【入社半年経って、今は?】「デサントコクーンシティ」高濱優成さん 失敗も糧、貪欲に成長求める

2024.11.15 00:00
提供:繊研plus

失敗の数だけ成長できる。いち早く実践を積んで独り立ちしている新入社員の活躍が目立ってきた。入社から半年ほど経ち、24年度の新入社員に仕事のやりがいと今の心境を聞いた。

芽生える責任感、夢は店長

4月から直営店「デサントコクーンシティ」で販売員として働く高濱優成さん。業務に対する前向きな姿勢からぐんぐん成長し、「既に接客レベルは2、3年目の社員と遜色ないレベル」(エリアマネージャー)と評価される。入社後半年が経ち、自身でも「店舗を代表する一人として、責任感を持つようになった」と話す。

主な業務は接客販売。平日は一日10人前後、休日や繁忙期は同20人前後を接客する。対応するのは自分より年上の40代男性が中心。

頼られる喜び

「デサント」ブランドは、高機能で高単価品が多い。例えばプレミアムカテゴリー、オルテラインの売れ筋「水沢ダウン」の「マウンテニア」は税込み13万2000円、人気上昇中のシェルジャケット「クレアス」なら5万5000円という価格設定だ。だからこそ接客では、着こなしの提案やサイズ合わせだけでなく、機能に関する分かりやすい説明が求められる。ベースとなる商品知識は不可欠で、その習得はデサントの販売員には必須となる。

高濱さんも配属当初は、製品と素材に関する学習を繰り返した。空いた時間はブランドアプリの説明文を読み込み、店内で売れている商品の値段を覚え、聞かれたらすぐに答えられるようにした。水沢ダウンなど、認知度がある高単価品は、客のほうが詳しい時もある。先輩スタッフとロールプレイングを重ね、接客技術を磨いた。

初めて上下5万円のセットアップを売った時の感動は忘れられない。必死で覚えた製品の機能を焦らず紹介し、買ってもらえた。「丁寧に説明してくれてありがとう」。客が最後にそう言って店から出て行ったときはうれしくて、店長と思わずハイタッチした。

21年4月に開業した「デサントコクーンシティ」店
店の代表を自覚

高濱さんの長所は、明るさと会話のうまさ。初対面の人ともすぐに親しくなれて、「相手の懐に入り込んで、可愛がられやすい」(社内関係者)と評判だ。

彼のもう一つの武器がコーディネート力。専門学生時代に取得した「色彩検定」の資格知識をもとに、「どんな色の組み合わせならまとまりが良いか、迷いなく提案できる」という。

色へのこだわりは販促にも生きる。公式アプリ「クラブデサント」ではショップスタッフによるコーディネート例を掲載しており、コクーンシティ店では高濱さんが投稿業務を担う。ある時、「もっとお客様の目にとまるように」と、同店で働く6人のスタッフ全員が同じウェアの同色を着て、同時刻にアップする案をひらめいた。画面上に横一列で同色の画像が並ぶと目立ち、PV数が急増。顧客や他店スタッフから反響が寄せられた。

失敗もある。修理依頼を受け、修繕完了の時期を尋ねる電話が来た時のこと。「以前もお伝えしたと思いますが…」と言ったことが、不快に思われ、クレームにつながったのだ。問い合わせてくるのは、手元に戻ってくるのが待ち遠しいから。「もっと親身に、声のトーンにも気を付けて、丁寧に説明すべきでした」と振り返る。高濱さんはその件を反省し、電話対応のロープレを繰り返している。

こうした努力が認められ、最近では他店へ派遣されることも増えてきた。「行くからには、自分がコクーンシティ店を代表している気持ちで臨み」、何かしらの結果や学びを持ち帰るようにしている。9月25日~10月1日に阪急メンズ東京での期間限定店では、派遣スタッフの中で一番の販売実績を残した。

夢は店長。憧れは、全国の様々な店舗で働き、知識と経験が豊富な今の店長だ。いつか自分もそんな存在に――。誰よりも貪欲(どんよく)に成長を追い求める。

(繊研新聞本紙24年11月15日付)

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