

知ってた? 「固定観念」と「固定概念」の違い
「固定観念」と「固定概念」は「凝り固まった考え」という意味で使われており、ジェンダーなどの議論が盛んになった今日、耳にする機会も増えてきました。どちらの言葉もよく使われているようですが、意味はどう違うのでしょうか。
この記事では「固定観念」と「固定概念」という言葉のあいまいな部分を明確にした上で、その意味やビジネスシーンでの正しい使い方について解説していきます。
■「固定観念」と「固定概念」の違いとは
「固定観念」と「固定概念」の決定的な違いは、日本語としての正確性です。どちらも正しいように思えますが、実は「固定概念」という言葉は辞書に載っていません。
それではなぜ「固定概念」という言葉が存在しているのかというと、これは「固定観念」の誤用と考えられています。音の響きが似ていることから、「固定概念」という誤用がだんだん広まってしまったのかもしれません。
「固定概念」と言われた場合、多くは「固定観念」のことを言っているのだろうと判断できます。相手が使っている言葉をわざわざ直す必要はありませんが、自分で使うのはやめておきましょう。
◇「固定観念」の意味
混同されがちな「固定観念」と「固定概念」ですが、日本語として正しいのは「固定観念」ということが分かりました。
それでは言葉の意味を深く知るため、「固定観念」の意味をチェックしてみましょう。
こてい‐かんねん〔‐クワンネン〕【固定観念】
読み方:こていかんねん
いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束するような考え。固着観念。
出典:(『デジタル大辞泉』小学館)
「固定観念」とは、いつも頭の中を占めている頑固な考えを意味します。「ステレオタイプ」と言い換えると分かりやすいかもしれません。
考えが凝り固まっていて周囲の意見に耳を貸せない、といったネガティブな状態を指す言葉として使われる場合が多いです。
常に情報のアップデートが求められるビジネスシーンにおいて、「固定観念」は仕事の妨げになるともいえます。古い考えを捨て、新しい考えに至るためには捨てなければならないものと位置づけられるでしょう。
■「固定観念」の使い方(例文付)
「固定観念」という言葉は、自分や相手の中にある凝り固まった考えや思考を指す言葉です。日常生活だけでなく、ビジネスシーンでも用いられます。
例えば、「考えにとりつかれている」といった意味で、「固定観念にとらわれる」や「固定観念が強い」などの使い方ができます。
ネガティブなニュアンスを含むケースがほとんどですが、「固定観念を捨てる」「固定観念を覆す」など、ポジティブな意味で使われる時もあるので覚えておきましょう。
◇例文
*
・「彼は固定観念にとらわれている」
・「固定観念を覆さない限り、新たな顧客層を獲得できないだろう」
・「新しいアイデアを得るためには、固定観念を捨てるべきだ」
・「今までの固定観念を覆した独創的な作品だ」
*
■「固定観念」の類語・言い換え表現
ここからは、「固定観念」の類義語について確認していきましょう。考え方の強さ・ネガティブな度合いによって、他の言葉で表現することができます。
ビジネスシーンではそれぞれの段階にふさわしい言葉遣いが求められるため、併せて覚えておきましょう。
◇(1)「先入観」
「先入観」も、「固定観念」と似た意味を持つ言葉です。「先入観」は自身の生活やメディアなどを通じて知識を得るうちに作られるものですが、それが固定化したものが「固定観念」と呼ばれています。
「あの上司は怖いという先入観があったが、実際は良い方だった」など、違う情報が入ってくれば変わる余地があるような状態を指す場合に「先入観」を使うと良いでしょう。
◇(2)「バイアス」
「バイアス」は「先入観」や「傾向」などを意味する英単語「bias」が由来となったカタカナ語です。「固定観念」のように、思い込みが固定化されている状態を指します。
「確証バイアス」や「認知バイアス」のように、心理学用語として用いられる場合もありますよ。
参考記事はこちら▼
バイアスの意味とは? 場面別の正しい使い方と例文
「バイアス」の意味や場面別の適切な使い方について例文つきで詳しく解説します。
参考記事はこちら▼
【心理学】認知バイアスとは? 事例や種類一覧、対策を紹介
心理カウンセラーの高見綾さんに、認知バイアスの意味や種類、上手な付き合い方を解説してもらいます。
◇(3)「偏見」
「偏見」も「固定概念」と同じような意味ですが、「かたよった見方」「非好意的な」という意味があり、これまで挙げた言葉の中で特にネガティブな印象が強い言葉です。
「人種に対する偏見」など、単なる思い込みでは済まされず、是正されることが強く求められるようなケースで使いましょう。
□「固定概念」は誤用なので注意
今回は、「固定観念」「固定概念」という言葉の意味について解説しました。実は「固定概念」という言葉は誤用であり、正しくは「固定観念」であることがお分かりいただけたでしょうか。
さらに、「観念」自体は個人が自由に持っているものですが、「固定観念」と呼ばれるようになると、周りの様子を把握していない、人の意見を聞かないなど、ネガティブな意味で使われることがほとんどです。
とはいえ、「固定観念を覆したサービス」のように、ポジティブな表現もできます。自分が言葉の対象になるのなら、プラスの意味で使ってもらえるような働きができるよう努めましょう。
(にほんご倶楽部)
※画像はイメージです
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