

お手本となる人がいない問題の解決法
定年を65歳とすると、社会人生活は40~45年程度になります。え、長すぎない? こわっ! と今計算して震えています。
昨今、女性の働き方は猛スピードで変化しています。前述したように、40年以上も仕事をする可能性があるけれど、そもそも5年先、10年先の未来に向けてどうキャリアを積むべきか、どう仕事と向き合うべきかさえ悩んでしまいますよね。
社会が少しずつ共働き前提にシフトしていているとはいえ、まだまだ女性は結婚・妊娠・出産といったイベントでキャリアに影響を受けやすく、そういった側面からもロールモデルを求める傾向が強いのです。
■ロールモデルの意味とは
厚生労働省が行っているポジティブ・アクション展開事業 の中で『女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル(平成24年度 厚生労働省委託事業) 』という資料がまとめられています。
本資料の中では、ロールモデルを以下のように定義しています。
「ロールモデルとは、社員が目指したいと思う模範となる存在であり、そのスキルや具体的な行動を学んだり模倣したりする対象となる人材です」。
すっごく雑に要約すると「自分もこうなりたいと思える人」ということです。
■ロールモデルが必要な理由
特に女性にとって必要とされている「ロールモデル」ですが、そもそも何で必要なんだっけ? というところを深掘りしてみましょう。
◇(1)自分の「こうなりたい」が分かる
想像上の「こうなりたい」と、現実にいるリアルな「こうなりたい」では具体性が全然違います。実際に一緒に働いていれば、その人の言動をまねすることができますし、「どうすればいいか?」を直接聞くこともできます。
ロールモデルは、「こうなりたい」を実現するために自分が何をすべきか、何が足りないのかを理解し、アクションプランに落とせる点が大きなメリットです。
◇(2)理想へ早く到達できる
「どうすればいいのか」「どんなふうになればいいのか」と目標や方向性が定まらず悩む時間をショートカットできる分、「こうなりたい」に向けての研鑽時間が長く取れます。つまり、思い描く理想へ早く到達でき、「なりたい姿」のさらに先を目指すことができるのです。
◇(3)キャリアプランを具体化できる
ロールモデルがいると、自分がいつ頃までにどんな能力を身に付けるべきか? ということが分かり、キャリアプランを描きやすくなります。
どのタイミングでどの役職に就けばいいか? そのためには逆算してどう行動すればよいか? など計画化しやすい点がメリットです。
◇(4)ライフイベントによる影響度を想像しやすい
女性のキャリア上、結婚・出産・育児などのライフイベントは切っても切り離せないもの。さまざまな局面で、ロールモデルがいることでそれぞれをどう乗り越えていくのか? が理解しやすいです。
また、先人がいることで会社全体の制度や理解が底上げされていることもあります。
◇(5)迷うことが少なくなる
「どうなったらいいのか」と悩むことは誰にでもあります。その時に、やはり身近にロールモデルがいるといないとでは、悩みから抜け出せるスピードが違います。
また、近くにロールモデルがいると、無意識に影響を受けることで行動や振る舞いをトレースでき、自身の成長が促されることもあります。
■「ロールモデルがいない」を打破するたった1つの方法
前述した通り、ロールモデルがいることはとても良いことだといえます。ただ、「ロールモデルがいない」というのも、女性のキャリア相談で非常に多く挙げられます。
先の厚生労働省の調査でも、社会構造から職種や業種によって女性比率に偏りがあり、そもそも少ない女性社員の中からロールモデルを探すのは難しいということも語られています。
実際、私が働いている業界もそもそも女性社員が少なく、新卒で入社した会社では100人程度いる部署の中に、入社5年目までの若手女性社員は数名しかいないという事態でした。
今でこそある程度のキャリアを自分で考えることができますが、若手でかつ周囲に女性が全くいないと「今後どうやっていけばいいのだろう?」という漠然とした不安が、実際に発生しました。そんな人は多いでしょう。
じゃあ、どうすれば良いのか? ずっと「理想のロールモデル」という青い鳥を探し求め、社外を含め人脈を広げることで最適な「型」を見つける旅に出るのか。それは、ちょっと現実的じゃありません。
そこで、私がおすすめするのは「1人の理想形を追い求めず、良いとこ取りでロールモデルを作ってしまう」という方法です。
というのも、先にも述べたように働き方の感覚や常識はすごいスピードで変化しており、20代・30代・40代・50代で全く違うといっても過言ではないからです。
特に40代以上の女性は、女性の社会進出のために我々の想像よりハードに戦ってきた世代のため、「破水しながらも働きました!」などの「まねできないんだけど!?」的なエピソードが飛び出すことも少なくありません。
なので、「まねできそうなところ」「かっこいいと思うところ」「こんなところがすてき」という部分を多くの人から少しずつ集めて、自分が目指すロールモデルを作っていく方が現実的です。そして、それは別に女性じゃなくても良いのです。
例えば「子どもが熱を出した時に、リモート対応で在宅勤務する」という男性上司がいたら「こうなりたいな」と思うのではないでしょうか。この行動には男女関係ありませんよね。
もちろん、生理を含めた女性のヘルスケア問題や体力の話はあるので、同性のロールモデルが欲しい気持ちは分かります。ただ、ここで重要なのは「単一モデルである必要が無い」というコツを知っているだけで、理想像の幅がぐーんと広がるということです。
ロールモデルは変わっていく。だから「理想」を求め過ぎずに
女性のキャリアも社会進出もまだまだ「完了」からはほど遠い場所にいます。社会の中の働く女性が相対的に「少数派」な以上、それぞれの場所で女性のロールモデルが欲しいという思いを抱く人は多いでしょうし、それを否定するつもりは全くありません。私も散々悩んできたので。
しかし、あまりにも「理想」や「誰か」を追い求め過ぎてしまうのは問題です。具体的な理想像があることでプラスに働くことも多いですが、「誰か」はあなたではないので、どこかしらで「自分だけのライフプランとキャリアプラン」を構築しなくてはなりません
迷った時に相談し、指針にする先輩がいると心強いし、ロールモデルはいるに越したことはありません。でも、「利用する」というずる賢いスタンスで、自分の道を切り開くことも忘れないでくださいね。
(ぱぴこ)
※画像はイメージです
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