TVアニメ『SAKAMOTO DAYS』で声優を務める杉田智和、東山奈央にインタビューを実施。

杉田智和×東山奈央の夫婦役対談「いい家庭にしていこうね」収録現場での素敵なエピソードも<アニメ『SAKAMOTO DAYS』>

2025.02.02 10:00
TVアニメ『SAKAMOTO DAYS』で声優を務める杉田智和、東山奈央にインタビューを実施。

かつて伝説の殺し屋として名を馳せた坂本太郎が、最愛の妻である坂本葵と出会って殺し屋を引退。家族との平和な生活を守るため、次々と迫りくる刺客を返り討ちにしていく“日常×非日常”なアクション作『SAKAMOTO DAYS』。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の人気漫画が、2025年1月よりTVアニメとなって放送中(毎週土曜夜11:00-11:30ほか、テレ東系で放送/Netflix・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)。今回は、主人公の坂本太郎を演じる杉田智和と、妻の葵を演じる東山奈央の夫婦役対談が実現。作品の魅力から理想の夫婦像まで、たっぷりと話を伺った。

「葵さんがラスボスだったりした日には、こんなに恐ろしいことはないなと(笑)」

――原作をお読みになった印象をお聞かせください。

杉田智和(以下、杉田) 僕は、「週刊少年ジャンプ」の連載作品のなかでも、子どものころから “大人”が主人公の作品のほうが好きだったんです。そういう意味では、本作も好みのタイプの作品だなと思いました。

東山奈央(以下、東山) “大人”の主人公が好きなのはどうしてですか?

杉田 う〜ん、“大人”が好きと言うよりは、どうも“少年”の主人公に自分を投影することができなかったんですよね。大人主人公の作品の系譜が今の時代までしっかりと受け継がれていることは素直に嬉しいですね。東山さんは原作を読んでどうだった?

東山 私は、絵にすごく臨場感があるなと思いました。とくにバトル描写はテンポ感がすごくて、まるで映像作品を観ているかのような感覚で。あと杉田さんがおっしゃるように、「少年漫画で成人男性が主人公」という部分は珍しいなと思いつつ、ファンのみなさんは主人公である太郎さんに感情移入することもあるかもしれませんが、シンや平助たちを含めた坂本商店のみんなを見守ってくださっているような目線で楽しんでくれているのではないかなという気がしました。

――いわゆる箱推しと言うか、ファミリー推しですね。

東山 そうそう。私自身も坂本ファミリーの平和な日常描写が好きで、その空気感が愛おしいなって思いますから。そういう意味では、コメディと血生臭さとハートフルな要素が絶妙なバランスで融合していて、あんまりほかにはない読み味なのかなと感じました。

――それぞれが演じるキャラクターについての印象はいかがですか?

杉田 太郎は伝説の殺し屋と呼ばれた男なので、当時はそれなりにポリシーや信念もあったと思うんです。でもそれが、たった一人の女性との出会いによってガラガラと崩れていき、180度変わっていったことを考えると、やっぱり葵さんがスゴイんだと思います。あんまり深くは考えないようにはしているんですけど、もしも葵さんがラスボスだったりした日には、こんなに恐ろしいことはないなと(笑)。

東山 え? そんなことがあり得るんですか? それならちょっとお芝居も考え直さないと(笑)。

杉田 さすがにそれはないけど(笑)。昔のゲームのシナリオだと時々あった展開なのですが、令和のジャンプ作品ですから。これは考えすぎだと分かっているので、極力脳内で封印するようにしていて。……うん、さすがにないよな、それは。

東山 封印しきれないかも(笑)。

――東山さんはいかがですか?

東山 葵さんは一見するとすごく朗らかで優しいお母さんなんですけど、でも実はすごく心が強くて、内面的には肝っ玉母ちゃんなんだと思っています。私はお母さん役を演じるのは初めてなのですが、とくにそれを意識することもなく、「家族が愛おしいな」と思う気持ちに素直に乗っかりながら演じています。旦那の太郎さんがちょっと危なっかしいと言うか放っておけない存在ではあるので、それが自然と包容力となってお芝居に出ているような気もしますね。

――第2話では「あなたが何も変わってくれないなら、あたし一緒にいられない」と高所から飛び降りるシーンがあって、あれは衝撃的でしたね。

東山 すごいですよね。今でこそ平穏な日常を過ごしていますけど、葵さんのなかにも飛び抜けているところはあって、やっぱり太郎さんの人生を変えるだけのパワーを持っている人なんだなと改めて感じました。

「杉田さんのお心遣いも含め、周りからすごく引き出されている」

――一方で太郎は、元殺し屋としての動きと日常をダラリと過ごす姿とが目まぐるしく切り替わります。お芝居で意識されていることはありますか?

杉田 それを意識してから芝居に臨むと、もう遅いんですよね。言語化する前に動いていないと成り立たないキャラクターだと思って演じているので、僕自身も意識して切り替えている感覚がなく、「結果を見てください」というスタンスでやっています。それくらいでないと、坂本太郎として生きていくことは不可能なんじゃないかと思っています。

――お二人は共演経験も多いと思いますが、今回夫婦役として掛け合ってみて、改めてどんな印象をお持ちになりましたか?

