舞台俳優として活動するレイヤー、「自分じゃないものになりたかった」コスプレに支えられた思春期
15周年という節目を迎えた「ニコニコ超会議2026」が、4月25日と26日の2日間にわたって千葉・幕張メッセで開催。幕張メッセ全館を使用しての開催は2年ぶりとなり、両日ともに天候にも恵まれた会場には、昨年の13万2657人を上回る13万8228人が来場。例年以上の熱気に包まれた。「ENTAME next」では、会場で注目を集めたコスプレイヤーの撮り下ろしスナップを直撃インタビューとともにお届けする!
今回話を伺ったのは、ライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』より長門有希に扮した、九重くくさん。現在は舞台俳優として活動する彼女がこの日身に纏っていたのは、コスプレを始めて初めて購入したという、思い出深い衣装だった。辛かった思春期を支えてくれたという自己表現の原点から、2.5次元舞台という未来の夢まで、その内面に迫った。
――今日は長門有希のコスプレですね。なぜこの衣装にしたのですか?
九重さん 実はこの衣装、私がコスプレを始めた8年前に初めて買ったものなんです。その時に着て以来、ずっとクローゼットの奥にしまっていました。昨日の夜に唐突に「『ニコ超』行こう!」って思い立って、人生初参加しました。私の中では、「『ニコ超』といえば、やっぱり『涼宮ハルヒ』シリーズじゃない?」と思って、ずっとクローゼットの奥にしまっていた衣装の中から、ハルヒの中でも特に好きな長門有希ちゃんを選んで持ってきました。
――ほぼ8年ぶりに袖を通したんですね。当時と比べて、ご自身で成長したなと感じる部分はどこでしょう。
九重さん 圧倒的にメイクですね(笑)。当時は本当にひどくて、今見たら恥ずかしくて目も当てられないくらい。今はキャラクターごとにメイクを考えられるようになったのが、一番の成長だと思います。
――では、普段の活動について教えていただけますか?
九重さん 舞台俳優として、主に舞台に出演したり、TikTokのショートドラマに出させていただいています。コスプレは、アニメや漫画が好きなので、完全に趣味として続けていますね。
――俳優の道に進んだのは、どういったきっかけだったのでしょうか。
九重さん もともと、好きな演出家さんがいて、その方が創る舞台が大好きで。ある時、その演出家さんが公募のオーディションをされると知って、当時はお芝居の経験なんて全くなかったんですけど、思い切って受けに行ってみたんです。そうしたら、合格をいただけて。それがきっかけで、この世界に入りました。
――コスプレの経験が、俳優のお仕事に活きていると感じることはありますか?
九重さん コスプレをやってきたおかげで身についた立ち方や佇まいは、お芝居の現場でも「雰囲気作りがうまいね」と褒めていただくことが多いです。
――そんな九重さんにとって、コスプレとはどんな存在なのでしょうか。
九重さん うーん、哲学的な質問ですね(笑)。でも、私にとっては「自分ではない自分として、存在してもいい場所」……みたいな感じでしょうか。
実は私、学生時代が一番しんどかったんですよね。学校での人間関係がうまくいかなくて、不登校気味になったことで親との関係も悪くなって……。「自分なんていても仕方ない」と思い詰めていた思春期の頃に、コスプレによる自己表現が、自分を保つための術だったんです。
――コスプレが心の支えになっていたんですね。
九重さん そうなんです。「自分じゃないものになりたかった」から始めた、という部分も大きいですね。非日常に憧れてたんだと思います。だから、もし昔の私のように自分のことが嫌いな若い人がいたら、ぜひのめり込んでほしい趣味かもしれないです。
コスプレを通して知り合った大人の方や同世代の子たちのおかげで、「同世代の子がみんな嫌い」ってならずに済んだし、好きなもので繋がれるんだって知ることができました。結果的に、今は自分のことが大好きって言えるようになりました。
――コスプレを続けてきて、特に嬉しかった出来事があれば教えてください。
九重さん 最近あったことなんですが、好きな作品の公式コスプレイヤーのオファーをいただいたんです。結果的にイベント自体がなくなってしまって、その話は実現しなかったんですけどね。でも趣味でずっとやってきたことを認めてくださる方がいるんだな、と思ってすごく嬉しかったです。
――今、コスプレをお仕事にしたいという気持ちはありますか?
九重さん そこまでこだわってはないかな。もちろんお仕事になれば嬉しいですけど、それと同じくらい演劇も大好きなので。
――では、俳優としての今後の目標を教えてください。
九重さん 私はやっぱりアニメや漫画が大好きなので、2.5次元舞台に出演するのが一番の目標です。
――具体的に「この作品に出たい」というのはありますか?
九重さん えーっ、恥ずかしいので言わないでおきます(笑)。でも……そうですね、大好きなゲームの『第五人格』だったり、もちろん『涼宮ハルヒの憂鬱』もずっと昔から大好きな作品なので、もし舞台化されるようなことがあれば、ぜひオファーをお待ちしております!
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