行かないと損!韓国で40万人が見た写真展が日本上陸!その人気の秘密とは?

2024.10.28 17:05

韓国で40万人を動員し話題となったスペイン人写真家・YOSIGO(ヨシゴ)の写真展『YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-』が日本に上陸。渋谷駅からすぐの商業施設「東急プラザ渋谷」で12月26日(木)まで開催中の本企画展が今人気を集めています。なぜその写真に多くの人が引き込まれるのでしょう。編集部スタッフが実際に足を運び、主催者の方にもお話を伺いながら回ってきました。

韓国で大人気となった写真家の「旅」をテーマにした写真展

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東急プラザ渋谷3階特設イベントスペースで開催されている『YOSIGO 写真展 Holiday Memories -旅の瞬間-』は、韓国で大人気となったスペイン人写真家・YOSIGO氏(ヨシゴ、以下敬称略)の写真展をトレースして日本に持ち込んだもの。アートポスターのような印象的な写真が展示された会場内は、すべて撮影OK。お気に入りの写真や展示スペースを見つけて写真や動画を撮り、SNSに投稿して楽しむ人もいます。写真家・YOSIGOとは?
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photo:YOSIGO 写真展 実行委員会・GROUNDSEESAW
YOSIGOは、スペイン・バスク地方出身の写真家です。本名はホセ・ハビエル・セラーノ、アーティスト名は父から贈られた詩のなかから’Yo sigo’(進み続けること)の言葉を引用したものだそう。
現在はバルセロナ近郊を拠点とし、コマーシャルフォトグラファーとして活躍。世界的なウィスキーブランドのジャックダニエルや、ナッツスプレッドのヌテラなどのビジュアルを幅広く手掛けています。

そんな彼の個展が母国スペインではなく韓国で行われたのは、国内に複数のギャラリーを持つ展示企画制作会社・GROUNDSEESAWが、コマーシャル用とは別の写真に注目して企画したことが始まり。
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photo:YOSIGO 写真展 実行委員会・GROUNDSEESAW
2021年に開かれた韓国での個展は、ちょうどコロナ禍で遠出が難しい時期、旅を感じられるようにと「ツーリズムとレジャー」をテーマにしていました。彼が訪れた世界各地の写真は多くの人を虜にし、40万人を動員して2度も延長されるほどに。2023年にアンコールで再度開催されると、来場者は合計で60万人を超えました。その展示が、日本にやってきたのです。

フォトジェニックな仕掛けがたくさん。色彩と構図の表現に驚きのある展示

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YOSIGOの写真の特徴は「幾何学的な構図」と「豊かな色彩」です。
もとはグラフィックデザインから写真の道へ進んだYOSIGOは、均衡が取れた幾何学的な要素に関心が高く、建築や風景を、不思議なフレームやパターンが浮かび上がるように切り取ります。
また、それが光と調和する瞬間も重視。被写体を求める色味で撮影するために、ちょうどよい光が当たる時間帯を見極めようと、何時間もその場に滞在することも少なくないそうです。
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photo:YOSIGO 写真展 実行委員会・GROUNDSEESAW
今回の展示では、YOSIGOが世界各地を巡り撮影した写真が、そのフォトジェニックさが映えるようなセットで展示されています。なかには壁一面が大きな写真一枚になっていたり、現地の環境を再現したようなセットもあったりと、写真のなかの世界に入り込めるような仕掛けも(写真は韓国の会場のセットです)。
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全部で200点ほどある写真は、大きく下記3つのテーマに分けられています。
・建築
・YOSIGOが訪れた旅先(アメリカ、ブダペスト、ドバイ、日本)
・海辺とスペイン北部地域の観光地

それぞれの見どころをご紹介していきます。

切り取り方と質感がユニークな「建築」

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最初の「建築」は、YOSIGOの独特の幾何学的な要素や色彩が明確に感じられるテーマです。スペインやアメリカ、日本など、各地でもとからそこにある建造物を撮影しているのに、計算して作り上げたセットを撮ったのではないかと思ってしまうほど。
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特徴のある建築を撮っている場合もありますが、ビルの窓が一定間隔で並ぶ様子やベランダの凹凸、それらを見上げたときの階層など、普段私たちも目にしているはずのものがとても美しく、新鮮に感じられます。
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また、その色合いは鮮やかで、光と影のコントラストがくっきりと現れています。まるで絵具を使って手で描いたかのような温かな質感が見てとれることも、実物を前にするからこそ感じられる点です。
こうした色合いやタッチは、スティーブン・ショアをはじめとした「ニューカラー世代」と呼ばれる70年代の写真家や、スペイン人画家、ホアキン・ソローリャの作品から影響を受けたものなのだそう。

それぞれの国の空気を閉じ込めたような「旅先」

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続いては、この展示全体のテーマとも言える「旅先」です。
YOSIGOは、おもしろいことが起こりそうだという直感と、記録したいものがあるはずだという確信によって旅先を決めるのだとか。ただし、場所と撮影したい建築物をリストアップしていても、いつも計画通りにはいかないそう。思いがけない出会いがあることで、頭で思い描いたのとは違う写真を持ち帰ることができると言います。
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この展示では、スパを撮りたいと向かったブダペストのほか、出身地のスペインとは大きく異なり、建築にもアイデンティティがあると感じていたというアメリカ、ドバイ、日本の写真が並びます。

