世界との差に打ちひしがれても立ち上がり続ける…日本人2人目のNBAプレーヤー・渡邊雄太選手の強さに迫る＜NumberTV＞

2025.06.19 19:03

バスケットボール・渡邊雄太選手が、Leminoで6月19日から配信されている「NumberTV」第22話に出演。日本人2人目のNBAプレーヤーとして活躍し、現在はBリーグ・千葉ジェッツふなばしで新たな挑戦を続ける渡邊選手が味わった数々の挫折と復活、その知られざる舞台裏に迫っていく。

トップアスリートたちの“挫折と復活”の物語を紹介

「NumberTV」はドコモの映像配信サービス・Leminoと、数々のアスリートのドラマを伝えてきたスポーツ総合雑誌「Sports Graphic Number」(文藝春秋)との共同プロジェクトによって誕生した、Lemino独占配信のオリジナルドキュメンタリー番組。2024年7月25日から独占無料配信されている。

トップアスリートたちの輝かしい「現在」と、それに至るまでの「挫折」をアスリート本人が語るリアルドキュメントで、さまざまなスポーツジャンルの一流アスリートが登場。それぞれの「挫折と復活」の物語を深く掘り下げていく。

全24回の配信で、福士蒼汰が番組ナビゲーターを担当。クリープハイプの「インタビュー」がテーマソングに起用されている。

NBA5年目のシーズンには開幕ロスター入りを果たす

実業団選手だった父と、日本代表のキャプテンだった母という“バスケ一家”に生まれた渡邊選手。小学1年生のとき、母が指導するスポーツ少年団でバスケットボールを始め、2年生になると「NBA選手になりたい」と口にしていた。毎朝5時から父と厳しい練習を重ね、うまくいかない日は映像を見返して泣いたことも。それでも、バスケットボールをやめたいと思ったことは一度もなかったと話す。

努力の成果は着実に表れ、中学では香川県選抜に選出。身長も3年間で30cm近く伸びていた。だが、全国の強豪校からは声が掛からず、高校進学時に初めての大きな挫折を経験。地元の尽誠学園へ進学した渡邊選手は、恩師や親友に出会い、2年生でウィンターカップ準優勝を果たすなど、飛躍を果たす。

高校卒業後はアメリカに渡り、NCAAディビジョン1のジョージ・ワシントン大学へと進学。しかし、自信を持って世界に挑んだ2016年のオリンピック世界最終予選は全敗に終わり、「世界との差」を痛感。「自分は何もできなかった」と落ち込んでしまう。

それでもNBAへの夢を諦めず、大学では最終学年時にキャプテンを務め、最優秀ディフェンス選手にも選ばれる。NBAドラフトでは指名されなかったものの、メンフィス・グリズリーズと2WAY契約を結び、日本人で2人目となるNBAプレーヤーに。だが、2WAY契約のまま本契約には至らず、フリーエージェントとして2シーズン目の終了を迎える。

その後、トロント・ラプターズとのキャンプ招待契約を獲得するが、そこで渡邊選手を“イップス”が襲う。シュートを打つときに体が思うように動かず、その結果シュートが打てなくなるという状況に、バスケ人生の危機を迎える。

そんな中、プレシーズンマッチで放った1本のシュートが転機に。思わぬところでパスが回ってきた渡邊選手は、思い切ってシュート。チームの勝利に貢献したその一投を機にイップスを乗り越え、2WAY契約をつかむ。さらに、シーズンを通しての堅実なプレーが認められ、ついに念願のNBA本契約を勝ち取った。

ラプターズとの契約期間終了後は、ブルックリン・ネッツとトレーニングキャンプ契約を結び、持ち前の献身的なプレーでチームに貢献した結果、NBA5年目のシーズンの開幕ロスター入りを果たす。ネッツではNBAのトップ選手であるケビン・デュラント選手やカイリー・アービング選手と共にプレー。一時はリーグトップの3P成功率を記録するなど、3Pシュートの精度が飛躍的に向上した渡邊選手は、一気に注目を集める存在に。

その一方で、日本代表としては苦難が続き、2019年のワールドカップでは5戦全敗。「日本に帰るのが恥ずかしい」と漏らしたほどの挫折だったが、2023年には自力で五輪出場権を獲得。「この仲間とずっとバスケをしていたい」と語るなど、代表への思いは強くなっていく。

そして、30歳を迎える2024‐25シーズン、NBAで日本人最長となる6シーズンをプレーした渡邊選手は、フェニックス・サンズから移籍した古巣グリズリーズとの契約を1年残しながらも、新たな挑戦の舞台として日本を選択。その決断の裏には、何度も立ち止まりながらも前を向き続けた渡邊選手の思いがあった。