

《プラグマガジン編集長のLOCAL TRIBE》地方のストリートスナップ 「岡山の洒落者」はどこに

暖冬とはいえ、やっと本格的な冬の寒さを感じるようになった年末。岡山の中心街を車で移動しながら、車窓から見える街中のあまりの人の少なさに愕然(がくぜん)としてしまいました。寒さから外出を控えているといったこの時期特有の現象というわけでもなく、よくよく思い返すと、季節に関わらず、我が街では年々人通りが少なくなっているように感じます。駅前の大型ショッピングモールに人が吸い込まれているのか、自宅で楽しめるエンタメが増えたせいなのかはわかりません。ただ、確実に人通りが減っている実感があります。『プラグマガジン』の創刊初期、街頭で道行く人に声をかけてスタイルを撮影するストリートスナップをしていましたが、いよいよそんな企画を岡山で成立させるのは難しくなったようです。今回は地方都市でスナップを撮っている経験から、私見を書きたいと思います。
「地域のファッションカルチャー誌を標榜(ひょうぼう)するからには、やっぱりストリートスナップは欠かせない。『STREET』『FRUiTS』『TUNE』のようなストリートスナップ誌の岡山版となる企画を作ろう」。当時、意気込んで街に繰り出したはよいものの、すぐさま現実を突きつけられることになりました。

街中のリアル
人通りが多い土日や祝日を狙って岡山のメインストリートの一角に陣取り、お昼前から夕方まで粘ること幾日。表参道沿いや原宿の竹下通りなどとは比べようもなく少ない人通りに気持ちを削られ、声をかけたくなるようなおしゃれな人との遭遇を期待するのはツチノコを探すような無謀で報われない行為に思えました。セレクト店や古着屋が集まるエリアに場所を移してみても、状況はさっぱり変わりません。
自分たちのハードルを下げたとしても、1日に1人撮影できれば奇跡のようなもの。これでは企画が成り立ちません。苦肉の策として、服飾専門学校やヘアサロン、アパレル店などへ事前にアポを取って撮影したスナップ写真を掲載することで体裁を整えるのが通例になりました。本誌に載っているのは、街の姿をありのまま写したリアルなものではなく、「ストリートスナップ風」の寄せ集めに過ぎません。
もちろん岡山にも常日頃からおしゃれをしている人はいます。しかし、自分たちの努力不足を差し引いても、街に息づいているトレンドやシーンを、地方のストリートから現出させるのはとても難しいことなのだと痛感しました。それは、単純に人口の違いで片付けられることでもないように思います。
装いは地域の魅力たる
おしゃれをして街に出かける機会を作ろうと、岡山で着飾って参加するイベントも主催してきました。百貨店や路面店とタイアップして、店頭でイベントのためのコーディネートを提案してもらうことも。しかし、こうしたイベントによる効果は限定的で、普段の街中にまでそうした意識を波及させるには至りませんでした。


ファッションより大切なことはいくらでもありますが、だからと言ってないがしろにしてよいものではありません。街は人であり、装いは人をつくります。当誌は服飾専門誌ではありませんが、装いの力を地域の魅力につなげることが、岡山のより良い未来をつくると信じて、これからも諸活動に努めていきたいと思います。

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