

「トキオ」デザイナー 木村登喜夫さん 多様な経験を生かす遅咲きの異端児

「トーキョー・ファッション・アワード2025」(主催は東京都と日本ファッション・ウィーク推進機構)の受賞をきっかけに、さらなる成長を目指す「トキオ」。デザイナーの木村登喜夫さんは、25年1月に開催されるパリでの商談会参加を大きなチャンスととらえ、一気に海外進出を狙う。
(大竹清臣)
熱は冷めることなく
木村さんは文化服装学院を卒業後、デザイナーブランド、アパレルのOEM(相手先ブランドによる生産)企業やレザークラフトメーカー、刺繍・プリント加工など数多くの職業を経験し、生産現場ともつながってきた。一時期は飲食店や通販オペレーターなどアパレル以外のアルバイトでしのいだ時期もあった。2年前から活動拠点の千葉県柏市で、自身で仕入れた古着を毎週土日だけ販売中だ。元々は雑居ビルの4階で開催してきたが、1階の飲食店のスペースを間借りしている。「長い間、遠回りしてきたが、ファッションへの熱量が冷めることはなかった」という39歳の遅咲きのデザイナーだ。
トキオは21年に本格始動。パンクをベースに80年代の英国カルチャーを表現するハイストリートブランド。自らつぎはぎを重ねた古着の一点物のようなトライバル調のウェアを得意にしている。16年にも前身となるブランドを立ち上げるも資金不足で休止。19年に自ら作り、手売りするなどの地道な努力を重ねた結果、海外で活躍するブランドとの取り組みが始まるなど手応えが出てきた。その後、「レショップ」や「ユナイテッドアローズ&サンズ」など有力店への卸が決まり始めた。

段階踏む必要はない
同アワードは初めての挑戦で受賞できた。受賞後に開催した自身の展示会では「業界内でのインパクトが大きく、タイミングが良かったこともあり、有力店を含む4件の新規卸先を獲得できた」。現在14件まで広がった。アワードは10年目だが、これまで受賞してきたブランドの中で現在も海外で活躍しているブランドは少なく、厳しい世界だ。それでも「従来のように〝国内で売れてから〟みたいに段階を踏む必要はない。今はフラットに世界とつながれる時代。ビッグトレンドも不在な中、インディーズのブランドでも唯一無二の個性があれば受け入れられる余地はあるはず」と考えている。
クリエイションから営業まで、時にはミシンも踏むなど全てを一人でこなしてきた異端児の木村さんは、これまで寄り道してきた分、今回のチャンスにかける思いは強い。ブランドの知名度を高めるため、著名なスケートシューズブランドとの協業を交渉中だ。「まだまだ無名ブランドなので新型で大ロットは難しく、インラインの型にオリジナルの付属を付ける」など協業企画にも工夫を凝らす。フットワークは軽く、異業種のスポンサー探しにも走り回る。パリでの商談はもちろん、25年3月に予定されている楽天ファッション・ウィーク東京の凱旋(がいせん)イベントの準備にも全力を尽くす。
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