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すれ違いが生んだ“母娘”のやりとりに「切ない」の声…リアルな社会問題を描くピクサー最新作<ウィン or ルーズ>
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ピクサー・アニメーション・スタジオ初の完全オリジナルアニメーションシリーズ「ウィン or ルーズ」の第3話、第4話が2月26日に配信された。娘とその母親の異なる視点で描かれたストーリーに「すれ違いが切ない」といった声が多く寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)
さまざまなキャラクターの視点で描かれる8つのエピソード
同作は、中学生男女混合ソフトボールチーム「ピクルス」のメンバー8人を中心に、1週間後に迫る大きな試合までの期間をさまざまな思いを抱えて過ごしていく様子を描いた物語。全8エピソードで構成され、選手、彼らの家族、審判員など各話ごとに異なるキャラクターがフィーチャーされ、複数の視点で同一期間の出来事を多角的に映し出している。
第3話の「スパイク」ではチームの要であるキャッチャーとして活躍する少女・ロシェルの物語が描かれた。文武両道の彼女は家が裕福でないことを知っていて、試合会場の売店でアルバイトをしながらお金を貯めている頑張り屋さん。弟の世話に手いっぱいの母親に気を使って参加したソフトボールチームの保護者会で、コーチから活動費の負担が増えることを告げられる。
せっかくアルバイトでお金を貯めたばかりなのに、さらに出費がかさむことに不安を感じたロシェルは、試合帰りの車内で母親に伝えようと試みるが、逆に母からは新しい高級スパイクのプレゼントをもらってしまう。どうやってお金を工面したのかますます不安になった彼女はいつしか、世界が歪んで見えるようになっていた。
そんなある日、ひょんなことから友達から宿題の写しを頼まれ、お金欲しさに引き受けることに。すぐさま学校中にうわさは広がり、多くの生徒たちからお金と引き換えに勉強を教えたり宿題を引き受けたりしていくことになったが、友人のトムから頼まれたカンニングが先生にバレてしまうことになる。
カンニングを知った母親には何とか言い訳するものの、関係性がこじれてしまい、ロシェルはお金欲しさにスパイクを転売サイトで売ることを決意する。大きな試合当日、指定された場所にスパイクを持って行くがそこで彼女は不良たちに絡まれてしまう――というストーリーだ。
一人で悩みを抱え、相談相手すらいないロシェルが、顔も知らない相手と“取引”に応じてしまうシーンは見ていてやるせない気持ちになった。それと同時に自分のことばかりで、ロシェルに向き合おうとしない母親には腸が煮えくり返る思いも。大人たちに相談できず、子どもがネット世界で知り合った相手から犯罪に巻き込まれてしまう事件が多いこのご時世をリアルに映し出しているようだ。
自慢の子どもを溺愛する母親の本心が明かされる
第3話を見終わった段階では多くの視聴者が彼女の母親を“毒親”だと感じていただろう。しかし第4話「ママの事情」では、ロシェルの母・ヴァネッサの背景が描かれており「すれ違いが切ない」という声が多く寄せられている。
シングルマザーでありインフルエンサーでもあるヴァネッサは、2人の子どもを溺愛している。特に娘のロシェルは、成績優秀でスポーツもできる自慢の娘だ。「自分の子が幸せな人生を送ってくれるなら」と、寝る間も惜しんで夜通しタクシー運転手の仕事をしながら、昼間の仕事を探している。
そんな中、学校からロシェルがカンニングに携わったとの連絡が入り、最初は娘を信じていたが彼女がくれたウイニングボールの筆跡とカンニングペーパーの文字が一致していることに気付いてしまう。翌朝、テーブルに置かれた娘のスマートフォンの通知で、カンニング事件への関与が疑いから確信に変わり、さらに自分がプレゼントしたスパイクが取引されていることも知ってしまう。それでも娘を救い出すため、ヴァネッサは取引場所へと乗り込んでいく――。
第3話を見終わった時点で抱いた感情とは真逆の思いがあふれてしまいそうだった。また、現代社会で起きている貧困問題や一人親が抱える苦悩が、ヴァネッサを通して映し出されているようにも感じ取れる。さらに“裏アカ”をいくつも所持していたロシェルのようにSNSで見せる自分の生活と本来の姿が正反対である点も、現代社会が抱えている大きな問題の一つだろう。
娘と母親の2つの視点の物語を見た視聴者からは「みんな幸せになってほしい」「生々しい人間模様」「設定がリアルすぎる」などの声が上がっている。
「ウィン or ルーズ」はディズニープラスにて毎週水曜に2話ずつ最新エピソードを配信中。
◆文=suzuki
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