しみに待ちたいと思います」と視聴者にメッセージを送った。新作の放送時期については、続報に期待しよう。

◆文／苫とり子