「奇抜な話だと思ったらラストで感動」ペットのような“ビニール袋”の友情物語に好評の声続出【漫画】

2025.06.17 18:10

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画描きのヒロ・コトブキさんが手がけた『猫だと思ったらビニール袋だった話』に注目しよう。同作は、就活中の主人公と意思を持つビニール袋による触れ合いを描いた作品。以前X(旧Twitter)に投稿されると、4000を超える「いいね」が寄せられている。そこで作者のヒロ・コトブキさんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。

見た目はただのビニール袋なのに、まるでペットのよう？

ある日、道端で猫だと思って近づいたら、ビニール袋だったことに気づく男性。しかし、それは生物として存在するビニール袋(ブクロ)で、男性が去ろうとしても、彼の後を追いかけるのだった。

「ついて来ちゃダメだって」と何度も注意するも、結局、彼のアパートの前までやってきてしまったブクロ。それでも男性は部屋の中に入れられないことを伝えると、ブクロは袋の形を変えて芸を披露し始め…。

読者からは「奇抜な物語だと思ったら、ラストで感動した」「めちゃくちゃ良い話」など好評の声が続出していた。

作者・ヒロ・コトブキさん「いろんなものに姿を見て、そこに命や心を吹き込むことができるということは素敵なこと」

――『猫だと思ったらビニール袋だった話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

理由は特にないのですが、よくある「あるあるなシチュエーション」からそのままドラマが続いたらおもしろいなと思ったのがきっかけです。「なぁんだビニール袋かぁ」というオチを、1コマ目にしたという感じです。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。

袋の取手部分が足になったり手になったりはしますが、表情を持たず、言葉を持たずな部分に注力しました。そこから先はもう読んでくださった方へ丸投げで、それぞれの想像力頼みになっています。「ブクロかわいい」と言ってくださる方は、その方の想像力や心がたくましいんだなと思いました。いろんなものに姿を見て、そこに命や心を吹き込むことができるということは素敵なことですね。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

アパートの廊下を走ってくるシーン、そこからゴミ袋へ突っ込んでいくシーンです。頭にある映画のままに描けたような気がします。主人公の「これくらいのことで悪いことをしたと思ってドキドキしてる」その心も込みでかわいいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

漫画一本で生活できることです。そして生きているうちになるべくたくさんの物語を撒き散らして、何年も(あるいは何百年も)経った先の誰かの笑顔や活力になったなら最高です。

――読者へメッセージをお願いします。

お話を考える時は自分を楽しませるために書いて、それを絵に起こす時は読んでくださる方を想って描いています。会ってもないのに勝手に顔や家族構成や食卓に置かれた調味料や玄関の土間のタイルの色なんかを想って描いています。うふふ。読んでいただけてしあわせです。励みになります。