岡山・児島発の「ダンジョデニム」 型にはまらないGジャンをEC販売
ジーンズの聖地に移住してブランドをスタート――「ダンジョデニム」は関東出身の福川太郎さんが、ジーンズ産地として世界的に知られる岡山県倉敷市の児島に移住し、17年8月に立ち上げたブランドだ。Gジャンを軸に、ECで個性的な提案を繰り出し、21年には店舗兼工房の開設を目指している。
(小畔能貴)
「Gジャンが昔から大好き」という福川さんは、大学を卒業して電機メーカーに就職した後、音楽活動を志した。ミュージシャンに専念していた頃、大好きなデニムアイテムを身に着けて児島を目指して歩くというミュージックビデオを制作。児島でジーンズ縫製の実践講座があることを知り、「ジーンズの作り方を学びたい」と約1年後に受講した。倉敷市児島産業振興センターに若手の起業支援をする空間「デザイナーズインキュベーション」があることもわかって、児島への移住を決めた。
移住してすぐに立ち上げたダンジョデニムは、Gジャンがメインアイテム。「型にはまったデザインの多いGジャンに、もっと違うデザインを」と、襟をスタンドカラーにしたり、スリムなシルエットにするなど、独自の企画を打ち出している。
「デニムアイテムはトップになると工賃が上がり、季節性にも左右されやすい」。「こうしたすき間アイテムで勝負すれば、後発でも大手ブランドと戦いやすいのでは」とも考えた。
代表商品の一つがハイネックデニムジャケット。すっきりと見えるようにスタンドカラーの襟と身頃とをシンプルにまとめ、胸元のポケットは片玉縁ポケットで仕上げるなどの工夫を盛り込んだ。ブランドロゴに使用している商品シルエットは、この商品がもとになっている。
ほかにコートやベスト、ワイドパンツなどもある。サイズは3サイズ展開が基本で、袖丈や裏ポケットの追加などのセミオーダー対応もしている。どれもパターンや縫製まで自分で手掛けている。
ECは1点売れれば100円ずつ値上げしていくユニークな価格設定方法も採用している。ハイネックデニムジャケットは1万円からスタートし、20年12月20日時点で1万9700円。「いきなり目標価格で提案してもブランド知名度がなければなかなか買ってもらえない」ことと、「単純に面白く、売れるごとにパーツのクオリティーを上げるなどデザインのアップデートもしていける」ことから、こうした方法にした。同月からは宅配試着サービスも試験導入している。
現在はデザイナーズインキュベーションを利用し、企画や物作りをはじめとしたビジネスをしているが、今後は児島に店舗兼工房を開設する予定がある。21年夏ごろに古民家を改装したスペースを活用する形で計画しており、次の段階に踏み出す。
福川さんは、19年から児島で縫製業に携わる人たちと縫製バラエティー「縫製ばぁ」のユーチューブ動画配信も継続している。縫製を広く知ってもらうことが目的で、ミュージシャンとしての経験も生かして編集や企画をしている。チャンネル登録者数は2万8000人以上に増えた。ブランドを直接アピールはしていないが、これをきっかけにダンジョブランドを知って注文してくれた人もいる。
(繊研新聞本紙21年1月6日付)
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