唯一の光だった天使が町を破壊…少年と天使の“愛を知る”物語に「瞬きすら忘れて読んでしまった」の声【漫画】

2025.07.07 18:10

コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、月刊ドラゴンエイジで連載されていた、馬かのこさんが描く『終末の花嫁様』より第1話をピックアップ。

馬かのこさんが6月3日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、馬かのこさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

崩壊した世界で天使に愛された少年の話

凪坂(なぎさか)という町に住む少年・みちるは、家でも学校でも居場所がないと感じていた。唯一近所に住んでいるお姉さん・ひかりと一緒に居ると明るい気持ちになれた。そしてひかりもまた、みちるを大切に思いみちると結婚したいと考えていた。

みちるは、母親の信仰している宗教の教えから、どんなに学校でいじめられても「いつかきっと天使様が救ってくれるんだ…」と思っていた。ある時いじめられ、倒れているみちるの元にひかりがやってくる。天使がいるのにどうして救ってくれないのか、と泣いていると「天使は…いますよ」と言うひかり。そして“手当て”をするから“お泊り”しないかと誘う。

みちるはひかりの家につくとすぐに寝てしまう。そして、ひかりは「光で世界をいっぱいにしましょう」と自身の力を使う。すると、町は瞬く間に崩壊してしまう。

朝になり、帰宅したひかりは再びみちるに「結婚してください！」とプロポーズ。しかしみちるは目の前の世界が崩壊している異常な状態に驚き、その場から飛び出す。崩壊した建物から瓦礫が落ちそうになったところを、天使の姿となったひかりに助けられ、

「ぼくを町の崩壊から救ってくれたの…？」

と思ったみちる。力尽きて消えてしまいそうなひかりを助けるため口づけをし、今度はみちるからプロポーズするのだった…。

作品を読んだ読者からは、「これは先が気になる」「めっちゃ良かった」「絵が綺麗だ…この滑らかな感じすき」など、反響の声が多く寄せられている。

作者・馬かのこさん「かわいくて少し切ない作品を今後も作っていきたい」

――『終末の花嫁様』は、どのようにして生まれた作品ですか？きっかけや理由などをお教えください。

お姉さんと少年のお話が好きなので、楽しんでいただけそうなシチュエーションを考えました。

――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

難しい題材だったので、リサーチを特に心がけていました。たとえばキャラクターの描き方についても、終末世界が題材の作品をたくさん読んだ上でこの作品に合いそうな表現を考えて、明るすぎず暗すぎず、生き生きとさせることで崩壊した背景とのギャップを作って…といった答えに至りました。他にも天使のことや荒廃した世界のことなど、調べるべきことがたくさんありました。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

1話内の、ひかりさんの2つの『結婚してください！』の台詞とシーンです。

台詞は同じですが、崩壊前と崩壊後で真逆の印象になるよう演出してみました。ひかりさんのいろいろな側面を楽しんでいただけたら嬉しいです。

――普段漫画作品を描かれる際、作品のストーリーやキャラクターなどはどのようなところから着想を得ることが多いですか？

本作のような現代が舞台の作品の場合、キャラクターのアイデアができてきた段階で実在の地域を参考に解像度を上げていったりします。実際にその地を歩いてみると、キャラクターたちがどのように過ごしているのかがよくわかってきます。ただ、地域を大切にされている方々へのリスペクトは忘れないようにしたいです。

『終末の花嫁様』の舞台『凪坂』については長崎市を中心に参考にさせていただきました。気付いて頂いた方々から暖かい言葉をたくさんいただけて、さらに頑張ろうと思いました。

――馬かのこさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

お姉さんと少年の関係を多くの方に楽しんでもらえるような、かわいくて少し切ない作品を今後も作っていきたいです。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

『終末の花嫁様』は6月の物語ということで、今年もみなさまに思い出していただけて嬉しかったです。最近知っていただいた方も、本作は完結済みですので、ぜひ2人の行く末を最後まで見守っていただけましたら嬉しいです！来年の6月も一緒に楽しみましょう。