

<ズートピア+>名作映画のオマージュも…ユーモア&ウィットに富んだ短編シリーズで心ぽかぽか

「ベスト・オブ・動物アニメのひとつ」との声も高い大ヒットアニメ映画「ズートピア」(2016年)から、もう6年。その続編といえる「ズートピア+」が11月9日に配信開始。再び動物たちが人間のように暮らす楽園<ズートピア>が舞台となる本作は、ウサギの新米警官ジュディとキツネの詐欺師ニックが楽園の真実を追い求める“裏側”で起きていた出来事にフォーカスを当て、個性豊かな人気のキャラクターたちが中心に描かれる短編シリーズだ。今作から見始めた人も、すでに映画版に親しんでいる方にも、驚きと発見に包まれるに違いないストーリーが続くはずだ。(以下、ネタバレを含みます)
「自分の殻を破る」ストーリーが展開
映画版は100分を超える尺だったが、今作は各話10分程度で、そのうち約半分はエンドロールに費やされる。あちらが長編アドベンチャーだとすれば、こちらは短編小説あるいは四コマ漫画といえばいいか。大まかなテーマは、「自分の殻を破る」。寝る前にちょっと見るのもいいだろうし、気分を上向きにするために登校前や出勤前にサクッと1話見るのもいいだろう。TikTokが普及し、「前奏やギターソロを飛ばして音楽を聴く人」の話題がネットニュースの題材になったりもして、きっと今は「長いものをゆっくりと」よりは「短いものをより多く」がキャッチーな時代である。今作の所要時間は、そうした空気も反映されてのことだと思うが、物語は性急でもなんでもなく、しっかり描かれて、見る者の心に確かな印象を刻む。
映画「ゴッドファーザー」のオマージュも?
全6話の中で、個人的に興奮させられたのは第4話「花嫁のゴッドファーザー」。裏社会で恐れられているトガリネズミのミスター・ビッグが語る、波乱万丈の半世紀だ。ズートピアに“移民”し、小動物ならではの苦労を味わいつつもやがて覚醒し、現在の地位を築くまでのサクセス・ストーリーが、ハスキーな声と酔ったような口調で語られる。恐らく1970年代の大ヒット映画「ゴッドファーザー」シリーズへのオマージュであろう。一介の小ネズミがミスター・ビッグへと認められていく過程を見ていると、「へこたれずに、信念をもってやりつづけること」の大切さを、あまりにも思い知らされる。
また、第6話「ディナー・ラッシュ」には、「ああ俺も私もこんな経験があった」と共感する人が多いのではないかと思う。仕事が時間との闘いであるということは人間界も動物界も同じであるようだ。主人公はレストランに勤めるカワウソのサム。彼はズートピアの大スターである女性シンガー、ガゼルの大ファンで、運よくチケットを手にすることができた。
しっかり仕事を済ませて、コンサートに間に合うようにしたい。いまのところ流れは快調、しかしそこにミユビナマケモノのカップルがやってきて突如物事がスローテンポになる。是が非でも時間通りにコンサートに行きたいサムの心は一気に乱れだすのだが、このあとに実に心がぽかぽかになるオチが、しかも二段に展開する形で待っている。イライラで物事が解決しないことを、人間以上に動物たちは知っている。
他にも「ジュディと共にうっかりズートピア行きの列車に乗ってしまった末娘を必死に追い掛けるジュディの両親の話」「イイズナのデュークが大活躍するミュージカル」「ガゼルのバックダンサーに応募するクロウハウザーとボゴ署長のドタバタ」など、興味深いエピソードがズラリ。
ネズミたちが大活躍する第2話に出てくる「Macy’s」風巨大デパートの名前が「Mousy’s」になっているところも、アメリカ人のダジャレ精神そのものだろう。いずれも映画版「ズートピア」で描かれた物語の、ユーモアとウィットに富んだアザー・ストーリーズで、この楽しさを分かち合うため誰かと無限に話し合いたくなる。
なお、「ズートピア+」はディズニープラスで独占配信中。
◆文=原田和典
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