東山 杉田さんは尊敬する大先輩なので、最初は私に杉田さんの相方が務まるんだろうかという不安もあったんです。とくにこの夫婦は葵さんのほうが立場が強いですし、伝説の殺し屋を変えるだけの説得力が出せるのかという緊張もあって。でも現場で会うなり、杉田さんが「いい家庭にしていこうね」と、優しく声をかけてくださったんです。杉田さんとはこれまでも色々な作品で共演をさせていただいていますし、勝手ながら心の距離はすでに縮まっていたので(笑)、おかげですごくリラックスして収録に臨むことができたなと思います。

杉田 東山さんは感性も芝居も優れている人ですから、素敵な葵さんのお芝居を見せてくれることは分かっていました。でも、せっかくなら僕からもきっかけやヒントのようなものを提示したいなと思い、それでそういう言葉をかけたんです。収録中は本当の家族のように思っているので、マイク位置も妻と娘を優先したりしてます(笑)。

東山 そう! すごい優しかったです!

杉田 家族に対しては自然とそういう気持ちになるんですよね。僕は独身なので、実際の経験はないんですけど(笑)。

東山 それで言えば私も子育てをしたことはないのですが、娘の花を演じている木野日菜ちゃんの芝居が溶けちゃいそうになるくらい可愛くて、ついつい抱きしめたくなるんですよ。杉田さんの現場でのお心遣いも含めて、葵さんとして自然とマイク前に立てている気がしていて、周りの皆さんからすごく引き出されているなと感じています。

――太郎と葵のような夫婦の関係、あるいは家庭の形についてはどう感じますか?

東山 私は理想的な家族なんじゃないかなと思っています。太郎さんが“元殺し屋”という特殊な立場だったこともあり、今の平穏な日常は決して当たり前のことじゃないというのを分かっているんです。毎日がかけがえのない日々で、それを噛み締めながら生きている感じがするので、それはすごく幸せなことだなって思います。

杉田 東山さんにほとんど言われてしまいました(笑)。『SAKAMOTO DAYS』って、社会の中にふつうに「日本殺し屋連盟」とか、殺し屋の養成機関がある世界観なので、太郎のような殺し屋が温かい家族を作るのって、かなり異端ではあるんじゃないかと思うんですよ。だからこそ余計に家族のことを尊いと思えるし、家族になれて良かったなと思いますね。

――一方で坂本家には「嘘をつかない」「隠し事はしない」など、わりと厳しい家訓もあったりします。その点はどう感じますか?

東山 私的には、通じ合っているならとくにルールはいらないかなと思っちゃいますけど、でも実際にそうやってルールを明文化されている家庭もありますよね?

杉田 他人から見ると厳しいルールのように思えるかもしれないけど、当人同士はいたって自然なことだったんじゃないかと思うんです。これはあくまで坂本家の話で、ほかの家庭がどうかは知りませんけど(笑)。

――杉田さん個人はどう思いますか?

杉田 う〜ん、家庭を持っていないので、その時になってみないと分からないです。今話すとすべてが空想や妄想の話になってしまうので、それはちょっと危ない人になってしまう(笑)。

東山 でも旦那さんが太郎さんだったら、葵さんがルールを決めておきたいって思う気持ちも分かります。危なっかしいですから。

ふたりが“非日常”を感じる瞬間とは?

――本作は、家族団欒という“日常”と殺しという“非日常”が混ざり合っているのも特徴的です。普段の生活で「これは非日常だな」と感じる瞬間はありますか?

杉田 この仕事をしていると、毎日演じるキャラクターがコロコロと変わるので、非日常は仕事で十分に味わえているような気がしますね。もちろん新しいキャラクターを演じるためには普段からいろいろなことへアンテナを張っている必要がありますが。だから日常生活で「なんか刺激がほしいな」って感じたことはないですね。

東山 私は昔から声優という職業に憧れていたので、そもそも「声優になれた」ということ自体が非日常かなと思います。それでも声優になってもう15年が経つので、さすがに今ではそれが日常になって、ちっぽけなことで悩んだり、壁にぶち当たったりもして。そういう時は、初めてのことをしてみたり旅行に行ってみたりという非日常体験がふと仕事に活きてくることもあるので、日常も非日常もすべては繋がっているんだなと感じています。

――最後に、今後の展開についての見どころをお聞かせください。

東山 原作ももちろんすごく面白いんですけど、アニメになってさらに磨かれている部分もあるので、そこに注目していただきたいです。私が密かに感動したのが第2話のソンヒ&バチョウ戦で、相手の必殺技を「ポヨポヨ」みたいなSEで避けまくったかと思えば、すぐにシンが「大丈夫ですか?」って湿布を貼ったりしていて。すごく緊迫したバトルの中でそういうほっこりするコメディ演出が入ってくるのに、バトル自体の緊張感はずっと保っているんですよね。こういうバランスがほかではあまり見たことがないですし、本作ならではのスパイスだなとも思います。

杉田 太郎にとって何よりも守りたい家族があって、それを脅かす存在を静かに排除していく姿に注目していただけたらと思います。とくに家族で遊園地に行った場合なんか、どんなことをしても絶対に笑顔を守りたいじゃないですか。そこは太郎の気持ちにすごく共感できるんじゃないかなと思います。今後もいろいろな敵が登場してくるので、その点にも注目してぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

◆取材・文/岡本大介

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