アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第12話が放送

<チ。>感動を守るため死地に向かうオクジー、洗礼シーンに集まった悲痛な声「こんな悲しい祝福…涙出る」「次で第2章決着? 見るのが怖い」

2024.12.17 11:06
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第12話が放送

アニメ「チ。―地球の運動について―」(毎週土曜深夜11:45-0:10、NHK総合/Netflix・ABEMAで配信)の第12話「俺は、地動説を信仰してる」が12月14日に放送された。本作は魚豊による同名漫画を原作としたアニメ作品。地動説の可能性を信じ、証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語が描かれていく。異端審問官ノヴァク(CV.津田健次郎)の登場で一気に不穏な空気が支配した前話。不安は的中し、バデーニ(CV.中村悠一)、オクジー(CV.小西克幸)は窮地に陥ってしまう。このとき見せたオクジーの意義深い言動に感嘆が集まった。(以降、ネタバレが含まれます)

“知ること”の感動を覚えたオクジーの目覚ましい成長

第3話で亡くなったラファウのあとを継いで、第4話からの主人公となったオクジー。代闘士という低い身分のため教養はなく、この世で生きることになんの希望も見出せない。加えて星が怖く、空を見られないという、ラファウとは真逆の青年であった。自分で自分の道を決められない性格で、地動説の研究に関わったのも、同僚のグラスに巻き込まれたのが始まりだ。

そんなオクジーが変わる大きなきっかけとなったのは、博学だが独善的な修道士バデーニと、天動説の大家ピャスト伯との出会だった。バデーニを通して知った、大地と天界は調和しているという地動説。これは、早く汚れた大地を離れ、天国に行くことだけを望んでいたオクジーに、この世界への期待と希望を植え付けた。

自身の人生の全てと言えた研究が間違いだったとしても、宇宙の真理を知ろうとしたピャスト伯。そこで行った満ちた金星の観測は、オクジーに「知ること」と真理に触れる感動を与えた。さらに、ヨレンタ(CV.仁見紗綾)が教えてくれた文字が生み出す奇跡。それからのオクジーの成長は人間的にも、知性的にも目覚ましいと言っていいだろう。

今話、オクジーがバデーニと討論するなど今までであれば考えられない出来事であったし、何よりピャスト伯の勇気ある行動を例えに、学術、研究には第三者による反論が必要ではないかと言ったのにはうなずく人も多かったはずだ。

感動を守るため死地に向かうオクジーに行ったバデーニの神の祝福

オクジーが言った、「自らが間違っていることを肯定する姿勢こそが学術とか研究には大切なんじゃないかってことです」という台詞。他者を排除し、意見を聞き入れないのは、学術研究でいう反証可能性を受け入れないということだ。オクジーが指摘したように、間違いを永遠に信じ込む、盲信的な信仰と変わらない。

しかし、それを言ったオクジー自身が「俺は、地動説を信仰してる」と言い切ったのは痺れるシーンだった。幾人もの想いでつながれ、彼らに満足な死を与えた地動説は、オクジーにとってはかけがえのない信仰すべきものになっていたのだ。地動説という“感動”を守るため、地獄に落ちる覚悟で剣を取ったオクジー。第3話での「僕の命に代えてでもこの感動を生き残らせる」と言ったラファウの台詞が蘇るかのようなシーンだった。

視聴者からは、「オクジー君がバデーニに説いた『信仰』と『研究』の違い。素晴らしい」「天国に行きたがっていたオクジーくんの魂の成長が素晴らしくて…」「人が本気で何かと向き合った時にだけ得られるものと命を賭しても守りたい信念とは何かを見た気がする」など、彼を讃えるさまざまな声が集まる。

また、結局バデーニが考えを改めることはなかったが、これは過去、親友に共同研究の成果を盗まれたトラウマがあるからだろう。それでもオクジーを捨て駒とせず、死地に向かう彼に神の祝福を与えたのは同志として認めていたからだろう。このシーンは感動的でありながら悲痛な感情を覚えさせるもので、「オクジー君を死なせたくないというバデーニさんの気持ちが伝わってきた洗礼シーン。胸が痛い」「オクジーくん、死なないで…こんな悲しい祝福…涙出る」など多くの感想が寄せられていた。

オクジーとノヴァクの対峙で終わった第12話。3人を瞬殺したオクジーを見ても余裕を崩さないノヴァクに、代闘士として鍛えたオクジーの剣は通用するのだろうか。また、バデーニは無事逃げ延びることができるのか。バデーニが教会の誰に宛てて手紙を書こうとしていたのかも気になるところだ。放送後のSNSには、「この状況でネックレスと研究資料はどう継承されるっていうの?」「次で第2章決着?見るのが怖い」「本当に面白い作品。耐えがたくとも目が離せない」などのコメントが相次いでいる。

◆文=鈴木康道

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