

《ニュース2024》当たり前になったM&A 大手・中堅で活気も零細は低調

24年もM&A(企業の合併・買収)ニュースが目立った。もっとも、大手・中堅を中心にいくつかの案件が業界をにぎわせた一方、事業承継の問題から主役であるはずの小規模企業者のM&Aの件数はさほど多くなかったようだ。再生・救済型も一定はあるものの、縮む市場で成長を見据えた戦術としてのM&Aは当たり前になった。
成長ドライバーに
24年の流通企業の主なM&Aは表の通り。業態のトレンドを映し、沈む郊外型ジーンズカジュアル専門店チェーンが再生目的で買収される一方、コメ兵など活況を呈するリユース業は同業を傘下に収める「ロールアップ型」で攻勢をかける。川上企業も大手・中堅が成長ドライバーとしてM&Aを積極化している。
ユトリ(東京)やワールドグループの投資専門会社、W&Dインベストメントデザイン(同)など外部投資に積極的な会社の元には今も多くの案件が持ち込まれるという。コロナ融資の返済が始まり、財務基盤の弱い中小の窮境が垣間見える。
本来M&Aの主戦場であるとされ、国も促す小規模事業者のそれは低調のようだ。11年の東日本大震災以降、日本企業全体で件数が急増するが、繊維・アパレル業界は目立った動きはない。小規模事業者のマッチングがメインの仲介最大手、日本M&Aセンターの白鳥雄飛シニアコンサルタントは、「過去2年でアパレルや卸など400社ほどとコンタクトを取り、相手探しを依頼されたが、ほとんど見つからない」と言う。他産業に比べ、「1+1が2以上になりづらい」のが不活発な背景。同社の見立てでは年間100件ほどのM&Aにとどまっている。
来年も増加見通し
M&Aの件数が増えると、トラブル発生確率も高くなる。次々と企業を買収するも、相手先企業から資金を吸い上げ、旧経営者の連帯保証を解除しない悪質な手法を春に一般紙が取り上げ、後追い報道も含めて広く知られた。
市場成長の立役者である仲介業者で構成するM&A仲介協会(東京)は、悪質な業者との取引を行わないように加盟各社に呼びかけ、成約の際の経営者の連帯保証解除も義務付けた。
業界のM&Aは事業会社によるものがメインになってきた。時間がかかり不確実性の高い新規事業を自ら手掛けるのではなく、必要な機能や領域を買う成長のショートカットだ。国内市場が縮むなか、中堅・大手によるM&Aは来年以降も増えていきそうだ。そこには縮小市場に苦戦する企業の再生型M&Aも含まれる。
その陰で、M&A相手に選ばれない技術やブランド力に乏しい小規模事業者の淘汰は進むかもしれない。
(繊研新聞本紙24年12月16日付)
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