

《めてみみ》いのち、いっぱい
2025.01.01 06:24
提供:繊研plus

「桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命(いのち)をかけてわが眺めたり」。歌人・岡本かの子を知らしめた「桜百首」の最初の一首だ。ちょうど100年前の1925年(大正14年)5月刊行の『浴身』に収まる。
桜が命いっぱいに咲いているから、私も命がけで桜を見る――この「生」の肯定と力強さは、人生のはかなさに例えて桜を詠む伝統と全く異なる。大正デモクラシーの空気を吸って育ち、自在に型を破る技量は、さすが芸術家・岡本太郎の母だ。
この年の本で有名なのは『女工哀史』(細井和喜蔵)だろう。虐げられつつも「日々〝愛の衣〟を織りなして人類をあたたかく育んでいる日本三百万の女工の生活記録」で、紡績や織布の過酷な実態を伝えた。翌年の改正工場法で、深夜業はなんとか廃止されたという。
日本は繊維産業を礎に、近代国家への道を急速に整えた。資本主義経済の発展が自由を尊重する芸術・文化のゆりかごとなり、彩り豊かな時代を切り開いた。しかし、強烈な光は濃い影を引く。労働や環境を巡る社会問題も生まれ、多くが今に続く。
繊研新聞社は今年、再生を意味する「リジェネレーション」をテーマに据える。追うのは、影から光への反転を目指す営みだ。関東大震災を経て桜百首を作ったかの子が、生と死、いのちの再生を見いだしたように、新たな未来へ通じる発見を届けたい。
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