ゾウ使いの資格、雪国の記憶、そして「2次元になりたい」謎多きコスプレイヤー・こまめの半生
どこか儚げで、触れたら壊れてしまいそうな透明感。あらゆる感情を作品へと投影させる独自の哲学を持つ謎多きコスプレイヤー・こまめ。彼女は長野の雪国で育ち、タイで「ゾウ使い」の資格を取得、家ではリクガメと一緒に入浴する……。その唯一無二の魅力は、いかにして形成されたのか。幼少期から現在に至るまで、彼女の心の軌跡を追った。(前後編の前編)
――いきなりですが、こまめさんのプロフィールが個性的すぎると伺いました。
こまめ 長野県の雪国出身で、寒いのが苦手な、こまちゃんことこまめです(笑)。動物が大好きで、ゾウ使いの資格を持っています。
――なぜゾウ使いの資格を?
こまめ 動物が好きすぎて、ふと「ゾウに乗りたいな」って思ったんです(笑)。特に資格がなくてもいいんですけど、せっかくなら面白い資格を取ろうかなって、タイに取りに行きました。日本では使えないので、タイに行けばゾウに乗れる、というだけなんですけど。
――動物愛がすごいですね。たしか、亀と一緒に暮らしているとか。
こまめ はい。ケヅメリクガメを飼っています。一緒に暮らし始めて2年ちょっとですが、これからどんどん大きくなって、最終的には80センチくらいになるらしいです。
――亀との生活は大変じゃないですか?
こまめ 全然です。一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり、日常生活をずっと一緒に過ごしています。お風呂に入れると、亀も気持ちよさそうに目を細めるんですよ(笑)。
――雪国出身とのことですが、どんな子ども時代を過ごしていたのでしょう。
こまめ バスも来ないような山の上に住んでいて、家から小学校まで歩いて40分。いつも一人だったので、近くを流れている川に杏を浮かべて、その杏と一緒に登校していました(笑)。
――まるで漫画の世界ですね。性格はどんな子でしたか?
こまめ 似顔絵を描くのが好きで、文集にクラスメイトの似顔絵を描くタイプでした。クラスの中心だったかは分からないけど、友達と遊ぶのが大好きな元気な子でしたね。
――インドア派かアウトドア派でいうと?
こまめ どっちもです。「1カ月間、家にいろ」って言われても平気。でも、外に出ると決めたら海外まで行っちゃいます(笑)。
――お家ではどんなふうに過ごしているんですか?
こまめ お香を焚いて、リラックスできる空間を作るのが好きです。いい香りを嗅いで、お花を飾って、音楽を聴いて、ゆったり過ごすのが幸せですね。
――そんなこまめさんが、コスプレを始めたキッカケは?
こまめ 学生の頃に、『Re:ゼロから始める異世界生活』のレムとラムのコスプレ画像がSNSで流れてきたんです。それを見て、「私も2次元になりたい!」って強く思いました。
――そこからすぐに?
こまめ いえ。友達に誘われて、初めて「コミケ」に行ったんです。当時は何も分からなかったんですけど、会場には可愛い女の子たちの写真集が並んでいて、外にはコスプレイヤーさんがたくさんいて。自分の知らない世界が広がっていて、すごく衝撃を受けました。「いつか私も、ここでコスプレをしてみたい」って強く憧れましたね。まさか自分が、サークル参加で本を出す側になるなんて、当時は想像もしていませんでした。
――初コミケは、まだ長野に住んでいた頃ですよね。
こまめ 中学生の時です。友達と2人で、長野から夜行バスに乗って行きました。2人とも初コミケで、「よく分からないけど行ってみよう!」って(笑)。
――その頃からアニメや漫画は好きだったんですか?
こまめ 大好きでした。特にボーカロイドが好きで、ずっと初音ミクを聴いていました。「ミクちゃんみたいになりたいな」って思って、今も髪を伸ばしています。
――中学生でコスプレを始めるのは大変だったのでは?
こまめ 最初はレム(『Re:ゼロから始める異世界生活』)の水色のウィッグを買って、毛が落ちないように必死で掃除して、ママに隠れてやっていました(笑)。家で撮った写真をSNSに載せて、いろんな地域の人と仲良くなって、「コミケ」で初めて会う、というのが楽しかったですね。
――衣装代などはどうしていたのでしょう。
こまめ お小遣いと、バイトを始めてからはお給料の全部をコスプレに使っていました。
――ご両親に打ち明けたのは?
こまめ 高校3年生くらいです。ママも、水色の髪の毛が部屋に落ちていることには気づいていたみたいですけど(笑)。でも、「いいじゃん」って、意外とすんなり受け入れてくれました。
――自撮りと、人に撮られるのとでは違いはありましたか?
こまめ 全然違いました。自撮りだと可愛い角度が分かっているけど、初めて人に撮ってもらった写真を見た時に、「え、なんか違う!」って衝撃で。そこから、メイクを本格的に勉強するようになりました。
▽こまめ(Komame)長野県出身。6月12日生まれ。T154、B91・W60・H90。コスプレをキッカケに活動を開始し、現在はポートレートや作品撮り、グラビアなど“自分自身”を被写体にした表現へと軸足を移している。透明感あふれる美肌と、少女のようなあどけないルックスが魅力。泣き顔や弱さといったマイナスな感情も肯定し、写真として残す姿勢を大切にしている。1月23日~25日、「渋谷 Oak Cube」にて写真展『雪肌と、溶ける』を開催する。
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