伊藤忠商事繊維カンパニー 安定的基盤づくりの仕上げへ、商品力強化で価値を高める
伊藤忠商事繊維カンパニーの武内秀人執行役員繊維カンパニープレジデントは東京本社で開いた会見で、「今期(25年3月期)は、連結純利益300億円を安定的に稼ぐ基盤づくりに向けた仕上げの年度にする。この施策の〝1丁目1番地〟は商品力強化だ。基本方針はコロコロ変えるものではない。今期は純利益330億円に再度挑戦する」と強調した。
今期も「重点分野の強化」「部門間横断連携の強化」「サステイナブルビジネスの収益化」を継続する。これまでのスポーツ、シューズ、中高級品ブランドに、今期からカジュアルを重点分野に加える。中国でスポーツOEM(相手先ブランドによる生産)を手掛ける伊藤忠繊維貿易中国(ITS)は、アディダスグローバルやフィラチャイナなどで培った物作りのノウハウを活用し、日本市場の顧客ニーズに応える〝伊藤忠企画〟の新規アイテム群を「アンダーアーマー」などで拡充し、市場に投入する。「コンバース」は外部人材を採用して、商品力の強化を図る。
カジュアル分野は「エドウイン」「グラミチ」「アウトドアプロダクツ」など商標を所有するブランドの戦略を強化する。エドウインは従来の卸販売中心から、阪急メンズ東京の期間限定店や、エドウイン東京原宿によるコンセプトショップ施策に注力する。アウトドアプロダクツは、ベイクルーズとの取り組みを開始し、3月に東京・中目黒に直営店を開設した。これら3ブランドは「日本市場と併せてアジアでの市場拡大を推進する。日本からアジアへの架け橋としてのカジュアル分野強化を行う」方針だ。
全社では、「利は川下にあり」「投資なくして成長なし」とし、24年度だけで1兆円を上限にした投資を進める。繊維カンパニーは「いたずらにM&A(企業の合併・買収)を追いかけない。既存の優れた事業会社やブランドをブラッシュアップして、オーガニックグロース(既存事業を生かした自律的な収益の拡大)に力を注ぐ」とする。
繊維カンパニーの前期業績は「業績確認が可能な01年以降で初の全事業会社が黒字を達成した。安定的な基盤づくりを着実に進めることができた」。その結果純利益(IFRSベース)で前年と比べ15億円増の270億円となった。特にOEM事業関連のロイネ、三景、ユニコ、伊藤忠モードパルが好調に推移。「コロナ禍明けでアパレル各社がアクセルを踏み込み、この流れに乗ることができた。特にロイネは利益倍増となった」。
一方、小売り・アパレル系事業会社については「見劣りする業績となった。ここに伸び代がある」と総括して、安定的な収益基盤づくりをポイントの一つに挙げる。
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