ビジュさえ良ければ…容姿に固執する少年が人を傷つけてしまう話に「どうにか救われてほしい」の声【漫画】

2025.06.13 18:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、サイト「チャンピオンクロス」で連載中の漫画、『御門くん、今日もビジュがいいですね』(秋田書店刊)を紹介する。作者のむちゃハムさんが、4月26日に「ビジュさえ良ければ何もかも上手くいくと思ってた」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5.4万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、むちゃハムさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

容姿に苦しみ、容姿を磨いてなお苦しむ少年

容姿が優れ、常に人に囲まれる人気者の御門瑠綺は、“容姿の良さ”は万能な能力だと考える。しかしそんな彼には、幼いころ容姿が原因でいじめを受けた過去があった。そしてその時、自分をかばってくれた女子・神辺墨香は額を縫う大怪我を負ってしまう…。

それをきっかけに御門は彼女への罪悪感と“自分の容姿さえよければ”という思いから容姿を磨くことに強く固執し、周囲の人間から一目置かれる存在となった。そんなある日、御門はクラスの男子が“女子の顔面ランキング”を決めているところに遭遇してしまう。ランキングのワーストとして挙げられたのは、高い背丈と長い前髪、俯きがちな暗い容姿の江波。

彼女について心無い言葉を口にするクラスメイトに「言い過ぎじゃない？」と御門は躊躇いながら指摘する。しかし“ノリが悪い”と告げられ、御門が彼らに同調すると、それを江波に聞かれてしまい…。

この容姿が原因で歪んでしまった少年の話を読んだ人たちからは、「これは固執しても仕方ない」「どうにか救われてほしい」「流れがリアルすぎる」「容姿があってもなくても悩むんだね」など、多くのコメントが寄せられている。

容姿は変わっても内面の優しさは変わらない

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

私が中高生の時から自分含めて女子は容姿のことをめちゃくちゃ気にしていた記憶があるのですが、今は男子も大変そうだなって思ったきっかけが身近でありまして…。漫画でも女性の容姿の悩みとか整形を取り扱った作品はたくさんあっても男性が主人公のそういう作品はあんまりない気がして、ちょうど新連載を考えていたので「男子主人公で容姿を扱った漫画って面白いんじゃないかな？」と思い描きました。自分が中高生の時にあった容姿関連の嫌な記憶とかも源になってます。

――本作では、御門の葛藤と神辺との再会が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

前作がギャグ全振りの漫画で本気で辛そう・悲しそうな人間を描いた経験がなかったので、今作ではそういった表情は気合いを入れて描きました。また御門は一応「作中で最もビジュが良い」という設定があるので焦ってても悩んでてもビジュが良くなるよう気をつけてます…あとは御門の前髪と眉毛の造形と指の長さにはこだわりがあります！注目してほしい箇所は御門や江波の内面の成長とそれに伴う関係性の変化です。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

シーンは1話終盤の御門が江波にブスって言ってしまってから、江波が神辺であることが発覚するシーンが気に入ってるというかその時の全力で描けたかなと思ってます。セリフは序盤の「容姿が良いと人生ちょれ〜〜〜世界雑魚!!」「容姿(ビジュ)・容姿er(ビジャー)・容姿est(ビージェスト)!!」が調子にのってる感が出てて気に入ってます。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

これはこれからの話に関わってくることなのですが「じゃあ垢抜けて容姿良くすれば全部解決じゃん！」みたいな、容姿で悩んでるんだからそこを磨けばオールオッケー！みたいな話にはしないよう気をつけています。かといって垢抜けたい子が努力していること自体は悪いことではないと思っているので、バランスをとれるよう心がけています。あと、ジャンルが一応「ラブコメ」なので暗くなりすぎないようにしています。

――今後の展望や目標をお教えください。

ありがたいことに1話を多くの方に読んでいただけて嬉しかったので、もっとたくさんの人に読んでいただけるよう頑張りたいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

休載する気は一切ないので(病気になったら休むかもしれないです)毎隔週御門くんと江波さんのこれからを見守っていただけると嬉しいです！よろしくお願いいたします。