ブダペストでは、まるで中世にタイムスリップしたかのような伝統的な建築のなかのスパで、カラフルな水着を着た人たちがくつろぐ様子が印象的。現地では本人の許可なしに撮影することは禁じられていて、警察官からの質問を何度も受けたといったエピソードも綴られています。
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ドバイの展示では、まるでその砂漠に足を踏み入れたかのような会場のセットも、旅のワクワク感を与えてくれます。

日本の写真は、夜に撮影された人や街の一角がメイン。雨に濡れた窓や、室内から光がこぼれる家屋など、身近にあるものがYOSIGOならではの視点で捉えられています。

それぞれの地域の温度や空気を感じるような濃密な展示を、ぜひ体感してみてください。

海の色の無限さを感じる「海辺や観光地」

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3つめのテーマ「海辺とスペイン北部地域の観光地」では、それまでと印象ががらりと変わり、多くが淡い色で構成された明るいビーチの写真が集合。「青」の一言では表現できないシルバーやグリーンに輝く海の色と透明感あふれる水しぶき、そこで楽しむ人たち一人ひとりのチャーミングな仕草に魅了されます。
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また、ここでも浜辺から海を見るかたちではなく、海と浜辺で半々になったような独特の構図が見られ、そこで楽しむ人たちの様子がまぶしく感じられます。どうやって撮影したのかは、展示会場の解説や公式Instagramの投稿でも明らかにされていますよ。

YOSIGOの原点とも言える生まれ故郷で、長年撮影し続けているスペインのサン・セバスチャンのラ・コンチャ海岸の写真も、ぜひ会場で確認してみてください。

こんな光景を見つけて写真に残したい!と思ったら

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さまざまな建築や景色の写真を見ていると、こうした美しい場所や瞬間を見つけに出かけたくなってくるはず。同じように、写真を撮ってみたいという人もいるでしょう。

この展示と図録の販売に向けたインタビューで、YOSIGOは常に自然光を活用していると話しています。
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「ありきたりに見えていた建築物も、刻一刻と変化する光の角度によって、ある瞬間、魔法のような姿を見せてくれる。」「光がいつ、どのように対象物を照らすかをあらかじめ予想します。ほとんどの場合、準備しても失敗してしまいます。しかし、このような過程があってこそ、頭の中に描くイメージを収められる瞬間が訪れるのです。」

独特の色味も、カメラの機能や加工だけに頼るのではありません。「写真撮影において最も重要な作業は被写体を選ぶことです。風景と色を完成させるのは編集ではなく、被写体と光の調和です。」
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写真を撮りたい方たちにヒントになる言葉も。
「カメラの設定の前に、そのカメラがどのように色を再現するのかまず理解し、それから露出や焦点などを調節しながら自分だけの設定を作りましょう。設定は料理と同じ。おいしい料理を作るためには、レシピをたくさん知っていることより、1千回作っても同じ味を再現することが大切なのです。」

アーティスティックなグッズも楽しんで

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入場者には、今回の展示の象徴といえる海の写真をくり抜いたような紙のフレームが配られます。好きな写真を見つけたら、フレームで切り取りながら撮影して楽しめます。
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会場の最後にあるグッズ販売コーナーも充実。韓国で販売されていたものと、日本オリジナルのものが並んでおり、ポスターやポストカードブックのほか、コースターやマグネットなど、日常で使えるアイテムが揃います。
また、このコーナーの一角には、写真展のアンバサダーを務める加藤シゲアキさんが、今回の展示からインスピレーションを受けて撮影された写真も掲示。ファンの方だけではなくカメラ好きな方にも、きっと刺激になります。

アクセスのよい東急プラザ渋谷で、カジュアルにアート体験を

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私たちが訪れたときは、ラッキーなことにYOSIGOの在廊のタイミング。「気に入ってくれた?」と気さくに声をかけてくれました。頻繁に日本を訪れており、展示期間中には彼も参加するイベントも計画されているそうです。
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会場を出た後には、YOSIGOのように素敵なものを見つけて写真に残してみたいと思う方も多いはず。普段はついスマートフォンや足元を見て歩きがちでも、ちょっと見上げれば、身近な建物や風景がおもしろい表情を見せている瞬間に気付けるかもしれません。

写真展はゆっくり見ても1時間ほどで回ることができ、東急プラザ渋谷周辺でのショッピングの合間に気楽に立ち寄ることができます。
展示期間は12月26日(木)まで。ぜひチェックして、旅の高揚を感じる写真の世界を楽しんでみませんか。

入場料
【当日】一般:2,000円 高校生以下:1,700円
【前売】一般:1,800円 高校生以下:1,500円
※未就学児無料
※入場特典つき
※前売券の販売期間は12月26日(木)19:29まで

writer / Sheage編集部 photo / Sheage編集部

※記事の内容(本文・画像など)に関しては、許諾を得て掲載しております。

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