《めてみみ》記憶に残る敬太さんの授業
2024.12.26 06:24
提供:繊研plus
今年も残すところあと少し。本紙は明日付が納刊号となる。毎年のことだが、あっという間だった。特に下半期は例年に比べイベントが目白押しだったせいか、瞬く間に年末を迎えたような気がする。
海外からの旅行客が多く、活気ある一年だったが、暑い夏が長く続きアウターが売れない苦境もあった。人体への影響が懸念されるPFAS(有機フッ素化合物)の問題も大きく取りざたされた。人材確保の難しさが今まで以上に語られたのも今年の特徴だ。課題は少なくなかった。
では、記憶に残る明るいトピックは何だっただろう。個人的に真っ先に思い浮かんだのは、デザイナーの丸山敬太さんが母校の小学校で3カ月にわたり取り組んだ、デザインの特別授業だ。
1チーム5、6人、全10チームの5年生が、5回の授業を通して各チームのTシャツをデザインした。「デザインの方法は100人いれば100通りのやり方がある」という丸山さんの教えの元、児童たちは物作りに真剣に向き合い、意見をぶつけ合いながら作品を完成させた。
最初は不安そうだった児童たちの表情が次第に輝きだし、最後のプレゼンテーションでは自信に満ちていた。その成長たるや。何が目的かを考えて構築するというデザインの面白さに触れた様子だった。物を作ることの楽しさを伝える教育。それが、ファッションビジネスの未来につながる。
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